自称阪神タイガース評論家（跡地）

　負けはしたがいい試合、面白い試合だった。でも戦前に６番、７番の「黄金比」の話や、１つのアウトを使って進塁させる野球の重要性について触れていただけに、７回ウラ先頭新井二塁打の無死二塁から、５番ブラゼル三振、６番金本一ゴロ、二死三塁大和補邪飛の攻撃が余計に惜しまれる。

　和田監督は、オーダー変更の際にもクリーンナップの固定にはこだわりを見せていたようだが、現在のブラゼルの打撃内容は頼りになる打者を置くべき５番ではなく、意外性の一発期待の７番がふさわしい。大和を下位に置くなら６番だから、マートンをトップで使い、金本を使うなら金本５番。ああもし金本進塁打で一死三塁、６番大和、７番ブラゼル、８番小宮山の並びだったら何が起きていただろうなあ…。まあ何も起きていないかも知れないが、じゃっかんモヤモヤするところだ。あるいは、７回ウラ無死二塁、５番ブラゼルに代打柴田。まあバント失敗からのポップフライというのも目に浮かばないこともないけど、「一つのアウトを大事に１点をもぎ取る」という和田スタイルを浸透させ、チーム一丸を作る象徴的采配になったかも…そんことも思い浮かんだりする。

　まあ自称評論家らしく勝手なことを言いたくなるくらい、いい試合、ドキドキする試合、面白い試合だった。期待通りの投げ合いで、甲子園の申し子、堂林の劇的なプロ１号で勝負が決したというのも感動的だった。負けて本当に悔しいけど。

　選手会が統一球の検証を求めたというニュース。統一球でホームランが減って、打者の成績が下がって、投手成績が上がって、ゆえに野球がつまらなくなって観客が減っている…そういう「事実」、「それでいいのか」を検証してくれということだ。

選手会、球団側に統一球の検証を申し入れ（デイリー）
http://www.daily.co.jp/baseball/2012/04/25/0005000518.shtml

　選手会の主張に同意の人もいるとは思うが、個人的にはガッカリだ。同じ条件でもホームランを量産した打者はいる。１試合のうちには勝てる投手と勝てない投手の差が出る。守備力、走力、ミッション実行能力という知恵と工夫と練習の成果で勝敗が決まる。野球がつまらなくなった？面白くなったじゃなくて？

　極論すれば狭い球場でやっていればホームランは増える。こすった打球がフェンスを越える野球がそんなに楽しいか。そういえば昔は外野手がいつでもフェンスにべったりくっついて守っていたよな。今さらそんな昭和の野球を目指されて、それでファンが増えるのか？

　世界基準で自信を持って強く戦えるようレベルアップしようという志を投げ捨てて、「ファン離れ」などという都合の良い言葉でもう進歩をあきらめてしまうのか。情けない。
　「メジャーのボールの方が飛んだ気がする」って反発係数という科学的根拠まで無視して主張するなよ。日米野球、オープン戦、花相撲、二流投手相手じゃないかよ。

　ホームランが減ってファンが減ったというのなら、打てるように努力せい。そこそこの投手でも抑えられてしまうというのなら、打ってみい。こすりホームランに頼らない、面白い野球をやってみい。そう言いたい。

　あと観客減少の主原因は、飛ばないボールなんかじゃなくて、節約志向からの遊興費節減が一番だと思うよ。ただ長距離砲を買い集めて並べても勝てないという野球は面白いと思うよ。

　ということでしっかり打ったホームランもあったし、素晴らしい投げ合いもあったし、面白い試合だったのだ。
　メッセンジャー、筒井、ナイスピッチング！鳥谷、平野、ナイスプレー！新井、鳥谷、ナイスランニング！
　今日も楽しい、いい野球を見せてくれよ、日本プロ野球。昔は良かった、こすってもホームランになって…なんて言ってないでさ！

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