2008.07.16 Wednesday
カープも強かったが、スワローズもまた強い。ラロッカ、ラミレス、リグスの舶来砲三門はとうに廃棄し、敵に近づいて行っては足下を掃射するような攻撃で一気にやられた。舶来ものもあるのだが、なんと二死三塁からセーフティバントを決めるような切れ者。実に侮れない。
先発岩田は初回4点、2回に2点と取られて試合を壊してしまったのだが、そんなに悪かっただろうか。本人と久保コーチによると、前方への重心移動が十分でないために、球に力無く、キレなく、変化が早くなったという分析のようだ。しかしもともと「立ち投げ」っぽいフォームだと思うしね。あえてあげるなら勝負球のコースがことごとく甘くなってしまったこと。連打のほとんどが、低く野手の間を抜けるもの。狙ったコースに自信をもって投げ込めていれば、おそらくここまで綺麗に間を抜かれる打球が続くことはなかったと思う。
逆に言えばスワローズの各打者が、「鋭いゴロを打て」で徹底されていたのだと思う。野手の正面をつく分にはOK、フライアウトはどんなに飛距離が出てもNG、それくらい徹底されていたのではないかと思う。確かに岩田の膝元に曲がり落ちてくるスライダーは、軌道に合わせるようなスイングをすると振りが緩み、体が開き、バットが下から出てしまう。それを引きつけて体重を残して上から叩くようにという意識で打つと、ヒット性の打球になりやすい。
それが全部ヒットコースに飛んでいったせいで大量失点になってしまった。みんな正真正銘のヒットであることはわかっているのだが、やっぱりまた言ってしまうのだ。もしサードがバルディリスだったらと。三遊間、三塁線、懸命に横っ飛びする関本のグラブの僅か先を抜ける打球。関本だって鼻の利く野手だから、投球コースやスイングによって瞬時の始動ができる男だ。だがAB(アーロム・バルディリスのイニシャルからABっていうんだってさ)の野生の嗅覚と瞬発力は、関本の「賢さ」のはるか上を行く。スワローズのチームオーダーの前に、ABの超ファインプレーが立ちはだかって岩田を救ったかもしれない…まあ、そんなのはファンタジーでしかないんだけどね。
新井は腰に強いハリがあるとかで、スタメンを外す、登録抹消になるという報まである。オールスター、オリンピック、優勝戦線にポストシーズン…これからを考えたら必要な時に休養しないとね。
つい最近の快進撃から5番打者、そして3番打者が離脱するとなれば、それは苦しい。でも必ずここでチャンスを与えられる者が出るわけだから、そいつが活躍したら良いんだからね。今季はずっとそれでやってきた。一人で支えきれなくても、みんなでカバーしてきた。
しかし新井の穴は簡単じゃないよ。スコアリングポジションの走者を返す働き、金本への集中を分散させる働き、長打力で相手を警戒する働き、チームバッティングでチャンスを拡大する働き、内野手のリーダーとして若い投手に気を配る働き、一塁の名手としてでんと構えている働き…これはなかなか埋まらない。みんなでちょっとずつカバーだね。
特に判で押したような2番関本送りバントの「根拠」が薄くなるのも怖いところ。一死二塁で新井&金本なら相当な高確率で点が入るというのが関本バントの根拠だったから。ならば新3番に何を求め、そのために1番2番でどうするか。今度はバリエーションが大事になってくるだろう。首脳陣は知恵を絞らないといけない。
そんなこともあり、打線は川島亮の前に沈黙。壊れた試合だったが、6〜8回を阿部がゼロ封。決してピシャリと抑え込んだという内容ではないが、「漫然と試合を進めてしまった」という印象を相手に与えることが重要。あれで、8回ウラ二死満塁の金本のライトフライがHRだったりなんかすると、もう同じ負けでも全然価値の高いものになったところだからね。そうなればその価値の大半は阿部が作り出したものになっていた。先発候補としての順位を確実に上げる投球だったと思う。
石川俊介プロデビュー。9回の1イニング、飯原には追い込んでからの勝負球がやや甘くなって合わせただけのヒットは打たれたが、続くウィルソンを併殺打に打ち取り、わずか7球、あっという間の3人で片付けた。
運があると思う。こうやって一軍昇格したからには、誰だってチャンスが欲しい。チームにとってはダメな敗戦でも、石川にとってはラッキーな展開だ。首脳陣もプロデビューには気を使う。メタメタの目にあうのも悪くはないが、ある程度キャリアのある選手なら、スッとスタートして欲しいのが正直なところだろう。ちょうど9回、下位打線が相手だ。
矢野も気を使っていた。良いタイミングでひょいと曲がるスライダーを連投させた。この球がお前の軸になる球だ、自信持って投げてみろ!そんな励ましが聞こえてくるようだった。
なかなか「次」が見えないんだけど頑張れ。ナイスピッチング。ようこそタイガースへ!
