2005.07.11 Monday
タイガースには貯金を持つ余裕、盤石のリリーフを持つ余裕があり、対するドラゴンズには、もう負けられないという焦り、早くリードを奪わなければという焦りがあった。
一回ウラ、荒木の二塁打、井端の犠打。安藤は、わずか3球で一死三塁のピンチを迎えたが、リードする矢野は冷静に状況を分析できていた。
前回の安藤は、フォームを変え、テンポを良くすることで見違えるような好投をしている。その時の配球は、初球に低めのストレートを多く持って来ていた。当然ドラゴンズの先乗りスコアラーも、この投球をチェックし、「初球から直球を狙え」という指示だったに違いない。矢野は、荒木の初球打ちと、打席の福留から発せられる打ち気から、すでに相手方の「攻略法」を看破していたように思った。
「低め直球をおっつけてレフトに犠飛狙い」だった福留は、予想外の初球フォークに泳ぎ、浅すぎるレフトフライ。このチャンスを失ったドラゴンズは、以降安藤のリズミカルな投球に封じ込められ、二塁にすら走者を送り込めなかった。
D先発野口も素晴らしい投球だった。とくに右打者の内をつく速球のコントロールが良く、また逃げながら沈むフォークも有効だった。しかし数少ない失投をすべて痛打され沈んだ。
先発安藤快投。ローテーションの柱に完全参入。これは本当に大きい。
「鉄壁三人衆」はこの日も盤石。毎試合、誰かが三者三振やってるような印象(笑)。
この日はジェフ。3人の打者すべてに対し、直球2球で2ナッシングに追い込む。まったくつけいるスキなし!ヒョ〜っ!と思わず奇声を発してしまった(笑)。
スペンサーがいい感じ。先制タイムリーを含むマルチヒット。さらに無死二塁の走者を進める右打ち、頭上を越えようかという飛球を好捕。しゃべっても「目をつぶってグラブを出したんだ。谷繁さんはガッカリしただろうけどね」。OK、戻った(笑)。
前日から全4得点は金本が記録。1〜3番に当たりがないと、突破口にもなれちゃう。金本ってやっぱりスゴイ!
今岡にとっては前日から続いている試合のようだったろう。「無死二塁の呪縛」。前日は走者を動かせなかったことで、攻撃に勢いをつけられなかった。この日も二回表の第一打席に、無死二塁で空振り三振。しかしスペンサーのタイムリーで救われる思いがしただろう。いやそれ以上にその前の金本の盗塁で目が覚める思い、あるいは、いたたまれぬ思いだったか。
今岡はわかっているはずだ。本来走力のある金本が盗塁を企図しないのは、足に不安を抱えながらプレーをしているからだと。そんな金本が走った。無死二塁で今岡が三振した直後、スペンサーへの初球に三盗した。もちろん勝算はあっただろう。暴投で二進した今岡の打席から、二塁手、ショートの守備位置を入念に確認し、また、野口の投球動作のクセも、走者金本を警戒していないことも見抜いていた。そして、久々に見た金本のスライディングは、スピードが落ちない美しいものだった。
しかし、単なる意表をつく盗塁ではなかった。今岡が当たり前のプレーをできなかったことをフォローするために行った、尋常ならざるプレー。金本が今岡に送った静かで、激しいメッセージ。
これで一死三塁。負けられないと焦るドラゴンズが、極端な前進守備を敷く。その井端の上をあざ笑うかのようにスペンサーのどん詰まりのライナーが越えていく。この一部始終を見ていた今岡は、いったい何を思ったか。
今岡の次の打席、4回二死走者なしで、三遊間を抜けようかという打球を井端が好捕、正直、今岡の足では楽にアウトだと思った。しかし全力疾走の今岡は一塁にヘッドスライディング、内野安打にした。これが今岡から金本へ、今岡からチームの皆への回答だった。
そして7回表、先頭金本が二塁打。またしても今岡に「発言」の場を与える。野口−谷繁もわかっている。この日絶好調の内角直球で、おっつける今岡を責め立てる。しかし最後の最後、勝負球のスライダーが高く真ん中へ。今岡はこれを逃さず、ライト線への二塁打で、「無死二塁の呪縛」にケリをつけた。
