2009.01.08 Thursday
今年の正月も大学駅伝を見ていた。今やすっかり正月の風物詩となって全国的な注目も高い。地形の変化もあって、毎年予想外の展開がドラマを生む。
でも実はこの大会(東京箱根間往復大学駅伝競走)って関東学生陸上競技連盟が主催する「関東大会」なんだよね。時々記念大会で関東学連以外の大学が出場することもあるようだが、基本的に大学の関東大会。この大人気の大会のせいで、多くの全国有力高校生ランナーは関東の大学に進学を希望することになる。他の地域の大学にとっては、ただ見ているしかない。
本来ここまで注目される大会なのだから、全国大会であってしかるべきだと私は率直に思う。 関東の大学だけが長距離人気を「独占」できるのは「正月の箱根駅伝中継」という武器があるから。フェアな状況じゃないように思う。
しかしきっと物を知っている人に言わせれば、それは「東京六大学野球」を全国大会にしろ!と同じことだと言うのだろうなぁ。
プロ野球における「金持ち球団」と「貧乏球団」の間に、企業努力ではいかんともしがたい「構造の問題」が横たわっているのと同様のように思う。これもまた、既成の「私的利益」は絶対的に尊重されるべきという考え方と、「公的利益」を拡大するためには公共財の独占的状況を廃し、公正な競争を導入すべきという考え方の対立と言えるのではないだろうか。
【コメント】
多分、高校生なんかでも野球とその他の競技との間にも、同じ様な構造の溝が横たわっているのでしょうね。
同じ全国レベルの大会でも、甲子園と高校総体や全国大会の注目度の差は競技レベルや競技関係者の責任とは
全く関係のない所で存在してしまっている。
いや、むしろ以後の競技者生活の存続にさえ(特に経済的な面での)影響を及ぼしてしまっている。
色んな競技や協議間の色んな問題は、意外に同じ根の元に存在してるのかも知れませんね。
| 西田辺 | 2009/01/08 10:08 AM |
関東では、母校の出場などもあり仲間うちでもけっこう盛り上がる話題ですよね。関東以外ではそうでないのかもしれません。実際、上京していた関西の友人は興味なさそうだったし。夏の高校野球甲子園大会は関東では「母校、出れねえし」と興味しめさない人もいますね。
いろんな価値観、視野拡大(笑)のため、今年もよろしくお願いします。
| メル | 2009/01/08 10:40 AM |
戸塚の住人ですので、生まれたときから当たり前に箱根があったですわ。
沿道で応援したことは全くないのですが、今頃あの交差点かぁ・・などと思いつつラジオを聴きながら初詣に行くのがここ数年定番です。
いろんな駅伝のあるなかでここまでメジャーなのはテレビ中継の影響が大きいですね。
やきうもですが叫ぶ実況はいただけません。
今年もよろしくお願いします。
| おりがみ | 2009/01/08 12:40 PM |
ここにもY新聞社とNテレビががっつり食いついてます。
複雑な重いですが
結構好きで毎年見てます。
山の登り下りと各区間の長さがすごい演出効果を生みだしてドラマがあって感動してしまいます。
涙出たりしますもん。
出雲と全日本の2つの駅伝ももう少し構成を考え直したらたらいいと思うんですけど。
折角TV中継されてるのにもったいない。
陸連が考えを改めるべきですね。
| kakashi | 2009/01/08 12:40 PM |
年末年始のテレビは、これでもか、これでもかと下らない番組をやっているのです。何となくテレビのスイッチをいれたら、下手なフィクションのドラマに比べれば、多少ドラマチックなので、大して面白いわけでもないのに見てしまうのが、箱根駅伝なのです。
| a;a | 2009/01/08 2:24 PM |
あ、どうも。今年もヨロシクです。
>プロ野球における「金持ち球団」と「貧乏球団」の間に、企業努力ではいかんともしがたい「構造の問題」が横たわっているのと同様のように思う。
個人的印象ではちょっと違うのではないかな〜と思います。すんません。箱根駅伝参加チームって箱根駅伝に参加することによって直接的な利益をどの程度受けているのでしょうか?それによって印象変わります。たとえば、箱根駅伝に出場→参加賞金とか優勝賞金とか莫大なカネを受け取る→それを元手に選手の育成環境を整備、有名監督をカネで雇う→有望な高校生をリクルート→先頭に戻る、とかいう流れでもできているなら「構造の問題」が横たわっていると見てもいいと思いますが、さて?
