自称阪神タイガース評論家（跡地）

　和田監督談話は、合いの手に「あんたがな」を入れずして読むことができない。
「（打者陣に）ちょっと勝負が遅いというか」　あんたがな
「いつも追い込まれている状態での勝負になっているんで、そういうとこだなぁ」　あんたがな
「（スタンに）尻上がりによくなっていって援護を待つ状態で、何とかしてやりたかった」　あんたがな
「（歳内に）甲子園ということで、生きのいい若さを全面的に出して思い切ってやってもらいたい」　あんたがな

　見てないのでテキトーなことになってしまうが、素朴に「打てない金本」をなぜ使い続けるのが不思議。ものすごいサド侯爵？それとも本気で「練習では調子イイから」って言うのかな。
　投手なら「ブルペンで最高だから」はまだアリだと思う。だけど打者の場合は、マシンの球や「打たれ役」の球をなんぼ素晴らしく打っていても、それは金本のようなベテランには意味がない。この試合に限らず、金本は自分なりのスイングをして、その上で何度でもサードファールフライ（やそれに類するもの）にしちゃっている。それはこれまでずーっと見てきた生きた投手の球に対して、自分の感覚どおりに反応しても、対処できていないということ。

　スターの引き際はいろいろで、「美しいまま、さっと後進に道を譲りたい人」もいれば、「ボロボロのヨレヨレになっても戦力として必要としてくれる球団がある限り現役を続けたい人」もいる。どちらの考えも正しい。あとは使う側がいかに正しく対応するかだ。金本の方はそれを受け入れる覚悟など、とうにできているだろうから。

　「チャンスで凡退」は、良太もするし、上本もする。誰だってする。野球は「失敗のスポーツ」だから。だけどそれは単に「失敗が多いスポーツ」という意味だけでなく、「失敗の活用方法で強くもなり弱くもなるスポーツ」という意味でもある。つまり野球において、失敗ほど貴重なことはないのだ。

　だから監督が失敗を嘆くくらい愚かなことはない。誰にどれくらい失敗させてやるか、その配分を考えるのが仕事なのだから。金本の失敗は「過去にできたことが今はできなくなっていることの確認」でしかない。それは何度回数を重ねても同じことだ。
　でも経験の少ない有望な選手にとっては、まったく違う意味を持つ。そして１回１回が大きな飛躍に繋がる可能性を持った貴重な成長の機会になりうる。それがわかっていれば、この時期にこういう起用法になどなるワケがない。油断だらけ、スキだらけとしか言いようがない。

　さて本日歳内投手先発。自分のベストを尽くすこと。結果を欲しがるな。この秋、可能性としてあり得るもっとも楽しそうなイベント「高卒投手たちによる先陣争い」の幕開け。楽しみすぎる。はよ帰ろ。