2010.01.30 Saturday
12球団選手関係委員とプロ野球選手会とで1月26日に事務折衝が行われたという(共同)。
プロ野球選手会がFA7年を提案 国際大会も検討へ
日本プロ野球選手会は26日、大阪市内で12球団の選手関係委員との事務折衝を行い、海外と国内で分かれているフリーエージェント(FA)権の資格取得年数を一律在籍7年とし、補償金も撤廃する改革案を提示した。
2008年に2年後の制度見直しで合意しており、選手会の新井貴浩会長(阪神)は「審議を再開したい」と要望。出場機会が少ない選手を対象としたFA制度やレンタル移籍なども提案した。
12球団側は、アマから11月のアジア大会などの国際大会にプロの派遣を求められていることを報告。同時期に開催構想があるアジアシリーズや米大リーグ選抜との日本代表強化試合なども検討していくことを確認した。
選手会が事務折衝を行う相手は、あくまでも「12球団の選手関係委員」なんだね。プロ野球の最高議決機関が「オーナー会議」で、立法機関が「実行委員会(各球団代表と各リーグ会長によって構成)」。選手会の意見聴取を行うのはあくまでも事務折衝で、その相手は「機関」でも何でもない「12球団の選手関係委員」なんだな。ここらへんにNPBという組織の姿勢が良く表れている。事務折衝という言葉こそ使われているが、各委員による調査活動くらいの扱いにしかしていないんじゃなかろうか。いや逆に、NPBからの意思伝達の場くらいにしか考えていないんじゃなかろうか。
必ずしも選手会の肩を持つというわけではないけれど、ちょっとパワーバランスが一方的過ぎるように思う。
さて個別の議題については、従来から書いていることもあり、私の考えの骨子を列挙するに留める。
・12球団の自由で公平な競争状態の妨げとなる要因については、NPBによる適度な規制や、利潤の分配を導入していくべき
→自己努力ではいかんともしがたい地域による市場格差や、全国的公共電波の使用に関することなど
・自由の制限による戦力均衡は、FAによって調整されるものであり、バランスだけの問題。
・FAによるスター選手の集中については、費用対効果で判断されることであり、おのずと限界がある。業界全体としての有力選手への待遇向上は必要なことである。
・むしろ「才能の飼い殺し」こそ憎むべき相手で、保留期間(FA取得までの期間)中の移籍活発化策は制度設計が必要。
それと話の順序があっちゃこっちゃになってしまったけれど、秋のアジア大会にはアマ側からプロの派遣を要望しているという部分。それこそプロアマ問わず、あるいは国の内外を問わず、野球界全体で現状の危機感を共有しているからこその見解なのではないだろうか。選手会としてもぜひ前向きにとらえて、野球国際大会の盛り上げに貢献して欲しい。
いよいよキャンプインが近づいて、なんとなく気ぜわしい。野球ファンには2ヶ月連続で暮れと正月があるから楽しいね(笑)。