2009.05.28 Thursday
◇5月27日(水)阪神−西武1回戦(阪神1勝、18時、甲子園、46160人)
西 武 000 010 000−1
阪 神 000 000 40×−4
【西武】●石井一(2勝4敗) 野上 星野 岡本慎 許
【阪神】○下柳(4勝2敗) アッチソン S藤川(4セーブ)
しみじみ嬉しい試合。思い出して、噛みしめて、良かったぁ…と喜びがじわじわとこみ上げてくるような試合。
まるで昔の石井一。タイガースが白黒縦じま帽子を被っていて、石井一がスワのエースだった頃のようだった。でもまだ36歳なんだね、若いじゃん(笑)。さすがに直球の力は落ちているけれど、スライダーの鋭さは大したもん。かつてのノーコンは、豊富な経験から数々の技巧を身につけていた。低めの出し入れの投球は見事だった。きっとあの白黒縦じま帽子を見て、完全に上から見下ろすことができたんだと思う(笑)。
しかし対する下柳も立派だった。本当に今年の下柳は凄い。体力的な低下を最小限に留めるハードトレーニングの成果だろう。「体」さえクリアしちゃえば、「心」と「技」は年々磨かれる一方だから、投球がどんどん良くなるということなんだろう。ボールの力に頼らずに、いかに点を失う可能性を下げられるか。そのテーマを掘り下げていくと下柳になる。5回に盗塁と石井一のタイムリーで1失点。それでもベテラン左腕対決を楽しむかのように7回を投げきった。
完全に沈黙させられていた打線が火を噴いたのが7回ウラ。シモが無死二塁のピンチを無失点にしのいだ直後、0−1ビハインドはたったの1点。下柳へは当然代打。とにかくこの回だ。
打順は、この日一塁スタメンで起用もここまで良いところがなかった7番今岡から。近いうちにブラゼルを上げるとなると誰を下げるのか。左右のバランス関係なく、今岡はその候補の筆頭だろう。この日、ひょっとしたら今年、さらには…最後の打席になるかもしれない3打席目。高いところ、低いところ、落ち着いて見極めてカウントは0−3。甘いところを二つ見て2−3。この「待て」はサインだろう。バッテリーは今岡の対応力を警戒し、というより直球への対応が弱いと見て直球を4つ続けていた。ラストボール、外の直球に今岡のバットが素直に出た。打球は良いスピードで左中間に落ちて間を破ろうとする。鈍足今岡どうする?一塁を回る。レフト追いつけず、センターがフェンス手前でなんとか追いついて中継へ返球、まだ二塁へは遠い、鈍足間に合うか?ここで鈍足のへそから上がびょ〜〜〜んと伸びてベースに到達!やや遅れてへそから下がぼよよ〜〜んと追いついた!今岡炎のバネ式ヘッドスライディングで二塁打!ノーアウト二塁!代走平野。
8番狩野は初球片膝をついて絶妙なバント、三塁線を弱く転がる。石井懸命に駆け下りて必死の一塁送球、間一髪アウト!ナイスバント、一死三塁。
9番シモに代えて桧山。初球はアウトローいっぱいいっぱいをストライクのコール。桧山そりゃないよのポーズ。しかし気を取り直した2球目はそれより遙かに甘いど真ん中直球、球足の速いゴロが前進守備の二塁右を抜ける、同点タイムリー!桧山〜〜〜!いいぞ〜〜〜!さすが縦じま帽子の4番打者だ!代走大和。
痛恨の失投にぶつぶつ自分への雑言が止まらない石井。ムカムカのまま投げた初球、赤星はその精神状態を見透かしていた。一塁線へのセーフティーバント。石井の反応が遅い。ボールに追いつけずその場に転倒。どうやらヒザを痛めてしまったようだ。狩野のバント、赤星のバント、どちらもベテラン投手殺しの素晴らしいコースだった。好投石井一ここで無念の降板、だけどナイスピッチだったよ、敵ながら。
一死一二塁、関本。代わった野上の初球、外よりのスライダーをきっちりセンター右へライナー性のヒット、大和スタート良くホームイン!逆転2−1!すごいぞ連打、みんな1球を仕留めているぞ、どこのチームの打線だこりゃ(笑)。投手交代星野。
なお一死一二塁、鳥谷。また初球!右中間ど真ん中、センター走って走ってスライディング、捕れない、ヒット!赤星は三塁ストップ、ちょっと判断悪いけど、まあしゃあないか。一死満塁。
金本は左腕星野の大きな変化球に腰が引けてどうにも打てそうにない。しかし追い込まれながらもなんとか粘る。8球目、逃げる球に踏み込んできているのでインコースに直球、決めに来るが力入り過ぎて頭付近へ。しかし危機回避の天才金本危うく逃げる。その際、手の甲をかすめて死球押し出し、3−1。投手交代岡本。
新井1−1から落差はあるものの甘いスライダーを強引に押し込む。打球はセンター、フェンス手前まで伸びて犠飛4−1。二走鳥谷も三塁へ。
桜井に代わる葛城は平凡な中飛でイニング終了。しかし頭の整理、狙い、積極性、欲しかったものが揃った良い攻撃だった。
最後はアッチソンから藤川へ。球児はいきなり代打大崎に追い込みながらの四球、さらにG.G.佐藤には三遊間真っ二つ。代打は石井義、無死一二塁、一発で同点のピンチ。しかしここで勇気の妖精が球児の元に舞い降りた。初球渾身直球で空振り。さらに綺麗なバランスのまっすぐ2つで三球三振。次の代打はHR11本のボカチカ。しかし藤川&狩野止まらない。まっすぐ3つで三球三振、キター!最後は江藤、初球フォークでストライク。これで勝負あり。あとはまっすぐ2つ、力のど真ん中、さらに高め狙って空振り三振!キター、球児キター!三者連続3球三振しかもみんな空振り三振キター!…はあはあぜいぜい…(笑)。
気がつけばタイガースのチーム防御率は12球団トップ(ただしチーム打率は下から3番目)。このモチャモチャのもみあいを辛抱していれば、きっときっと猛打復活、連戦連勝のV字回復をするだろう!