個人的な話をすれば、かつての正月の楽しみといえば、高校サッカー(静岡だからね)とボウルゲームを観ることでした。むかしは地上波でローズホウルやシュガーボウルなどを中継してました。それが、今では高校サッカーにおいては静岡県代表は緒戦で敗退することも珍しくなくなり、ボウルゲームどころかNCAA大学フットボールの中継自体地上波ではなくなり…
| tama | 2009/01/08 4:33 PM |
箱根駅伝は大好きです。私は日テレが全国放送する前、テレ東がダイジェスト版を放送していたころからのファンです。
当時、関西から関東へきて良かったと思った事のひとつが箱根駅伝を見られることでした。
今年の感想は「読賣新聞とソフトバンクは仲良しだなあ」でした(CM^^;)。
読売新聞社はプロ野球に限らず、スポーツを一般大衆へ広めメジャーにするのは上手いですね。箱根駅伝もそんな大成功のひとつでしょう。
Wikiによれば関西学生対抗駅伝も負けずにメジャー化を目指して様々なアイデアを練っているようです。
すでに全日本大学駅伝があるにもかかわらず、
勝ち馬に後から乗っかろうとするような
箱根駅伝のオープン化よりも
こういった「反骨魂」の方が、私は好きですね。
(これまた読賣新聞社主催の2匹目のドジョウ狙いですが^^;)
| ばかぼん父 | 2009/01/08 5:15 PM |
明けましておめでとうございます、と申し上げるのも憚られる時期になってから、いきなり長文の横レスで恐縮ですが、tamaさまへ。
箱根駅伝に出場する大学が直接的に得る利益、それは、絶大な宣伝効果です。
一年で最ものんびりTVを見ていられる正月に、ほぼ風物詩として流される番組で、のべ10時間にわたって大学名が連呼されるのです。同じ効果のCMを流したら、おそらく何億円、何十億円とかかるでしょう。一部の大学では、「不謹慎な話だけど、中途半端な順位でいるより、ブレーキでも起こしてくれたほうが注目されていい」と断言している関係者もいるくらいです。
大学が有名になれば、受験者=受験料収入が増えます。経営に悩む私立大学にとって、箱根駅伝は手っ取り早い宣伝手段なのです。
もちろん、現場の選手やコーチは真剣に陸上競技に打ち込んでいるでしょう。その一方で、選手やコーチを集めるために、お金は動いています。単純な話、それなりにお金かけなきゃアフリカから留学生は呼べませんよ。
私は「お金をかける=構造的に問題がある」とは思っていません。お金をかけることで競技力がアップするなら、選手を苦しめない範囲内でどんどんかければいい。
……ただ、それが競技力というか、国際競争力に結びつかないところが、昨今の日本の陸上長距離種目の悲しいところなのですが。生まれたときから高地トレ、歩き始めたときからクロカントレしてるアフリカ人に勝てるわけないわな。
| あーちゃん | 2009/01/08 10:16 PM |
西田辺さん、「おもしろいものにカネが集まる」のはある意味で健全な経済活動なのですが、そこにバランス感覚や倫理観の欠如がある場合は問題です。箱根駅伝はそこまで問題とは感じないのですが、やはりスポーツとメディアの「やや」不健全な繋がりは感じます。
メルさん、日テレ系がここまで力を入れるようになって20年ちょいです。もうすっかり全国で風物詩になりましたね。
おりがみさん、正月2日の朝からテレビでというのがポイントですね。ちょうどお笑いに食傷気味な朝ですから(笑)。
kakashiさん、いや文句なしに面白いですもん。他大会、やっぱり「正月朝」というアドバンテージにはかなわないんじゃないでしょうか。
a;aさん、大して面白くもない時間帯が長いですからね、長距離は。でも面白いところはかなり面白い(笑)。
tamaさん、日テレの全国中継が始まってからずいぶん変わってきているでしょう。参加賞金ではなく、宣伝広告効果狙いですね。以後のスパイラルはその通りだと思いますよ。
それはそれで良いんですが、関東以外の大学はもう実際のところ太刀打ちできないでしょうね。そこが問題だと思うんです。
ばかぼん父さん、そう日テレは目の付け所が良かった。そして「育て方」が上手かった。間違いないです。たぶん日テレ側は全国大会にしたいと思っているんじゃないですかね。関東陸連が承諾するはずはないでしょうが。
やっぱりやるなら関西学連も正月2日、同じ時間にABC系で勝負ですね。有馬温泉でも京都でも…ムリか(笑)。
あーちゃん、お金集まるのは結構なことですよね。私もそう思います。でもここまで全国的注目のメジャー大会になっちゃうと、「関東」というのがなんともしっくりこないんですよ。道州制、地方自治のためにもね。
| torao | 2009/01/09 8:41 AM |
”べき”論で金は動かんですよ。
読売が中継してくれるから関東の大学が強くなるわけで、これは陸連の外の力でしょう。
構造的に関東の大学が有利だからと言って、それが読売の放送という力のより底上げされた結果であるなら、その格差是正はすべて弱くするになってしまいますよ。
| お久しぶりです。 | 2009/01/09 2:03 PM |
大学野球では近年、東北、九州、愛知や関東でも「東京六大学」や「東都」以外のリーグから当たり前のようにドラフト上位指名の選手が出るようになりました。
プロを目指す高校生にとって大学のブランドよりも指導者、練習環境何より試合出場機会が最重要なんでしょう。
一方多くの高校駅伝ランナーにとって箱根を走ることは夢であり最終目標であるからいかんともしがたい。
名古屋熱田神宮から伊勢神宮まで走るのが全日本大学駅伝だということはつい最近知ったのですが、昨年の結果は関東からの12校(いずれも箱根駅伝出場校)が7位の第一工業大(九州)を除く上位13校を独占している。関東集中は歴然です。
この全日本大会をより魅力あるものにできないか。距離がおよそ半分だから二日間で往復するとか、二日目はいっそ奈良まで延ばすとか、開催時期を盆休みにし超過酷レースを売りにするとか・・・(汗)。
まっ箱根はこれでいいんじゃないですか。今まで地道に育ててきた日テレさんのお手柄ですよ。
私は例年二日か三日に豊川稲荷へ初詣に出かけますが、この時の車を降りている間を除きほぼ全区間をテレビかラジオで見物します。余り熱くならずまったりとした気分で。
でも今年はメッチャおもしろかった!
