2009.04.19 Sunday
確かに逆転負けとなれば「勝利」が消えるのは仕方ないけど、例えば降りた後の終盤同点に追いつかれて、また突き放して勝ったとする。でも先発投手の好投が「消える」わけじゃないから、「勝利に最も貢献した投手」まで消しちゃうのはやりすぎだよなぁ。もっともそれに縛られて、みんながおかしなことになっちゃったりするのが面白い部分ではあるんだけど。そうだからずっとそのままなんだろうけどね(笑)。
7回表までの完璧に近い「完勝系」と、7回ウラからのミス連発(ミス応酬か)の「凡戦系」。1つで2試合分楽しめたってことにするか。なにはともあれ能見の勝ちだけ消さないでやって良かった良かった。
凡戦への引き金は、5−0リードの7回ウラ能見の後を受けた渡辺の先頭打者への四球。大量リードで先頭打者への四球は、よっぽど粘られたということでもない限り「凡ミス」だ。打者が野口で投げにくかったとか、顔が面白くて手元が狂ったとかの理由があってもだ。
そこでイライラっとしたのはわかるが、一死後ヒットで一二塁、代打金城がコールされたところでバタバタとアッチソンにスイッチしたのは継投ミス。このタイミングでアッチソンを出せるワケがない。
金城の打球は一二塁間、平野がダイブで好捕、立ち上がって一塁を見るがベースカバーがいない。自分の横を抜けたのだから関本は二ゴロに備えてベースに戻るのが常套。ところがまだライトへ抜けてもないのにライトからサードへの送球に備えて中継のポジションに向かってしまったという。また投手は右へのゴロなら反射的に一塁ベースカバーに走らなければならないがアッチソンも遅れたのだろう。せっかくのファインプレーがムダになっちゃった。
二死満塁から内川タイムリーで5−2。ここで吉村の「センター前ヒット」を鳥谷がダイブ&素速いグラブトスで二塁封殺した超美技!二死にする。「2試合目」唯一のキラリと光る好守備だった。しかし四球と二塁打で追撃5−4、1点差となってなお二三塁。アッチソン以上に焦っている仁志が三振して能見の勝ちは消えなかったが、ミスがミスを呼ぶ怖いイニングだった。
8回表、ベイも代わった横山が先頭葛城に四球、相変わらずつきあいが良い。とっておきの代走赤星。続く桜井、バントの構えから初球を打って二ゴロ。真弓監督が試合後「サインミス」と言ったのはおそらくこのプレーだろう。ベイの野口捕手が盗塁フリーパス発行中なのは明白なので、1,2球のうちに赤星がスチール、策はその後だったはずだ。しかし平野中前、鳥谷もしぶとく粘って中前で続き一死満塁で金本。高く上がった打球はセンター方向、入るのか?捕られるのか?フェンスダイレクト!ここで二走平野が凡ミス。ハーフウェイ(捕られた時に、今いた塁に戻れるギリギリまで出て判断を待つ)からゴーなら何も問題なく帰れるところを、タッチアップ含みから遅いスタートで三塁止まり、一走鳥谷も詰まって二塁止まり、ところが金本はそれに気づかず一二塁間まで走ってしまう。しかしここでそれに輪をかけて悪い横浜の守り。下手な挟殺のスキを衝いて平野が本塁を陥れ、送球の間に鳥谷、金本は三塁二塁に進塁。続く新井のバウンド高い三ゴロ、下がって捕った藤田、間に合わない本塁に投げて野選。9−4となってダメのダメ押し。関本タイムリーで取られた4点取り返し。
8回ウラはジェフが無難に。9回ウラはまたも江草。一死後四球で走者を出すと、快速ノーワインドアップ投法のリズムが狂って連打で一死満塁。しかし最後はまたも仁志がおあつらえ向き三ゴロで5−5−3併殺で試合終了。
すっかり「先発を引っ張る」という目標が「それどころじゃない」って感じになっている昨今、ブルペン投手の「戦力外化」はチーム運営上やっちゃいけないこと。阿部は先発させるつもりかも知れないが、上げたばかりの筒井を戦力化させるチャンスは大いにあったように思う。
