自称阪神タイガース評論家（跡地）

　つまらないミス（盗塁で二塁へ悪送球、右中間の連携悪くランニングホームラン、不用意な配球で投手にヒット、一ゴロベースカバーでトスを落球）がなければ、完封で普通に勝っていた試合。ああもったいない。

　だけどホント、金村曉は気の毒。立ち上がり全然悪くなかったからね。気丈にしていたけど、「なんでオレの時は」って落ち込みたくもなるやろ、そら。
　こうなりゃ「１勝」を差し上げるためだけのインチキ中継ぎをやらせてあげたいくらいだよ。たとえば下柳の試合で、５−０くらいで勝っている５回二死でいきなり金村に交代して、２〜３回放らせるの（笑）。それでもその後アッチソンが炎上して追いつかれちゃったりしそうだけど（笑）。

　その後繋いだリリーフ陣はみんな本当にグッジョブ。この試合の中で一番良かったこと。筒井、ジェン、渡辺、江草、みんな球に力があり、肝の据わった投球ができていた。これから楽しみ。

　クルーンの速球を左ヒザ下にまともにくらった平野。のたうち回って痛がって、治療して出てきて、走って、スライディングして、また痛がって…。感動したよ。あのガッツに応えて逆転したかったよなぁ。


　前日、勝利インタビューでの一言「一戦一戦です」ってのはどういう意味だったのだろう。打てない打たれたミスしたという結果は勝負事だからあること。しかし関本抹消という、重要パーソンを欠くという大事件を前にして、その代わりに上げたのが翌日の先発（つまりこの一戦では絶対に使わない選手）下柳。簡単に埋まるわけもない関本の穴を埋めようともしなかった施策のどこが「一戦一戦」か。今日抹消が明ける水田を上げるようだが、１日だけ上げてすぐに下げるのが忍びなかったか。それは明らかに間違いだ。バルディリスを１日だけ使って１０日の抹消期間に入れるのがイヤなら（確かにそれは愚策だ）、みんなでちょっとずつ詰めて穴を埋めて、最後に空いてしまう穴を埋めるべく、大城でも上本でも柴田でも、１日限りの代走要員を入れれば良いではないか。それが昨日の「一戦一戦」「ベストをつくす」ではなかったのか。

　関本なしのスタメンをどう組んだか、補充人事をどうしたか、それ次第では結果が全然違っていた試合だろう。まずは若手野手を上げることで、空気がピリッとするだろう。過渡期のチームにとって若手選手の昇格は、現在の控え選手はもちろんのこと、ベテラン選手にとっても脅威である。関本の怪我と水田の抹消のおかげで、たった１日限定のチャンスを掴みに来た男が発する必死さは、必ずチームになんらかの影響を与えたことだろう。右中間の穴で失った１点は間接的に関本の穴が生んだ１点。試合終盤、もし同点逆転の好機を演出したとしても、重要な走者として塁に残った高橋光やブラゼルにろくな代走を出せずに相手投手に楽をさせただろう。
　災いも対応を誤らなければ糧となり、時には大きな発憤材料になることもある。しかし昨日の対応は明確な間違いだった。

　加えて言えば、体調面や調整面でコントロールに不安のある投手がならぶジャイアンツの勝ちパターン継投陣に対して、もっとも有効な嫌がらせとなる赤星に代えて代打高橋光を送った勝負手もセンス今イチだと思った。今現在の調子、能力、運気の向きを勘定に入れて作戦を選択して欲しい。

　序盤凡ミスの連続にも、淡々と終わらずに、最後までガッツを燃やし良いゲームにした。それだけに、試合前、そして重要ポイントでの首脳陣センスの悪さが際だった。ひょっとしたらそういう前半同様の判断の悪さが、前半同様のミス連発を呼んでしまったのかも知れないよ。