自称阪神タイガース評論家（跡地）

８月１３日（木）阪神−中日１７回戦（中日１１勝６敗、１８時、京セラドーム大阪、３２４５２人）
中　日　０００　０００　６０３―９
阪　神　２００　０００　０００―２
【中日】川井　○河原（２勝０敗）　高橋　浅尾　ネルソン
【阪神】●久保（６勝５敗）　江草　ジェン
[本塁打] 鳥谷10号（神）　ブランコ32号（中）　森野17号（中）

　「敗戦処理」でチャンスをもらっているジェンだけど、結果が出せず二軍降格決定。調子に乗った強力打線が相手では、ちょっとでも甘くなるととことんやられる。良い経験をさせてもらったんだから生かさないとね。Ｄのチェンだってこういう道を通っていたからね。頑張れ。

　しっかしいったい谷繁は川井にどんなことを言っていたんだろう。初回、ヒットの平野を大和が送って、鳥谷がもののみごとに左ポール際に先制２ランホームラン。外甘への直球、体を開かずに強く左足と左腕で押し込めているから、まったく切れなかった。鳥谷は失投を逃さないし、また打ちそうだから失投がけっこう来る。さあ今日も行けるぞ！１１連勝くんもタイガースだけは苦手になってくれるかな。おいこら、谷繁いつまで説教しとんねん。くどくどくどくどくどくど…まだかいな（笑）。はい、はい、はい、はい…と頷く川井。
　思うに谷繁はここが川井投手、一生の分かれ目だと気づいていたのだと思う。今まで多くの投手を見てきただろうからね。輝く投手、力を出し切れない投手、成長する投手、伸び悩む投手、生き残る投手、消えていく投手…。１１連勝は過去のこと。ここでタイガースに連続ＫＯされれば、タイガースへの苦手意識を背負い、また他のチームとの戦いでも自信を喪失しかねない。谷繁はきっと、「打たれても良いじゃダメだ。絶対に甘くなっちゃいけないという気持ちで投げろ。今日にお前の野球人生がかかっている」ということを言い聞かせたのだろう。甘い気持ち、甘い球を打ち崩されるなら、コーナー攻めて、攻め続けての四球の方がマシと引っ張り続けていた。ここらへんの「育成リード」は実に見事だったと思う。現在Ｔは、慣れや相性を重視して、ベテラン投手と矢野、若手投手と狩野という組み方をしているけど、育成という意味では逆なんだろうね。

　この日も久保は良かった。７回先頭ブランコへの２球目、狩野が外いっぱいに要求したフォークが甘めに入り、落ちなかった。この特大アーチで気持ちがぐらっと来た。
　最近の絶好調時と比べれば、この日は逆球がやや多かったように思うが、勢いで押さえ込んでいた。ＪＦＫを擁する０８タイガースなら、代えていたかも知れないけれど、８０球をちょい越えたところ、回の頭からは代えられないし、１点差に迫られたとはいえ、このソロＨＲでも難しい。ＨＲは切り替えやすいから、ここで抑えられれば大丈夫。でも直後和田への球も甘くなってヒットされたところでは、代えどころだった。代えなきゃいけなかった。「今まで良かった」のだからとどうしても思ってしまうけれど、「今現在手元がおかしい」ということを修正するのは難しい。久保もギリギリ（二死満塁）まで良く頑張ったと思うけれど、いっぱいいっぱいだった。井端に逆転打を打たれる前の、たくさんあったどこかで代えて欲しかったけれど、逆転打を打たれてもなお代えなかったというところを見れば、よっぽど後ろの投手を信用していないか、または「ここまで好投した久保に勝ちをつけてやりたい」とか「次の回の打順は久保からだ」とか、何かトンチンカンな考えにこだわったのか。完全に落胆してしまったローテ投手を投げ続けさせて、良いことなんて一つもないのに。
　「ベストの継投」は難しい。だけど少なくとも終盤、木っ端微塵にぶっ飛ばされていく過程で、首脳陣がベストを尽くしていたとはとうてい思えなかった。

　もちろん追加点で援護できなかった打撃陣も反省だ。どこかであと１点さえ取っていれば全然違う試合だったから。
　ま、アシストＤだからしゃあないとして、今日からはもっとわかりやすい相手。聞くところではリリーフボロボロ状態らしいから、しっかりやれよ。亀井には注意だ。