2008.09.15 Monday
その後の強いタイガースを中堅として固める若手が育成された時期。02〜03年の星野時代は「急成長期」。経営を含む、全関係者の意識改革が結果をもたらした。04年から続く岡田時代は「実力安定期」。落合ドラゴンズと双璧をなす豊富な戦力で、近年希に見る良好な成績を残す。ただしその戦いぶりは、投手力の安定を考えると、決して安定していたというわけではなく、爆発&失速の波が目立つものではある。
岡田タイガースが結果として安定的な力を発揮できているのは、実績のある主力選手たちが安定的な「総出力」を維持していることが大きい。岡田監督の選択は、常に現時点での「最大出力」を比較することを基本とする。実績のない選手にとっては、大変厳しい環境だが、与えられる少ないチャンスで、自分の「最大出力」が主力を凌ぐものであることを証明することのみが活躍の場を確保する道だ。その判断は、慎重の上にも慎重が期されるため、序列を逆転するのは容易なことではない。少なくとも一芸において秀でていなければ、一軍にいることもない。岩田、バルディリス、阿部らは、少ないチャンスを自力で掴んだ数少ない若手。
実績組の総出力が安定的に高いことは、「爆発力のなさ」と同義である。例えば昨季怒濤の追い上げは、安定していたはずの実績組の出力が低下し、比較検討を重ねるうちに若手を使った方が良いということになり、それがそこそこの出力を出す頃に、実績組の復調が重なり大爆発(と、その後の急停止)になった。
今季前半についても、新戦力たる新井、平野が、それぞれ移籍直後という変動要素によって高出力化し、チーム全体を活性化したことが大きい。しかし一軍の安定(硬直)は二軍にチャンスの少なさをもたらす。今季は若手の活躍の場が減り、そのチャンスを掴む者も減っている。
またもマジックが消えて、ジャイアンツの追い上げが急である。ジャイアンツはもちろん今年で言えばラミレス、グライシンガー、クルーン。近年ということで言えば、小笠原、豊田、スンヨプといった補強力が特徴である。しかしその補強の結果が必ずしもチーム強化に直結していなかった歴史を見るに、現在の追い込みも、それが主原因だとは言い切れない。むしろ、ショートでキレの良い守備を続ける坂本、リリーフの厚みをもたらした越智、山口、思い切りの良さが目立ってきた亀井、脇谷、鈴木尚といった脇役が急成長していることの方が推進力となっていると見るべきだ。
おそらくタイガースのチーム総出力は現在でも高いものがある。しかし例えば金本にしても、矢野にしても、赤星にしても、今岡にしても、安藤にしても…。自信の全盛期と比較して、その出力量は「下向き矢印」であることは否定できない。さらに加えて、今季の中でもピークより「下向き」になってしまっている。もし同じレベルの出力量同士が戦えば、後は「勢い」、「矢印の向き」が重要になる。現状のジャイアンツとタイガースの比較では、矢印の向きは明暗くっきりというところだ。
しかし、だ。ペナントレースは長いのである。両チームとも約20試合を残して、まだまだ矢印の向きがどうなるかは余談を許さない。今、上向き矢印の者が向きを変えることも、その逆も十分に起こりうる時間が残されている。「出力の総和」だけに目を向けず、推進力となりうるエネルギー源が現れ、それを活用すること。
最後の直線には、優勝と、クラシリでのアドバンテージと、日本一への勢いがかかっている。
岡田タイガースが結果として安定的な力を発揮できているのは、実績のある主力選手たちが安定的な「総出力」を維持していることが大きい。岡田監督の選択は、常に現時点での「最大出力」を比較することを基本とする。実績のない選手にとっては、大変厳しい環境だが、与えられる少ないチャンスで、自分の「最大出力」が主力を凌ぐものであることを証明することのみが活躍の場を確保する道だ。その判断は、慎重の上にも慎重が期されるため、序列を逆転するのは容易なことではない。少なくとも一芸において秀でていなければ、一軍にいることもない。岩田、バルディリス、阿部らは、少ないチャンスを自力で掴んだ数少ない若手。
実績組の総出力が安定的に高いことは、「爆発力のなさ」と同義である。例えば昨季怒濤の追い上げは、安定していたはずの実績組の出力が低下し、比較検討を重ねるうちに若手を使った方が良いということになり、それがそこそこの出力を出す頃に、実績組の復調が重なり大爆発(と、その後の急停止)になった。
今季前半についても、新戦力たる新井、平野が、それぞれ移籍直後という変動要素によって高出力化し、チーム全体を活性化したことが大きい。しかし一軍の安定(硬直)は二軍にチャンスの少なさをもたらす。今季は若手の活躍の場が減り、そのチャンスを掴む者も減っている。
またもマジックが消えて、ジャイアンツの追い上げが急である。ジャイアンツはもちろん今年で言えばラミレス、グライシンガー、クルーン。近年ということで言えば、小笠原、豊田、スンヨプといった補強力が特徴である。しかしその補強の結果が必ずしもチーム強化に直結していなかった歴史を見るに、現在の追い込みも、それが主原因だとは言い切れない。むしろ、ショートでキレの良い守備を続ける坂本、リリーフの厚みをもたらした越智、山口、思い切りの良さが目立ってきた亀井、脇谷、鈴木尚といった脇役が急成長していることの方が推進力となっていると見るべきだ。
おそらくタイガースのチーム総出力は現在でも高いものがある。しかし例えば金本にしても、矢野にしても、赤星にしても、今岡にしても、安藤にしても…。自信の全盛期と比較して、その出力量は「下向き矢印」であることは否定できない。さらに加えて、今季の中でもピークより「下向き」になってしまっている。もし同じレベルの出力量同士が戦えば、後は「勢い」、「矢印の向き」が重要になる。現状のジャイアンツとタイガースの比較では、矢印の向きは明暗くっきりというところだ。
しかし、だ。ペナントレースは長いのである。両チームとも約20試合を残して、まだまだ矢印の向きがどうなるかは余談を許さない。今、上向き矢印の者が向きを変えることも、その逆も十分に起こりうる時間が残されている。「出力の総和」だけに目を向けず、推進力となりうるエネルギー源が現れ、それを活用すること。
最後の直線には、優勝と、クラシリでのアドバンテージと、日本一への勢いがかかっている。