自称阪神タイガース評論家（跡地）

　前日に学校訪問してみんな気分がスッキリしたようで、札幌の連敗を引きずることなくきっちりといい試合。
　特にチャラ茶髪を丸刈りにした岩田が気合いの投球、８回１失点と粘り白星を手に入れた。立ち上がりから直球がよく走り、緩急が効いていたのと、思い切りよい腕振りがコントロールの適度な荒れになって打者に怖さを感じさせた。ただ楽天打線の調子がイマイチよくなさそうというのは割引して見た方がいいかも。今回ＫＯならローテ剥奪＆二軍落ち濃厚という危機感の中で、ようやく開き直れたというところだろう。７回同点とされながらも粘り、８回にはもう一度締め直したところは文句なし高評価ポイント。ナイスピッチ。

　終盤勝負のこの試合、勝利を導いた立役者はビッグプレーを決めた平野。７回ウラ一死からフェルナンデス、中島の長短打で１−１の同点に追いつかれ、さらに一死一二塁と逆転機を作られる。ここで枡田の打球は一二塁間の真ん中を高いバウンドで抜けようというゴロ、これを平野がダイブでキャッチ、起き上がりざま一塁に送球しギリギリアウト！苦しい体勢からでも強い送球ができる身体能力の高さ。平野でなきゃアウトにはできないし、そもそもライト前に抜けて逆転、さらに一死一三塁となって追加点というのが当たり前の打球だったから、この１プレーは「逆転決勝の２ランホームラン」と同等の価値があった。

　攻撃では、金本が完璧な先制ホームラン。ＤＨの試合が続き、調子上向きだ。
　９回は相手にたくさん四球をもらったおかげの２点だったが、非常に内容のある四球ばかりだった。マートン、新井どちらも不調期とは違う「投手の苦しさ」「投手の逃げたい気持ち」に気づいて予測の上に見切っていた。どういうストライクを投げて来るかを予測し、それを打ち返すべく待ちかまえる。どういうボール球で誘って来るかを予測し、それを見切る。リスクを取って積極的サイドに立つことで、相対的に相手を消極的にさせて奪い取った四球だった。
　それはブラゼルの打席でも感じられた。高め直球は振らないと決めたから、フォークのストライクが来た。主導権を握った打席だった。

　対照的に、３回のスクイズ失敗は、そこまでの流れや、浅いイニングを考慮すると「情けなさ」が漂う作戦選択。金本が一発で払拭してくれて助かった。
　９回のセーフティスクイズ空振りで三走牽制死は、「無難サイド」を選択したはずが無難にならない作戦選択。ここでやるなら本物のスクイズ。ここまで押し詰まった場面で、監督がリスクを引き受けてやれないような、しかも非常に消極的な作戦は、かえってそれが流れを失うリスクになりかねない。相手のミスなどで結果勝利を得たのだから、その点は監督自身がしっかり反省だ。

　藤川前回ふっきるナイス締め。柴田は９番でいい仕事を続けている。大和は勉強。そろそろ２番としての結果も出さないとね。

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