自称阪神タイガース評論家（跡地）

　思わずそんなことを考えてしまう報知の観測気球だ。
山本浩二氏、ＷＢＣ監督「前向き」北京の「悔しさ晴らしたい」（報知）

　中村ＧＭ正式発表。ま、どうやら日本語訳すると「編成本部長」程度のようで、「目利き」と「現場系交渉係」をやって欲しいということみたいで、ＧＭという呼称は少し大きすぎるように感じる。

　対戦連敗ストップは６−０の大勝。なのに和田監督は「対戦成績を考えると、一つ勝ったくらいでは喜べない」とコメント。キャラクターなのだろうが、その対応はまるでダメだと思う。
　しつこいようだけど、もう終わったんだって。相手はまだこれから優勝するところだから今季を戦っているけど（といいつつ、もうすでに巧みに来季を戦っているんだけどね、有り余る貯金を利用して）、こっちは幸いなことにスパッと線を引いて、新しい気持ちで戦うことができる。それなのに自分からずるずる引きずって、まだ今季のふがいなさを嘆いているようじゃね。選手たちの方がよっぽどスッキリと「来季」をプレーしてるのにね。

　勝って兜の緒を締めよってヤツは、強い組織がやるべきこと。解団的出直しが必要なチームは、できなかったことが一つできたら大喜びして、意欲を増して行かないとね。だから、ああいう辛気くさいポーズ自体がマイナスで、メリハリのなさこそ反省して欲しいと思うのだ。

　さて事実上タイガースの今季エース・メッセンジャーｖｓ余裕ぶちかまし江柄子＆小山ジャイアンツ若手育成モードの一戦。報われない好投が続いていたメッセンジャーに、大量援護があり（自らもタイムリーヒット！）、リラックスして投げられたというコメントの通り、余裕を持って見下した投球で完投シャットアウト。風邪気味だったというから面白い。今さら言うまでもなく、投手は試合展開や援護点によって、良くもなり悪くもなる。体調のこともあるし、メッセンジャーは１０日間の遅い夏休みあげてもいいんじゃないかな。

　ひきずりまくりの和田監督とは違って、来季に向けた足攻め野球で勢いに乗った。ま、昨日は失敗もあったけれど、前のめりに失敗して、それを「ＯＫ」にしてやることから次のレベルに入れる。それをやらないと、過去の例にとらわれて、君子危うきに近寄らず。その先にいるかも知れない「新しい自分」に一生出会えない。

　はじめは「弱いくせにガンガン突っ込んでくる」「アウトになるくせにバンバン走ってくる」でいい。続けていくうちに、こっちは技術を洗練させていくし、相手は成長を恐れ、幻影におびえるようになる。それでいいのだし、それ以外に変化する方法はない。失敗して成長するしかない。

　「足を使っていこうという話はしていた」と鳥谷。
鳥谷の存在感！不名誉記録逃れた野手主将の金言（スポニチ）
初回四球で出ると二盗成功。３回は当たり損ねの二ゴロを全力疾走内野安打にし、良太三ゴロエラーの後、三盗敢行、捕手実松からの送球がワンバウンドして後に転がるのを見ると、久慈コーチの制止も聞かずホームへ突入、送球が高く浮く間に本塁に滑り込んだ。
　今タイガースに必要なのは「理屈はいい。結果はいい。まずは一歩を踏み出せ！」という精神。まさに率先垂範のアグレッシブな走塁だった。

　２点目、平野の連日のタイムリーは価値ある一打。打席内の落ち着き、集中が戻ってきた。気力、体力の充実がうかがえる。切り替えて戦えている。ブラゼルも一生懸命走って、ここからの一三塁、一三塁のタイムリー連発はお見事。藤井、メッセンジャー、ナイスバッティング。

　Ｗ先発のもう一人、小山の立ち上がりを攻略した４回の攻撃もかなりスッキリした。先頭大和、２球目の149km/h真っ直ぐをコンパクトに振り抜いてショートの頭の上を低く越えるライナー性（いつもこういう打球を打ちたいね）はあっという間に左中間を破り二塁打。続く鳥谷は初球の真っ直ぐをバカーンと強打、浜風に逆らってライトフェンス直撃（東京ドームならどこまで飛んだろう）、またまた劇走を見せて三塁に滑り込んだ。鳥谷カッコイイ！行かないで！
　で続く良太もきっちり４番の仕事、レフトに犠飛を運んで打点。

　以上で得点シーンはおしまいだが、マートンにも復帰後初ヒット（他の打席もいい感じで打っていた）、ブラゼルも球をよく見て、浜風の甲子園なら左方向に運ぼうという意識は見えた。
　１，２，３番のスピードとイヤらしさを磨き、４番良太の成長力と、「ここで出てくるか下位に平野」の打線は先行きに楽しみなものがある。５，６，７番を誰にして、どう並べ、いかにメリハリをつけるか。いろいろ試したらいいと思う。