自称阪神タイガース評論家（跡地）

　例えば星野氏は監督になると決めてから川上氏に教えを仰いだというし、落合氏は森西武を研究し、コーチ組閣でも意識していたと思う。必ずしも常勝軍団にいたワケじゃないから、勝つという簡単そうで難しいことを極めた人に謙虚に学ぼうとしたのだろう。もちろん長い時間をかけて自分流を作り上げていくのだろうが、基本をたたき込んで効率的に力をつけるために、「先生」が必要だったのだと思う。

　なぜだかタイガースの指導者は、先生を持とうとしない人が多いような気がする。じゃ先生を必要としないくらい「勝ち」を知っているかというと、時代にもよるがたいがいは「ほとんど知らない」人ばかりなのに。これは実に不思議なことだ。

　有田コーチは西本さん、山口コーチは上田さんの下で、勝つことを学んだと思うが、そこで得たことをどれくらいタイガースのチーム運営に生かせているのだろう。有田コーチが西本さんの厳しさを受け継いでいるようには感じないし、ブルペン担当の山口コーチは、技術指導が中心なのだと思う。

　勝てる組織のなんたるかについて骨の髄まで知っている、考えなくたって勝つための行動をとっている…そんなタイプの人間が見あたらないなと、今さらながら思う。だってみんな一緒に負け続けてきたメンバーだもんなぁ。

　我がタイガースは居心地の良い、幸せなチームなのだろう。たまーに勝てばそれで１０年単位で喜んでいてもらえる。「常勝」なんていうやっかいなものを背負わされたら、しんどくてやってられない。お客さんもヨソより入ってくれるし、最近じゃそんなにシブチンでもない。
　「暗黒メンバーばかりだからダメ」ということが言いたいのではなくて、そういう陣容で、それでも勝ちを目指すのだというのなら、やっぱり謙虚に学ぶこと、自分たちが歩んできた道とどこが違っていたのかをしっかり認識して、自分に厳しくやっていくしかないと思う。

　今でいうなら落合中日を知り尽くしたスタッフたち（もちろん「落合監督」自身も）の相場が上がっているのだろうね。

　さて今週はパの下位にいるチームたちと変則移動で６試合。ここでしっかり苦しむのもチームのためになるのかも知れないと思ってきた。強いはずなのにおかしい…って思っている限りダメで、弱いチームだからこそ、やるべきことをやろうってならないとね。
　締まったいいゲームを見せてくれ。

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