自称阪神タイガース評論家（跡地）

　タイガース、12球団でもっとも消化試合っぽい試合をしているチーム（笑）。それでいい。

　金本引退試合まではまだ日があるのだから、一緒にやってきた主力や中堅で特に今モチベーションが高いワケでもない選手は一度抹消したっていいのにね。新井同様、引退試合にはまた戻したらいいんだから。で、若い選手にしたら、金本さんと一緒の試合に出ることが後に影響を与えるかも知れないし、引退直前の金本さんのために試合をぶちこわせないという重圧にもなる。

　というのも、初回に５点を失ったスタンリッジを見ていても、心の芯からは燃えていない、いや燃えられるワケがないんだよね。そんなのはスタンが悪いわけじゃなくて、そういうものだろう。「査定ノート」の自分の成績を上げるために投げているのに、チーム全体の意識は若手育成モードなんだから、そりゃ乗れないも当然だろう。だったらもっとやりようがありそうなもんだ。

　鶴にも同じようなことが言える。一度しびれるような場面を経験したら、燃えない場面で生死を賭けられなくなるのだ。頭や心でわかっていても、体が拒否するのだと思う。

　この日は金本スタメンなし。どうやら一人くらいは力のある打者が必要だという考え方で、投手の左右によってマートン・金本らしい。前日の金本スタメンは、「金本祭り」ファンサービスではなく、勝利のための戦術だったんだね。勝つためのキーマン５番打者。でも来季はいない人。そして左右。ものすごく滑稽に感じてしまうのは私だけだろうか。

　今季初登板の白仁田。特に使わない理由は感じない。幅広く投手を戦力化しようという首脳陣なら、何度か一軍で投げさせているような投手だと思う。その中で何かきっかけを掴めば定着することもあり得るような、そんな印象。バラバラ感は初登板割引だ。

　大和は一つ弾いてタイムリー長打にしてしまったけど、どんどん飛び込んでいけばいい。失敗上等だ。チャレンジすればするほど上手くなるのが守備だ。

　なぜだか記録に縁のある試合になったね。宮本が４００犠打で、野原将が嬉しい嬉しい待望の初ヒットで、福地が一千試合出場で、小宮山がプロ初ＨＲ（二軍ではけっこう打ってるから忘れてたけど）で金本が弾丸ライナー代打ホームランで長嶋氏にもうちょいのたくさん打点。まだわからないけど、金本以外の人が、「その試合で金本さんが現役最後のホームランを打ったんだよ」と後々まで語ることになるかも、そうじゃないかも。

　野原将、１本良かったね。次はもっと思いっきり自分の気持ちをぶつけるスイングで会心の１本を打とう。中谷もね。

　今日は岩本。「若者たちと金本さん（代打でＯＫ）」という試合で私は十分楽しめる。勝ち負け気にしないで、失敗を含めた若手のチャレンジを見られる試合、そうそうないからね。昔とは違う。一二軍選手の実力差はそんなに大きくない。経験とチャンスの量の差を埋めてやれば、その差はさらに一気に縮まる。「一軍選手」は一軍で育つ。