自称阪神タイガース評論家（跡地）

　首脳陣が具体的な方法論を持っていない。これに尽きる。マスコミを通じて伝えられるものではあるが、監督、コーチから発せられるすべての言葉が、非常に軽く、そして上滑りしている。そんなことはテレビで試合を見ているファンにもわかっている。それを改善するために、やらなきゃいけないことをやっていないのが明確。

　打線の組み方や選手起用という、絶望的なくらい私と考え方が合わないところはこの際置いておくとしよう。「打てなかった」ことよりよっぽど大きい、この試合唯一最大の問題点は、マートンが新井の悪送球に備えるフォーメーションを怠っていたことだ。グラウンドに入って一目でわかることだから、前日も確認しただろう。さらに「暴投」で二走まで還して負けてしまった昨日の今日なのだ。
　「この球場のファールグラウンドはとても広いから、カバーリングはサボらずにきっちりやろう」
　このことを誰かがいわなきゃいけないだろう。普段からの声かけで日本語がわからないであろう外国人には、個別にでも「こんな時だからこそ基本的なカバーリングをきっちり徹底しよう」と言わなきゃいけないだろう。

　ミスはつきもの。新井の悪送球、おなじみのおっかなびっくりの送球じゃなく、ダイビングの後、目一杯投げた結果だ。いいよ。バッテリーミス、小宮山の技術と根性が足りないだけ。先頭打者四球という「ミス」の筒井、目一杯のナイスボールだったよ。岩田も良く投げた。渡辺も良かった。

　「流れを止めていかないと」「歯車がかみ合わない」「東京ドームいって、いつもと違う気持ち」「そういうところにも期待」「このままじゃいけないという気持ちでやっている」スポーツ紙サイトに出ていた和田監督の言葉だ。

　気持ちは大事。しかし行動を伴わない気持ちに意味はないし、正しい行動を導く判断力、決断力も必要。

　一言でいうなら、「選手にもファンにも経営陣にも、誰にも嫌われたくないと首脳陣が思っているうちは、チームは変われない」ということだろう。