2005.05.13 Friday
来季開幕前、3月に国別対抗「ワールドクラシック」が開催されることになったという。主催者は大リーグ(MLB)機構とMLB選手会で、いわゆる「アメリカのグローバル化」が色濃く出たイヤらしいものではある。しかし、「国内リーグ衰退の危機」におびえるNPBは、一刻も早く真の「日本代表戦」を実現させたいのだろう。
ヨーロッパ各国が「戦争の代わり」として発展してきたサッカーと違い、それぞれの国内リーグのみで伸長してきた野球が、スポーツとしてにわかに(真の)グローバル化することは想像しづらい。ただし各国のトッププロ同士のガチンコ勝負が必要な時期に来ているのは間違いない。
本来、このスタートの時点から、米大リーグに「うまみ」が集中する仕組みに乗るべきではないと思うが、それ以外にスタートの道がないのであれば、今後の展望を打ち出し、賢く交渉し続けなければいけない。だが、それこそ日本が一番下手な分野だ…。
好投の先発投手を援護できない「見殺し打線」に業を煮やし、打順を変えた。意図はわかる。強引さの目立つシーツを2番に置き、右打ちの意識を高め、3番は濱中で主軸の働きを期待し、4,5番は信頼を示す上でも不動とし、確実性を見せている関本には、中軸がチャンスメークした場合にポイントゲッター役を期待するというもの。
残念ながらまったく機能しなかった(笑)。特に2番シーツに、ランナー赤星を意識させるのは調子の落ちている現時点では厳しすぎる。阪神の2番打者は、本当に大変だと思う。関本はよく務めているが、関本本来の魅力を封印している部分も多分にある。こういう用法をするか、いっそ弘田や平田や和田や久慈のような「旧式な2番打者タイプ」でも良しと開き直るか…。
それでも気分は変わっただろう。なにより勝利が最大の気分転換になった。
欲しかった追加点を叩きだした鳥谷の打球は、降りしきる雨の中、よく伸びていった。右中間フェンスダイレクト、あと少しでHRだった。状態は上向き。
ここのところ、まったく試合を左右するような打撃ができていなかっただけに、鳥谷にとっては大きな一打、ぜひとも気を良くして、積極的に振っていって欲しい。下半身さえどっしりしていれば、即座に恐い打者に変身できる。近いところまで来ているのではないだろうか。
ただしこの打席は投手が甘かった。制球がままならず、球は高く浮き、お決まりの膝元攻めができていなかった。もしも膝元の直球をしっかりと右方向に弾き返せるようになればホンモノだ。春先はそれが出来ていたのだから…。思い出せ!鳥谷!
4番の一発は、精神安定剤になった(笑)。初回、エラーでもらったランナーを進められず、この回このまま終われば、またイヤな雰囲気で立ち上がらなければならない…そんな中だった。金本のスイングはまさに一閃、ドライバーの芯を食ったような打球は、低くどこまでも飛んで行く…まるで上昇カーブを描きながらスタンドに突き刺さったかのように見えた。
エースを育て、支えるのが4番の仕事。言葉はなくても、金本の気持ちは井川に伝わっていた。
四方八方から浴びせられる、まばゆい「謎の光」に包まれ、エース井川がマウンド上に君臨していた。光の名前は「絶好調ビーム」(笑)。「今こそ頼む」という全国タイガースファンの願いが通じたようで、嬉しかったなぁ。体調も良くなって来たのだろう。千葉という土地も合っていたようだ。雨も好きなのかも知れない。野口との相性、リードが良かったのは間違いない。だが、最大の要因は「ビーム」だ。私達は知っている(笑)。
引き出したのは野口捕手のリード。序盤は直球主体で腕を振らせた。
今季、井川の腕の振りは鈍かった。バランスとコントロールを重視していただめだろう。そのため、打者は常に変化球のタイミングで待っていた。速球に遅れることはあっても、変化球に泳ぐ打者は少なく、甘い変化球を痛打されてきた。
野口は、委細構わず序盤を速球で押した。井川の腕の振りが鋭さを増す。打者は当然その腕の振りに合わせ速球に合わせる、変化球にはまったく合わなくなっていた。打てない速球があり、同じ投法で曲がり落ちる球と、逃げていく球がある。だから打てっこない。そう、これが井川。
中盤、終盤、チェンジアップが浮く場面もあった。野口は丹念に低めを強調した。そして真っ直ぐやスライダーを放らせる時は、自信満々真ん中に構えた。大丈夫タイミングさえ外せば打てっこない。真ん中狙えば、どっかへ散るだろう、そんなにコントロールが良いわけでもなし。井川は野口とのテンポの良い「キャッチボール」で乗っていった。最後には、球を投げながら吼えている、躍動感のある井川が戻っていた。