さて、「1試合目」の好ゲーム。ベイ先発グリンに手こずっていたが、4回新井の会心の一撃で1点先制。
5回は2番初スタメンの藤本のヒットなどで作った二死満塁を関本が右前クリーンヒットで2点。3−0。
さらに6回はこの日もマルチの狩野遊内野安打を能見が送って、1番桜井四球で一死一二塁。左が続くところで那須野に交代、タイガースは藤本に代打今岡。フルカウントから落ちる球に空振り三振、走者はそれぞれスタート、野口は三塁をあきらめ二塁に投げたが送球それてダブルスチール成功。苦しいね野口っちゃん。二死二三塁鳥谷、外要求の真っ直ぐが内に抜けた逆球を、野口触ることもできずパスボールで労せずして1点。4−0。苦しいね野口っちゃん。
7回は二死から関本の右中間二塁打、メンチの左前がタイムリーとなって5−0とたたみ掛けた。ここまでの攻撃は満点をやっても良かった。
そして何と言っても頑張ったのは能見。ベイスターズ打線の淡泊さに助けられた面は大いにあるにせよ、いつもどおりの苦しい立ち上がり二死満塁を切り抜けてからは、思い切りよく腕が振れた。2〜4回を9人連続でピシャリ、うち8人を三振という内容は圧巻だった。勝利を意識する5回は無死一二塁のピンチ、グリンの送りバントには狩野の一塁送球という指示を無視して三塁へ投げ封殺。その後の一死一二塁、二死満塁のピンチも危ない打球がなんとか野手の正面に飛んでくれて命拾い。気持ちはわかるんだけどね(笑)。でもまあ6回まで良く頑張ったよ。
ヒーローインタビューではほとんど何を言っているのか、たぶん自分でもわかってなかったと思うけど、「力を貸して下さい」という言葉にはなんだか必死さを感じたし、胸を打つものがあった。そういう必死さがチームに伝わって、途中それが重圧になってしまった部分もあったかも知れないけれど、全体として「能見のためにも」という試合になったんだと思う。だけど借りるまでもなく、力あるんだからさ。今度は1回、5回に必死にならず、スイスイスイと9回まで涼しい顔して投げちゃいなよ。できるんだから、ね(笑)。
◇4月18日(土)横浜−阪神2回戦(阪神2勝、14時、横浜、25773人)
阪 神 000 121 140−9
横 浜 000 000 400−4
【阪神】○能見(1勝2敗) 渡辺 アッチソン ウィリアムス 江草
【横浜】●グリン(0勝3敗) 那須野 加藤武 横山 高崎
[本塁打]新井3号(神)
7回表までの完璧に近い「完勝系」と、7回ウラからのミス連発(ミス応酬か)の「凡戦系」。1つで2試合分楽しめたってことにするか。なにはともあれ能見の勝ちだけ消さないでやって良かった良かった。
凡戦への引き金は、5−0リードの7回ウラ能見の後を受けた渡辺の先頭打者への四球。大量リードで先頭打者への四球は、よっぽど粘られたということでもない限り「凡ミス」だ。打者が野口で投げにくかったとか、顔が面白くて手元が狂ったとかの理由があってもだ。
そこでイライラっとしたのはわかるが、一死後ヒットで一二塁、代打金城がコールされたところでバタバタとアッチソンにスイッチしたのは継投ミス。このタイミングでアッチソンを出せるワケがない。
金城の打球は一二塁間、平野がダイブで好捕、立ち上がって一塁を見るがベースカバーがいない。自分の横を抜けたのだから関本は二ゴロに備えてベースに戻るのが常套。ところがまだライトへ抜けてもないのにライトからサードへの送球に備えて中継のポジションに向かってしまったという。また投手は右へのゴロなら反射的に一塁ベースカバーに走らなければならないがアッチソンも遅れたのだろう。せっかくのファインプレーがムダになっちゃった。
二死満塁から内川タイムリーで5−2。ここで吉村の「センター前ヒット」を鳥谷がダイブ&素速いグラブトスで二塁封殺した超美技!二死にする。「2試合目」唯一のキラリと光る好守備だった。しかし四球と二塁打で追撃5−4、1点差となってなお二三塁。アッチソン以上に焦っている仁志が三振して能見の勝ちは消えなかったが、ミスがミスを呼ぶ怖いイニングだった。
