2005.05.19 Thursday
交流試合期間に入って、新鮮なだけでなく、一戦一戦見ごたえのある試合が続く。順位表を見てみると相変わらずの混戦模様ながら、中日・阪神・ヤクルトが貯金組、横浜・広島・巨人が借金組とやや開いてきた。今のところ理想的な位置どりだ。
二軍に目をやると、的場選手が代打出場を果たしたという。また這い上がって来た。今キャンプでは走攻守にキレを見せ、右翼レギュラーの大穴的存在だったのだから、その持っている力は間違いない。いつかきっと花を咲かそう。
藤本も二軍戦出場間近。故障前同様ではなく、何かきっかけを掴んで上がって来て欲しい。
「松坂大輔が甲子園に帰ってきた」雨模様の平日に44,030人を集めた。やはり当代一のスターだ。何事にも動じない精神力の強さ、球種一つ一つの完成度の高さ、体の強さ…見る者を文句なく惹き付ける。
しかし今季、松坂は勝利に恵まれず、これで3勝5敗。エースがエースの投球をしても勝てないのでは、なかなか順位も上がってこないだろう。
象徴的だったのが追加点をあげた5回ウラ。先頭・鳥谷の打球は三遊間を鋭く破る。が、三塁手フェルナンデスはグラブをひょいと差し出しただけ。届かなくたって打球を追いかけ、飛びつくのが三塁手の「労働」だろう。杉山の送りバントで二塁ベースカバーが遅れた遊撃・片岡の動き、ストライクのスライダーを後逸した捕手・細川…甲子園の雰囲気に飲まれたのかも知れないが、「投げているのはウチのエース。絶対負けられない」という迫力と集中力がナインから感じられなかった。
試合を「つくった」のがウィリアムス。8回に2点献上、1点差に迫られ、試合をこの上なく盛り上げた。何やっとんねん(笑)。投げてみないとわからない「ジェフ劇場」が続く。もともとコントロールで抑える投手じゃなし、目一杯腕振って真ん中狙ったらよろし。
桧山選手、読んだ?…ワケないな(笑)。まさに第一打席の初球、代打と同じ状況で、松坂唯一の失投を仕留めた。やや置きにいった直球を素直に弾き返すと、特有の緩やかな円弧はどこまでも伸びて、右中間最深部を越えて行った。
松坂としては、初回赤星はじめ上位3人で切り、二回もっとも警戒すべき金本・今岡を越え、一瞬の真空状態だったのかも知れない。しかし相手は桧山だ。誰も期待していないその一瞬は、決して逃さないのだ(笑)。
自分の年齢を表して、常に同業の他人の名で呼ばれるというのはどんな気分なのだろう。自分と別世界の人物だと思っているうちは誇らしくもあるだろうが、その存在が近くに感じられて来たなら、妬ましくも疎ましくも感じられるだろう。この日、杉山、藤川、久保田は、「年齢を表す人物」に激しい闘志をかき立てられたのは間違いない。
今季に限っては、同世代をリードする投球を続けている藤川は、下位打線を寄せ付けない。特に打撃に色気を出す松坂には内角高めに151km/hの直球を放り込み、どん詰まりのショートゴロに切った。
どうやらなかなか燃えてこなかった久保田にも微妙な変化があったように見える。自軍の同い年の投手たちがわずか1点のリードを繋いで来た。それを最後まで絶対に守ってやるという強い意志が、その一球一球に込められているような気がした。MAX153km/hそれでもなかなか空振りが取れない。しかしこの日はコントロールミスはない。丁寧に投げ込んでいく。だんだん調子が出てきた…。代打中村をスライダーで、最後の打者栗山を152km/hの直球で空振り三振を奪い、歓喜の一瞬を呼び込んだ。
そして、松坂と堂々渡り合った先発・杉山。自分の持ち味を十分発揮した。速球は最高150km/hを記録。低く曲がり落ちるスライダー、ストレートと錯覚しやすいフォークを駆使し、再三の大ピンチにも思いっきり腕を振った。本人の談話にもあったとおり、矢野捕手が身をていしてワンバウンドを止め続ける様子に、バッテリーの強い信頼関係が生まれていた。