野口捕手と井川はよく合う。しかしなによりも絶好調ロッテ打線を無四球完封、井川投手のピッチングを褒め称えよう。
ヨーロッパ各国が「戦争の代わり」として発展してきたサッカーと違い、それぞれの国内リーグのみで伸長してきた野球が、スポーツとしてにわかに(真の)グローバル化することは想像しづらい。ただし各国のトッププロ同士のガチンコ勝負が必要な時期に来ているのは間違いない。
本来、このスタートの時点から、米大リーグに「うまみ」が集中する仕組みに乗るべきではないと思うが、それ以外にスタートの道がないのであれば、今後の展望を打ち出し、賢く交渉し続けなければいけない。だが、それこそ日本が一番下手な分野だ…。
好投の先発投手を援護できない「見殺し打線」に業を煮やし、打順を変えた。意図はわかる。強引さの目立つシーツを2番に置き、右打ちの意識を高め、3番は濱中で主軸の働きを期待し、4,5番は信頼を示す上でも不動とし、確実性を見せている関本には、中軸がチャンスメークした場合にポイントゲッター役を期待するというもの。
残念ながらまったく機能しなかった(笑)。特に2番シーツに、ランナー赤星を意識させるのは調子の落ちている現時点では厳しすぎる。阪神の2番打者は、本当に大変だと思う。関本はよく務めているが、関本本来の魅力を封印している部分も多分にある。こういう用法をするか、いっそ弘田や平田や和田や久慈のような「旧式な2番打者タイプ」でも良しと開き直るか…。
それでも気分は変わっただろう。なにより勝利が最大の気分転換になった。
欲しかった追加点を叩きだした鳥谷の打球は、降りしきる雨の中、よく伸びていった。右中間フェンスダイレクト、あと少しでHRだった。状態は上向き。
ここのところ、まったく試合を左右するような打撃ができていなかっただけに、鳥谷にとっては大きな一打、ぜひとも気を良くして、積極的に振っていって欲しい。下半身さえどっしりしていれば、即座に恐い打者に変身できる。近いところまで来ているのではないだろうか。
ただしこの打席は投手が甘かった。制球がままならず、球は高く浮き、お決まりの膝元攻めができていなかった。もしも膝元の直球をしっかりと右方向に弾き返せるようになればホンモノだ。春先はそれが出来ていたのだから…。思い出せ!鳥谷!
4番の一発は、精神安定剤になった(笑)。初回、エラーでもらったランナーを進められず、この回このまま終われば、またイヤな雰囲気で立ち上がらなければならない…そんな中だった。金本のスイングはまさに一閃、ドライバーの芯を食ったような打球は、低くどこまでも飛んで行く…まるで上昇カーブを描きながらスタンドに突き刺さったかのように見えた。
エースを育て、支えるのが4番の仕事。言葉はなくても、金本の気持ちは井川に伝わっていた。
四方八方から浴びせられる、まばゆい「謎の光」に包まれ、エース井川がマウンド上に君臨していた。光の名前は「絶好調ビーム」(笑)。「今こそ頼む」という全国タイガースファンの願いが通じたようで、嬉しかったなぁ。体調も良くなって来たのだろう。千葉という土地も合っていたようだ。雨も好きなのかも知れない。野口との相性、リードが良かったのは間違いない。だが、最大の要因は「ビーム」だ。私達は知っている(笑)。
引き出したのは野口捕手のリード。序盤は直球主体で腕を振らせた。
今季、井川の腕の振りは鈍かった。バランスとコントロールを重視していただめだろう。そのため、打者は常に変化球のタイミングで待っていた。速球に遅れることはあっても、変化球に泳ぐ打者は少なく、甘い変化球を痛打されてきた。
野口は、委細構わず序盤を速球で押した。井川の腕の振りが鋭さを増す。打者は当然その腕の振りに合わせ速球に合わせる、変化球にはまったく合わなくなっていた。打てない速球があり、同じ投法で曲がり落ちる球と、逃げていく球がある。だから打てっこない。そう、これが井川。
中盤、終盤、チェンジアップが浮く場面もあった。野口は丹念に低めを強調した。そして真っ直ぐやスライダーを放らせる時は、自信満々真ん中に構えた。大丈夫タイミングさえ外せば打てっこない。真ん中狙えば、どっかへ散るだろう、そんなにコントロールが良いわけでもなし。井川は野口とのテンポの良い「キャッチボール」で乗っていった。最後には、球を投げながら吼えている、躍動感のある井川が戻っていた。
野口捕手と井川はよく合う。しかしなによりも絶好調ロッテ打線を無四球完封、井川投手のピッチングを褒め称えよう。