自称阪神タイガース評論家（跡地）

　能見と久保を抹消し、赤星を登録。これがタイガースの話。うまいことまわしているように見えるけど、私にはちっともそう思えないなあ。登板機会を見ながらこまめに上げ下げするのは良いことだが、結局先発投手の順番の話でしかなく、中継ぎから先発トライさせたり（阿部と能見の２回だけじゃない？）、先発を抹消して中継ぎを入れたり、あるいは野手を入れたりというのは極めて少ない。チームに必要なものを補充や、刺激策としては使えていない。ただ相手にとって先発投手を読みやすくしているだけに思う。

◇７月２０日（月）阪神−ヤクルト１１回戦（ヤクルト８勝３敗、１８時、甲子園、４６７８６人）　　　　　　　　　　
ヤクル　０１０　１１０　０００−３　
阪　神　０００　０１０　１００−２
【ヤクルト】○ユウキ（３勝２敗）　押本　李　松岡　Ｓ林（22セーブ）
【阪神】●下柳（５勝７敗）　江草　筒井　アッチソン　渡辺　ウィリアムス
[本塁打] 川島慶８号（ヤ）

　スワローズは６安打、２四球と１つのエラーで走者を出した。無死の走者は１回と５回の２度だけ。一方のタイガースは９安打と５四死球で塁上を賑わし、しかも９回のうち６回も無死の走者を出しながら、なぜか当たり前のように負けている。これを「野球下手」と言わずしてなんと言う。

　そりゃまあ勝負事だから、ツキの要素は多分にある。ガイエルの止めたバットの打球が右前ヒットとなり、一走が三進した４回などツイてないと言いたくなるのはわかる。それでも、走者を進めるための打球、走塁の準備、犠飛を打つための狙い球と、攻撃に携わる者だちがきちんと意識を持っているから簡単に点が入る。「野球上手」だ。

　「好きこそものの上手なれ」探求心、向上心、執着心、こだわり…そういう「好事の心」が足りない。なんともあっさりとした、淡泊さを感じる。「べつにそんなマニアックなことせんでも、普通で良い」といった風だ。だから相手にとってはちっともイヤじゃない。与しやすい。

　投手のモーションが大きいと見ればすかさず盗塁する走力とスライディング技術を持ち、エンドランというオプションを使える右ゴロの確かな技術を持ち、読みと瞬発力のある打球判断ができる。そういう選手が中軸の前後で相手守備陣に圧力をかける、それを目指しているのが良くわかるのがスワローズの野球。それを目指すと言いながら、できあがっているのは、そのほとんどの要素を消してしまっているのがタイガースの野球。
　この内容で２−３というスコア。今季を象徴する、今季の「平均値」のような試合だった。

　シモは相手の狙いにはまってしまうらしくない投球。といっても５回３点なんだから、ひどいということもないんだけどね。
　７回新井久々のタイムリー（どんづまり）。あそこですぐにぽんと代走出してあげれば良いのに。そういうのセンスだと思う。平野は絶好調、その調子その調子。赤星復帰良かった。ただ５回のムダ死にが痛かった。ボテボテ二ゴロならいつでも打てるっていう技術が欲しい。打撃の雰囲気は悪くないんだから、後は前がかりの集中力だな。