2008.11.05 Wednesday
昔は、大学&社会人を経てドラフトで獲得した選手を「即戦力」と言ったもんだが、昨今のタイガースではほとんど実戦配備されることがない。それはもちろん理由があってのことなのだが、結果として若手の活力を利用できていない点は長期的にも短期的にもマイナスに働く。それは誰もがわかっていることであって、首脳陣にしても、できることなら積極的に若手を使っていきたいと切望しているのだ。
このドラフトでは大学生ばかり4人取った。1位蕭、4位西村は安定感のある「エースタイプ」の投手。2位柴田は俊足強肩の外野手でスペシャリスト、3位上本は三拍子揃った二塁手として早大の主将を務め、六大学リーグで1年〜4年フルイニング出場を果たした。
「育成中の選手ならいくらでも抱えているんだから、とにかくすぐに競争になるレベルの選手を入れて、上にも下にもピリピリと刺激を与えろ」クジのハズレはあったが、大学生4人で潔く終了した今年のドラフトだったから、逆に中途半端ではないのだという印象を持った。正解だったかどうかは、先にならなきゃわからないけれど、4人の「ルーキー」には、是が非でも下克上の即戦力扱いを勝ち取って欲しい。
特にというわけではないが、上本が二塁レギュラーに迫ってくれば、またまた二塁発玉突き大競争が起きる。そうでなくとも外国人によるライト発玉突き大競争も必至の情勢。まあ毎年なんだけどね、これは。毎年右の方からきな臭くなる。右側はタイガースの火薬庫だから。その爆発力が大きくなれば、「聖域」にも戦火が及ぶかも知れない。
そうならなきゃ、本当はチームとしての「上限の力」が上がっていかないんだよね。最近のタイガースは、「下限の力」は信じられないほど上がったが、上限はそうでもない。ぐんぐんという伸びは感じない。監督交代で、価値観の転換期である今年がその大きなチャンスだ。