自称阪神タイガース評論家（跡地）

　一軍に登録されてからの狩野は、15打数５安打、ホームラン１本、二塁打２本、１打点、２得点、打率・出塁率.333、長打率.667、OPS1.000。鮮烈な活躍だった。手術した椎間板ヘルニアの再発ではないということではあるが、やはり腰痛による離脱、残念でならない。完治の道を探って欲しい。

　２０回目の完封負け、犠牲者はメッセンジャー（４試合ぶり７回目）。なんかもう検証していくのもめんどくさいのだけど（笑）、先頭打者が出塁すること五度、二塁まで走者を進めたのが六度、満塁としたのが三度。走者二塁以上で迎えた打席は１４回あり、８打数でノーヒット（犠打が１、四死球が５）。ってことで、８安打７四死球と塁上をにぎわわせておいて残塁１３で完封という、メッセンジャーじゃなくても力のない笑いしか出ない一戦だった。

　一方のスワローズは、７回まで投げたメッセの前にヒット３本（四死球３）。三度目の好機をものにして６回に１点先制、８回は代わった鶴から１点取る（エラー、犠打、ヒット、犠飛）。四度あったチャンスのうち、２イニングで１点ずつ。タイガースのコレを見ていると、神業の高効率に見える。

　また好機での凡退の中でも、特に６回ウラ二死二塁、藤井の「ライト線タイムリー三塁打」を前進態勢から横っ飛びでダイレクトキャッチしたバレンティンの超美技が試合を決めたプレー。そして７回ウラ一死満塁で新井の強い三ゴロを簡単に併殺にした宮本のプレー。こっちのエラーは得点に繋げ、相手のタイムリー級の打球はファインプレーで失点を防ぐのだからその差は大きい。これを力の差というのだろう。

　ただし先発投手のパフォーマンスを含めて、総合的に判断すれば勝つべき試合であり、「４番の力」新井良太の力不足で負けたとすべき試合だろう。上本大和鳥谷の上位はきちんとチャンスメークして、拡大していた。良太が決めなきゃ点は入らない。３回二死二塁（左飛）、５回二死満塁（遊ゴロ）、７回一死満塁（三ゴロ併殺）、それぞれの打席をしっかり検証し、なぜボール球や打つべきじゃない球を振ったのか、その時の頭の中を再現させておいて欲しい。来年勝つために役に立つのならそれでいいのだから。

　未来のために良太が責任を感じるべき試合だけど、本当は初回、１回ウラの攻撃よね。先頭上本二塁打、インタビューでも言っているのを聞いたけど、一番チャンスを「おいしい」と感じられていそうな打者大和にバントで一死三塁にしたけど、何重もの意味でもったいない。１ヒットで還ってこれる上本を一死使って進めるのも、不安を感じているロマンに一死くれてやるのも、得点圏打率最強の大和を犠牲にするのもね。個人的にはあくまでも大和には右方向、一二塁間へのゴロヒット（最低でも進塁打）を狙わせる課題を与えて欲しい。「上と下と二つ成功がある」攻撃パターンを目指して欲しい。上本は二塁から還ってくるのが華があってかっこいいしね！

　ま、バントも一つの選択だと思うし、上手く一死三塁から一死満塁を作って、ここで点に出来なかったマートン、ブラゼルももうちょっと大和にならって「おいしい」と思って打席に入って欲しかった。

　ドラゴンズに勝ち越した気分の良さのまま、初回波に乗ってしまえば…それができなかったことをずっと引きずったような試合。もともと勢いをつけるとか、乗せていくというのがヘタな和田監督だけど、ますます縮こまるような環境に追い込まれているからね…。
　上から下まで、ベストを尽くした上でのミスは許容して、とにかくガンガン行こうぜモードに徹底させていくことが何より必要だ。