8回表、ベイも代わった横山が先頭葛城に四球、相変わらずつきあいが良い。とっておきの代走赤星。続く桜井、バントの構えから初球を打って二ゴロ。真弓監督が試合後「サインミス」と言ったのはおそらくこのプレーだろう。ベイの野口捕手が盗塁フリーパス発行中なのは明白なので、1,2球のうちに赤星がスチール、策はその後だったはずだ。しかし平野中前、鳥谷もしぶとく粘って中前で続き一死満塁で金本。高く上がった打球はセンター方向、入るのか?捕られるのか?フェンスダイレクト!ここで二走平野が凡ミス。ハーフウェイ(捕られた時に、今いた塁に戻れるギリギリまで出て判断を待つ)からゴーなら何も問題なく帰れるところを、タッチアップ含みから遅いスタートで三塁止まり、一走鳥谷も詰まって二塁止まり、ところが金本はそれに気づかず一二塁間まで走ってしまう。しかしここでそれに輪をかけて悪い横浜の守り。下手な挟殺のスキを衝いて平野が本塁を陥れ、送球の間に鳥谷、金本は三塁二塁に進塁。続く新井のバウンド高い三ゴロ、下がって捕った藤田、間に合わない本塁に投げて野選。9−4となってダメのダメ押し。関本タイムリーで取られた4点取り返し。
8回ウラはジェフが無難に。9回ウラはまたも江草。一死後四球で走者を出すと、快速ノーワインドアップ投法のリズムが狂って連打で一死満塁。しかし最後はまたも仁志がおあつらえ向き三ゴロで5−5−3併殺で試合終了。
すっかり「先発を引っ張る」という目標が「それどころじゃない」って感じになっている昨今、ブルペン投手の「戦力外化」はチーム運営上やっちゃいけないこと。阿部は先発させるつもりかも知れないが、上げたばかりの筒井を戦力化させるチャンスは大いにあったように思う。
さて、「1試合目」の好ゲーム。ベイ先発グリンに手こずっていたが、4回新井の会心の一撃で1点先制。
5回は2番初スタメンの藤本のヒットなどで作った二死満塁を関本が右前クリーンヒットで2点。3−0。
さらに6回はこの日もマルチの狩野遊内野安打を能見が送って、1番桜井四球で一死一二塁。左が続くところで那須野に交代、タイガースは藤本に代打今岡。フルカウントから落ちる球に空振り三振、走者はそれぞれスタート、野口は三塁をあきらめ二塁に投げたが送球それてダブルスチール成功。苦しいね野口っちゃん。二死二三塁鳥谷、外要求の真っ直ぐが内に抜けた逆球を、野口触ることもできずパスボールで労せずして1点。4−0。苦しいね野口っちゃん。
7回は二死から関本の右中間二塁打、メンチの左前がタイムリーとなって5−0とたたみ掛けた。ここまでの攻撃は満点をやっても良かった。
そして何と言っても頑張ったのは能見。ベイスターズ打線の淡泊さに助けられた面は大いにあるにせよ、いつもどおりの苦しい立ち上がり二死満塁を切り抜けてからは、思い切りよく腕が振れた。2〜4回を9人連続でピシャリ、うち8人を三振という内容は圧巻だった。勝利を意識する5回は無死一二塁のピンチ、グリンの送りバントには狩野の一塁送球という指示を無視して三塁へ投げ封殺。その後の一死一二塁、二死満塁のピンチも危ない打球がなんとか野手の正面に飛んでくれて命拾い。気持ちはわかるんだけどね(笑)。でもまあ6回まで良く頑張ったよ。
ヒーローインタビューではほとんど何を言っているのか、たぶん自分でもわかってなかったと思うけど、「力を貸して下さい」という言葉にはなんだか必死さを感じたし、胸を打つものがあった。そういう必死さがチームに伝わって、途中それが重圧になってしまった部分もあったかも知れないけれど、全体として「能見のためにも」という試合になったんだと思う。だけど借りるまでもなく、力あるんだからさ。今度は1回、5回に必死にならず、スイスイスイと9回まで涼しい顔して投げちゃいなよ。できるんだから、ね(笑)。