杉山にとっては投げやすいマウンドだったかも知れない。相手は第一人者、負けてもともと、失うものはないという気持ちで向かっていった。この男、なかなか正体不明で(笑)、だからこそ面白い投手だと思う。
二軍に目をやると、的場選手が代打出場を果たしたという。また這い上がって来た。今キャンプでは走攻守にキレを見せ、右翼レギュラーの大穴的存在だったのだから、その持っている力は間違いない。いつかきっと花を咲かそう。
藤本も二軍戦出場間近。故障前同様ではなく、何かきっかけを掴んで上がって来て欲しい。
「松坂大輔が甲子園に帰ってきた」雨模様の平日に44,030人を集めた。やはり当代一のスターだ。何事にも動じない精神力の強さ、球種一つ一つの完成度の高さ、体の強さ…見る者を文句なく惹き付ける。
しかし今季、松坂は勝利に恵まれず、これで3勝5敗。エースがエースの投球をしても勝てないのでは、なかなか順位も上がってこないだろう。
象徴的だったのが追加点をあげた5回ウラ。先頭・鳥谷の打球は三遊間を鋭く破る。が、三塁手フェルナンデスはグラブをひょいと差し出しただけ。届かなくたって打球を追いかけ、飛びつくのが三塁手の「労働」だろう。杉山の送りバントで二塁ベースカバーが遅れた遊撃・片岡の動き、ストライクのスライダーを後逸した捕手・細川…甲子園の雰囲気に飲まれたのかも知れないが、「投げているのはウチのエース。絶対負けられない」という迫力と集中力がナインから感じられなかった。
試合を「つくった」のがウィリアムス。8回に2点献上、1点差に迫られ、試合をこの上なく盛り上げた。何やっとんねん(笑)。投げてみないとわからない「ジェフ劇場」が続く。もともとコントロールで抑える投手じゃなし、目一杯腕振って真ん中狙ったらよろし。
桧山選手、読んだ?…ワケないな(笑)。まさに第一打席の初球、代打と同じ状況で、松坂唯一の失投を仕留めた。やや置きにいった直球を素直に弾き返すと、特有の緩やかな円弧はどこまでも伸びて、右中間最深部を越えて行った。
松坂としては、初回赤星はじめ上位3人で切り、二回もっとも警戒すべき金本・今岡を越え、一瞬の真空状態だったのかも知れない。しかし相手は桧山だ。誰も期待していないその一瞬は、決して逃さないのだ(笑)。
自分の年齢を表して、常に同業の他人の名で呼ばれるというのはどんな気分なのだろう。自分と別世界の人物だと思っているうちは誇らしくもあるだろうが、その存在が近くに感じられて来たなら、妬ましくも疎ましくも感じられるだろう。この日、杉山、藤川、久保田は、「年齢を表す人物」に激しい闘志をかき立てられたのは間違いない。
今季に限っては、同世代をリードする投球を続けている藤川は、下位打線を寄せ付けない。特に打撃に色気を出す松坂には内角高めに151km/hの直球を放り込み、どん詰まりのショートゴロに切った。
どうやらなかなか燃えてこなかった久保田にも微妙な変化があったように見える。自軍の同い年の投手たちがわずか1点のリードを繋いで来た。それを最後まで絶対に守ってやるという強い意志が、その一球一球に込められているような気がした。MAX153km/hそれでもなかなか空振りが取れない。しかしこの日はコントロールミスはない。丁寧に投げ込んでいく。だんだん調子が出てきた…。代打中村をスライダーで、最後の打者栗山を152km/hの直球で空振り三振を奪い、歓喜の一瞬を呼び込んだ。
そして、松坂と堂々渡り合った先発・杉山。自分の持ち味を十分発揮した。速球は最高150km/hを記録。低く曲がり落ちるスライダー、ストレートと錯覚しやすいフォークを駆使し、再三の大ピンチにも思いっきり腕を振った。本人の談話にもあったとおり、矢野捕手が身をていしてワンバウンドを止め続ける様子に、バッテリーの強い信頼関係が生まれていた。
杉山にとっては投げやすいマウンドだったかも知れない。相手は第一人者、負けてもともと、失うものはないという気持ちで向かっていった。この男、なかなか正体不明で(笑)、だからこそ面白い投手だと思う。