先発岩田は初回4点、2回に2点と取られて試合を壊してしまったのだが、そんなに悪かっただろうか。本人と久保コーチによると、前方への重心移動が十分でないために、球に力無く、キレなく、変化が早くなったという分析のようだ。しかしもともと「立ち投げ」っぽいフォームだと思うしね。あえてあげるなら勝負球のコースがことごとく甘くなってしまったこと。連打のほとんどが、低く野手の間を抜けるもの。狙ったコースに自信をもって投げ込めていれば、おそらくここまで綺麗に間を抜かれる打球が続くことはなかったと思う。
逆に言えばスワローズの各打者が、「鋭いゴロを打て」で徹底されていたのだと思う。野手の正面をつく分にはOK、フライアウトはどんなに飛距離が出てもNG、それくらい徹底されていたのではないかと思う。確かに岩田の膝元に曲がり落ちてくるスライダーは、軌道に合わせるようなスイングをすると振りが緩み、体が開き、バットが下から出てしまう。それを引きつけて体重を残して上から叩くようにという意識で打つと、ヒット性の打球になりやすい。
それが全部ヒットコースに飛んでいったせいで大量失点になってしまった。みんな正真正銘のヒットであることはわかっているのだが、やっぱりまた言ってしまうのだ。もしサードがバルディリスだったらと。三遊間、三塁線、懸命に横っ飛びする関本のグラブの僅か先を抜ける打球。関本だって鼻の利く野手だから、投球コースやスイングによって瞬時の始動ができる男だ。だがAB(アーロム・バルディリスのイニシャルからABっていうんだってさ)の野生の嗅覚と瞬発力は、関本の「賢さ」のはるか上を行く。スワローズのチームオーダーの前に、ABの超ファインプレーが立ちはだかって岩田を救ったかもしれない…まあ、そんなのはファンタジーでしかないんだけどね。
新井は腰に強いハリがあるとかで、スタメンを外す、登録抹消になるという報まである。オールスター、オリンピック、優勝戦線にポストシーズン…これからを考えたら必要な時に休養しないとね。
つい最近の快進撃から5番打者、そして3番打者が離脱するとなれば、それは苦しい。でも必ずここでチャンスを与えられる者が出るわけだから、そいつが活躍したら良いんだからね。今季はずっとそれでやってきた。一人で支えきれなくても、みんなでカバーしてきた。
しかし新井の穴は簡単じゃないよ。スコアリングポジションの走者を返す働き、金本への集中を分散させる働き、長打力で相手を警戒する働き、チームバッティングでチャンスを拡大する働き、内野手のリーダーとして若い投手に気を配る働き、一塁の名手としてでんと構えている働き…これはなかなか埋まらない。みんなでちょっとずつカバーだね。
特に判で押したような2番関本送りバントの「根拠」が薄くなるのも怖いところ。一死二塁で新井&金本なら相当な高確率で点が入るというのが関本バントの根拠だったから。ならば新3番に何を求め、そのために1番2番でどうするか。今度はバリエーションが大事になってくるだろう。首脳陣は知恵を絞らないといけない。
そんなこともあり、打線は川島亮の前に沈黙。壊れた試合だったが、6〜8回を阿部がゼロ封。決してピシャリと抑え込んだという内容ではないが、「漫然と試合を進めてしまった」という印象を相手に与えることが重要。あれで、8回ウラ二死満塁の金本のライトフライがHRだったりなんかすると、もう同じ負けでも全然価値の高いものになったところだからね。そうなればその価値の大半は阿部が作り出したものになっていた。先発候補としての順位を確実に上げる投球だったと思う。
石川俊介プロデビュー。9回の1イニング、飯原には追い込んでからの勝負球がやや甘くなって合わせただけのヒットは打たれたが、続くウィルソンを併殺打に打ち取り、わずか7球、あっという間の3人で片付けた。
運があると思う。こうやって一軍昇格したからには、誰だってチャンスが欲しい。チームにとってはダメな敗戦でも、石川にとってはラッキーな展開だ。首脳陣もプロデビューには気を使う。メタメタの目にあうのも悪くはないが、ある程度キャリアのある選手なら、スッとスタートして欲しいのが正直なところだろう。ちょうど9回、下位打線が相手だ。
矢野も気を使っていた。良いタイミングでひょいと曲がるスライダーを連投させた。この球がお前の軸になる球だ、自信持って投げてみろ!そんな励ましが聞こえてくるようだった。
なかなか「次」が見えないんだけど頑張れ。ナイスピッチング。ようこそタイガースへ!