一回ウラ、荒木の二塁打、井端の犠打。安藤は、わずか3球で一死三塁のピンチを迎えたが、リードする矢野は冷静に状況を分析できていた。
前回の安藤は、フォームを変え、テンポを良くすることで見違えるような好投をしている。その時の配球は、初球に低めのストレートを多く持って来ていた。当然ドラゴンズの先乗りスコアラーも、この投球をチェックし、「初球から直球を狙え」という指示だったに違いない。矢野は、荒木の初球打ちと、打席の福留から発せられる打ち気から、すでに相手方の「攻略法」を看破していたように思った。
「低め直球をおっつけてレフトに犠飛狙い」だった福留は、予想外の初球フォークに泳ぎ、浅すぎるレフトフライ。このチャンスを失ったドラゴンズは、以降安藤のリズミカルな投球に封じ込められ、二塁にすら走者を送り込めなかった。
D先発野口も素晴らしい投球だった。とくに右打者の内をつく速球のコントロールが良く、また逃げながら沈むフォークも有効だった。しかし数少ない失投をすべて痛打され沈んだ。
先発安藤快投。ローテーションの柱に完全参入。これは本当に大きい。
「鉄壁三人衆」はこの日も盤石。毎試合、誰かが三者三振やってるような印象(笑)。
この日はジェフ。3人の打者すべてに対し、直球2球で2ナッシングに追い込む。まったくつけいるスキなし!ヒョ〜っ!と思わず奇声を発してしまった(笑)。
スペンサーがいい感じ。先制タイムリーを含むマルチヒット。さらに無死二塁の走者を進める右打ち、頭上を越えようかという飛球を好捕。しゃべっても「目をつぶってグラブを出したんだ。谷繁さんはガッカリしただろうけどね」。OK、戻った(笑)。
前日から全4得点は金本が記録。1〜3番に当たりがないと、突破口にもなれちゃう。金本ってやっぱりスゴイ!
今岡にとっては前日から続いている試合のようだったろう。「無死二塁の呪縛」。前日は走者を動かせなかったことで、攻撃に勢いをつけられなかった。この日も二回表の第一打席に、無死二塁で空振り三振。しかしスペンサーのタイムリーで救われる思いがしただろう。いやそれ以上にその前の金本の盗塁で目が覚める思い、あるいは、いたたまれぬ思いだったか。
今岡はわかっているはずだ。本来走力のある金本が盗塁を企図しないのは、足に不安を抱えながらプレーをしているからだと。そんな金本が走った。無死二塁で今岡が三振した直後、スペンサーへの初球に三盗した。もちろん勝算はあっただろう。暴投で二進した今岡の打席から、二塁手、ショートの守備位置を入念に確認し、また、野口の投球動作のクセも、走者金本を警戒していないことも見抜いていた。そして、久々に見た金本のスライディングは、スピードが落ちない美しいものだった。
しかし、単なる意表をつく盗塁ではなかった。今岡が当たり前のプレーをできなかったことをフォローするために行った、尋常ならざるプレー。金本が今岡に送った静かで、激しいメッセージ。
これで一死三塁。負けられないと焦るドラゴンズが、極端な前進守備を敷く。その井端の上をあざ笑うかのようにスペンサーのどん詰まりのライナーが越えていく。この一部始終を見ていた今岡は、いったい何を思ったか。
今岡の次の打席、4回二死走者なしで、三遊間を抜けようかという打球を井端が好捕、正直、今岡の足では楽にアウトだと思った。しかし全力疾走の今岡は一塁にヘッドスライディング、内野安打にした。これが今岡から金本へ、今岡からチームの皆への回答だった。
そして7回表、先頭金本が二塁打。またしても今岡に「発言」の場を与える。野口−谷繁もわかっている。この日絶好調の内角直球で、おっつける今岡を責め立てる。しかし最後の最後、勝負球のスライダーが高く真ん中へ。今岡はこれを逃さず、ライト線への二塁打で、「無死二塁の呪縛」にケリをつけた。