自称阪神タイガース評論家（跡地）

　結果責任の世だから解任は仕方ないにしても、球場に来て試合の前に通達とか、急きょ話を変えて残りわずかなこのタイミングで休養とか、なんでそうなるんだろうなあ。
　岡田さんもさることながら、ともに辞任した高代ヘッドコーチはどこに行くのか。三塁コーチャー、ノック打ち、情熱で実力ナンバーワンの呼び声高く、金本からも恩人と言われていた。伝えられている来季コーチ陣が実に内部完結型なので、ハードル高くても招聘して欲しいなあ。

　野原将、伊藤隼を登録。隼太はスタメン（よし！）、野原将は出番なし（上げたらすぐ使う！）、藤原は１回３人ピシャリ（ナイス！）。

　試合はいつも通り館山に抑えられて、いつも通りの完封リレーを決められる。これで４位以下が決定（ずっと前から決定みたいなもんだったけど）。全体としてふがいない負けなのだが、相手は優勝マジックにも似た「クラシリマジック」が点灯中、もちろんその先もあるからまだまだやる気満々、若手チャレンジのタイガースで簡単に勝てるような相手じゃない。山のような完封をまた積み重ねられて言うのもなんだが、これはこれで良いではないか。

　だからみんな喜ぶ金本スタメンだけど、やっぱり私は１日１打席、代打の方がいいと思うな。こないだ「ヒヤリ」としたみたいに不慮の事故があってもつまらない。
　やっぱりなによりも「成長の機会」がもったいない。本気モードの一軍で、チームの勝ち負けを賭けてプレーする体験は必ず今後に生きるのだから。これは絶対に生きる。そういう機会をムダにし続けているのがタイガースなんだからね。
　金本はこの日また塁打数で歴代順位が話題になったように、出てるだけで記録がついてくるってのはあるんだけど、まあもういいじゃない（笑）。

　守備でミスが出る。できないこと、練習しなきゃいけないことがわかる。もう一丁来い！と問題点にまっすぐ向き合うチャンスが生まれる。精神的に落ち着かないことで生まれたミスなら、次同じことが起きた時に違う気持ちでいられるようになるはず、普通は。

　隼太がチーム初ヒットで出塁し、無死一塁で打順は下位８番今成。当然何か仕掛けたいところ。サインが出たかも。だけど館山の巧みな牽制で結局は釘付けにされて今成で３−６−３併殺。塁上で受けた感覚を、もう一度ビデオを見ながら検証、研究だ。

　隼太は８回は一死二塁で迎えた打席でも一つ経験を積んだ。気合い満点で投手を威圧し、カウント３−０、打てのサインで次の直球を振った。いいスイングだったがわずかに遅れてファール。次はチェンジアップが低めいっぱいに入ってフルカウント。ラストボールは低めいっぱい、伸び上がるような直球にピクリともできず見逃し三振。５球目から６球目、ここで気持ちを切り替えられなかった。押して、押し返されて、もう一度押し返せなかった。これが経験の差。館山にしてみれば緩い球で低めいっぱいストライクが取れた時点で、「いける」もう結末は描けていただろう。もし隼太があの５球目のチェンジアップを直球一本のタイミングで思いっきり空振りしていれば、バッテリーの配球は難しくなった。おそらく結果も変わっていた。

　しかしこれも経験。ベンチに戻った隼太の悔しそうな顔がアップになっていた。なぜラストボールに手が出なかったか。固まってしまったか。顔から自分への怒りがあふれ出る。動かなくなってしまった腕を振ってみる。動く。…大きな声を出して、試合に戻った。これも経験だ。

　最終回、無死満塁の初球に手が出なかった４番良太。早打ち指示を察知されて、まんまと館山に翻弄された上本、大和。これも経験。最終回の粘り連打は良かったね。あと８回の今成対館山、粘りの四球も素晴らしかった。この経験、生かすも殺すも自分次第。