王者駒沢大のまさかの凋落。二区ダニエルとモグスの異次元の走り。早稲田は三区エース竹澤の力走で主導権を握ると四区地元豊川工出身のスーパールーキー三田が区間新の快走。これで往路はおろか16年ぶりの総合優勝が見えたか!
ところが箱根の山登りでとんでもないのが現れましたな。「山の神をも超える神童」東洋大柏原いや〜すごかった!
不祥事で出場さえも危ぶまれたなか箱根路を走れる喜びと責任を取って辞任した監督のためと燃えた東洋大の選手たち。
久しぶりにちょっと肩入れしてしまいました。
| とらぽるた | 2009/01/10 2:48 PM |
お久しぶりです。さん、(と言われても誰だかわかりませんが)すみません。あんまりよくわかりません。
とらぽるたさん、今年の箱根駅伝は見所が満載でしたね。箱根のブランド力は物凄いものになりました。もう全国の高校のランナーは、ここで走ることへの憧れのために、上京することになる流れは止められないでしょう。やっぱりスポーツ界は、地図を作るのも、生かすも殺すも、メディア次第ということですね。
| torao | 2009/01/11 10:17 PM |
すみません、超遅レスとなってしまいました。昨日、一昨日と代々木へバスケのAJ(ALL JAPAN)を観に行ってたもので。
まずは、あーちゃんさまとtoraoさまへ、レス有難うございます。
小生が「ちょっと違うのでは」と書いたのは、toraoさんが書かれた「構造的な問題」というのが、「もはや箱根駅伝の常連校でないと、有力選手は集まらないし、駅伝で結果も出せない」という意味であると受け取ったからです。とらぼるたさんの書き込みにあるように昨年の全国大学駅伝の結果からも「箱根ブランド」の優位さは歴然としてるかもしれません。
しかしながら、例えば90年代に箱根を連覇した神奈川大学も、もとは高校の有力選手が箱根常連校志向で選手集めに苦労する中、県内のさほど有力でなかった選手を地道にリクルートしてそれを鍛えあげて箱根を連覇するまでに育て上げたと聞きますし、むしろ連覇以降のほうが有力な選手を集めやすくなったにも拘らずあまり成果が出ていないとも聞きます。
それから、長距離とは全く関係はないのですが、同じ陸上競技の世界では福島大学のように地方の国立大学という制約がありながら(陸上部としての年間予算はほぼないに等しいらしい)、独自の活動によってイケクミや丹野麻美などの五輪選手を輩出している学校もあります。
なので、「たとえ箱根常連校でなくても、しっかりとした活動をすれば駅伝で結果を出すことは可能ではないかと思う」というのが小生の言いたかったことです。
>しかしきっと物を知っている人に言わせれば、それは「東京六大学野球」を全国大会にしろ!と同じことだと言うのだろうなぁ。
そんなこと言う人がいるとも思えませんが、東都あたりと合併してリーグ改変するのは十分考える余地があるのではないかと思います。
米国ではかつてのPAC8はPAC10に(70年代の終わりごろアリゾナ大学とアリゾナ州立大学が加盟)なり、BIG10は名称は変わらないけど傘下校は12校に増えたし、SWCとBIG8は合併してBIG12となってるし、東部には知らない間にBIG EASTなんていうリーグができてるし…でもきっと、東京六大学リーグって米国でいうとアイビーリーグみたいなものだから(品格はともかく、伝統を重んじるという点で)、難しいかな。
まあ、数字前のネタなので読まれる方はいらっしゃるとは思いませんが、書いてみました。
| tama | 2009/01/12 11:44 AM |
tamaさん、なるほどおっしゃりたいことはよく理解しました。おごる平家は久しからず…「野球=東京六大学」と、かつて栄華を極めた東京六大学野球も「伝統文化」っぽくなっています。
関東以外でも適切なことをやっていれば、正しく育成される可能性はあるんですね。
ただこのご時世、毎年視聴率25%ほど取る箱根駅伝の影響力は他との比較が適切かどうか…。
面白い視点、ありがとうございました。
| torao | 2009/01/14 1:09 PM |
【コメントする】 ※初めての方はまず
こちらを読んでから!