2012.03.01 Thursday
藤井にとってもチームにとってもショックだが、現実的な打撃はそう大きいとは思わない。
藤井が経験に裏打ちされた総合力で一歩リードしているのは事実だろうが、去年見ていて小宮山が力をつけていることもわかった。特に守備技術や、打者を観察するリードで、使われた試合で好投を引き出した。その自信もあるだろうし、また一軍に定着した慣れもあるだろう。このキャンプではよく声も出ていたし、先輩投手たちからもいじられてかわいがられているのがよくわかった。
打撃で目立った岡崎もいる。清水の評価も、打は小宮山以上、総合力でも大きな差はないと目されているはず。キャンプでは二番手争いとしてヒートアップしていたが、この3捕手によるレギュラー争いの熱で、藤井ショックは吹っ飛ばせると考える。もうやらなきゃいけない年齢だし、できるよ。
伝統と風習を一新する、いい最終日練習だった。一人一人が元気を出して盛り上げて行こう、100%参加の意識を見せたシートノック。いつものように明るい声と笑顔がはじけた。
第1クールの一発目からやった投内連携。野手は投手を助け、投手は野手のために踏ん張る。シーズン中の苦しいところはそうやって乗り切るしかない。
試合形式ノック。1回ノーアウトランナーなしから、投手が投球、山脇コーチがノック。状況を判断しながら打球を処理して、イニングを進めていく。9回二死、一打同点の局面で最後の打者はフライに倒れて勝利。これがボールを使ったキャンプ最後の練習になった。
そして本当の最後の練習が意外なものだった。「和田の考え」に基づいてコーチ陣が練習メニューを考えたというこのキャンプ。連携やノックを重視したり、投手と野手があべこべ練習をしたりと、工夫を凝らしてきたこのキャンプ、最後の練習とは。
それは全員ランニングだった。きれいに隊列を組み、順送りの「いーちにーいちにー」という大きな号令に続き全員で「そーれ」と声を揃える。脚の上げ下ろしを揃える。
走ることは難しいことじゃない。右左と順に足を出せば進んでいく単純なこと。ただ声を揃え、脚を揃えることだけに注意しながら一歩一歩、ざっざっざっと進んでいく。大の大人が一ヶ月間寝食を共にした。そこで築き上げた連帯感を確かめるような作業。心を一つにすることだけを考えるその時間に、野球漬けの一ヶ月間、みんなでボールを追ったことを思い出しただろう。
いーちにーいちにーそーれっ…
ざっざっざっざっざっざっざ…
平日で人も少ないスタンドに隊列が発する音が響く。キャンプの終わり。練習の終わり。
そして戦いの始まり。不安もあるが、ともに過ごしたチーム全員が一つの塊になって、気持ちを揃えて一歩一歩着実に進んで行けば、その先にはきっとある。
外野を周回した隊列は、ダイヤモンドで手締めをするために内野に進んで来た。マウンド上には和田監督が待っている。
期せずして放送席から「胴上げの練習か」という声が出た。実は私もそう思った。きっと選手もコーチも監督も思っただろう。
いーちにーそーれ、ざっざっざっとみんなで進んだその先には和田監督の胴上げが待っている。そのイメージを作り上げた1ヶ月のキャンプ。これを大成功と言わずに何と言う?
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藤井が経験に裏打ちされた総合力で一歩リードしているのは事実だろうが、去年見ていて小宮山が力をつけていることもわかった。特に守備技術や、打者を観察するリードで、使われた試合で好投を引き出した。その自信もあるだろうし、また一軍に定着した慣れもあるだろう。このキャンプではよく声も出ていたし、先輩投手たちからもいじられてかわいがられているのがよくわかった。
打撃で目立った岡崎もいる。清水の評価も、打は小宮山以上、総合力でも大きな差はないと目されているはず。キャンプでは二番手争いとしてヒートアップしていたが、この3捕手によるレギュラー争いの熱で、藤井ショックは吹っ飛ばせると考える。もうやらなきゃいけない年齢だし、できるよ。
伝統と風習を一新する、いい最終日練習だった。一人一人が元気を出して盛り上げて行こう、100%参加の意識を見せたシートノック。いつものように明るい声と笑顔がはじけた。
第1クールの一発目からやった投内連携。野手は投手を助け、投手は野手のために踏ん張る。シーズン中の苦しいところはそうやって乗り切るしかない。
試合形式ノック。1回ノーアウトランナーなしから、投手が投球、山脇コーチがノック。状況を判断しながら打球を処理して、イニングを進めていく。9回二死、一打同点の局面で最後の打者はフライに倒れて勝利。これがボールを使ったキャンプ最後の練習になった。
そして本当の最後の練習が意外なものだった。「和田の考え」に基づいてコーチ陣が練習メニューを考えたというこのキャンプ。連携やノックを重視したり、投手と野手があべこべ練習をしたりと、工夫を凝らしてきたこのキャンプ、最後の練習とは。
それは全員ランニングだった。きれいに隊列を組み、順送りの「いーちにーいちにー」という大きな号令に続き全員で「そーれ」と声を揃える。脚の上げ下ろしを揃える。
走ることは難しいことじゃない。右左と順に足を出せば進んでいく単純なこと。ただ声を揃え、脚を揃えることだけに注意しながら一歩一歩、ざっざっざっと進んでいく。大の大人が一ヶ月間寝食を共にした。そこで築き上げた連帯感を確かめるような作業。心を一つにすることだけを考えるその時間に、野球漬けの一ヶ月間、みんなでボールを追ったことを思い出しただろう。
いーちにーいちにーそーれっ…
ざっざっざっざっざっざっざ…
平日で人も少ないスタンドに隊列が発する音が響く。キャンプの終わり。練習の終わり。
そして戦いの始まり。不安もあるが、ともに過ごしたチーム全員が一つの塊になって、気持ちを揃えて一歩一歩着実に進んで行けば、その先にはきっとある。
外野を周回した隊列は、ダイヤモンドで手締めをするために内野に進んで来た。マウンド上には和田監督が待っている。
期せずして放送席から「胴上げの練習か」という声が出た。実は私もそう思った。きっと選手もコーチも監督も思っただろう。
いーちにーそーれ、ざっざっざっとみんなで進んだその先には和田監督の胴上げが待っている。そのイメージを作り上げた1ヶ月のキャンプ。これを大成功と言わずに何と言う?
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