2005.07.13 Wednesday
若松監督の粘り、スワローズの粘りはものすごい。先週の対戦、3試合目に中4日で先発起用した石川を、この2連戦では中継ぎ待機とし、中4日でマウンドに上げた。選手を鼓舞する素晴らしい策だと思う。しかし、岡田監督も言っていたが、どうせ使うなら、藤井を下げた直後の6回から、または逆転直後の7回からの方が、より士気を高める効果があったように思う。
井川攻略法も見事。ここのところタイガース先発陣に安定感があるのは、テンポ良く、直球主体でストライクを先行させる配球パターンにあることを読み切って、ファーストストライクをコンパクトに当てていく戦法を取る。立ち上がりから球が高く、中に入ってしまった井川に連打を浴びせた。
初回、良い球を投げながら、慎重になりすぎて3点を献上した先発藤井のリード、そして9回ダメ押し点となった捕逸(記録は暴投)など、古田の穴を感じざるを得ない試合でもあった。
スペンサーが古田にタックルしたのは1週間前。スワローズはその後5連敗となってしまった。
それは本当に悪かったと思う。しかし赤星と金本にぶっつけるのだけは止めてくれ。もちろんわざとではないだろうが。赤星は腿ウラ、金本は足先。ともに当てられた直後は痛そうだったが、大事ないことを願う。
井川は3回まで、打者18人に対し、10安打を打たれた。信じられない打たれっぷりだ。1回表に苦労して取ってもらった3点を、すぐそのウラに全部吐き出すという背信でもあった。しかし結局6回、107球、4失点でおさまったのは、打たれても打たれても、ストライクを投げ続けたこと、打者に向かう気持ちが切れなかったことがその理由なのだろう。しかし、逆転されたすぐ後、自身への代打が逆転打を放ってくれるところまでくるとツキすぎだ。
藤川の制球に翳りが見え始めると同時に、ウィリアムス、久保田が燦然と輝く。「球児には、いつも助けてもらっていたので、助けたかった」とジェフ。心を繋げば打線は得点力を増す。同じようにリリーフ陣の心が繋がれば、点を失わない。
スペンサーが押し出し四球、四球、四球、三遊間ヒット、センター前ヒットの活躍。ボールがよく見えている。シーズン開幕当初の好調時に近い雰囲気。
7回表、1点ビハインドで一死満塁、打順は8番関本。マウンド上はゴンザレス。代打は「満塁男」濱中だと思った。しかし岡田監督が告げたのは桧山だった。はて、これはどう解釈したものか。この三人のうち、もっとも期待値が低いのが桧山だろう。ファーストストライクを叩けなければ、三振に倒れると誰もが知っている。しかし「初球から行け」と指示した風でもなく、その通りになる。だが、二死となったことで、次の代打・片岡の長打1本で一塁走者まで楽に生還できる状況が生まれ、その通りになる。結果として大正解としか言いようのない代打起用だった。岡田監督の頭の中に、濱中がスライダーを引っかけて6−4−3の併殺に倒れる映像でも浮かんだか?いずれにせよ神がかっていた。
片岡について書こうと、過去の「片岡カテゴリー」を読み返して見た。最後の記事は約半年前、自分で書いたことすら忘れていたが、「最低限成し遂げなければならないことは、戦線を離脱しないこと」なんとも皮肉な内容だ。片岡は最低限のことすら出来ない半シーズンを過ごしてしまった。
もともと「香車」。直球にめっぽう強い打者だった。しかし最近では、直球を待って直球に振り負けることが多くなっていた。片岡も本当に衰えてしまったのか…。
二死満塁、打てばヒーロー、倒れれば戦犯、しびれる打席だが、これを待っていたのだろう。バッテリーは直球で攻める。初球ボール、だが2球目の外角直球に片岡のバットが反応する。ジャストミートの後、片岡がバットをくるくると放り投げる。手応えアリのポーズだ。レフトポール際…飛距離は十分…ファール…。そう直球に強くて、広角に長打が打てる、片岡らしさが戻ってきた。3球目、4球目は低めのスライダーで崩しにかかるが、いずれもファール。くずされた打球がファールになるのは好調の証。5球目のインハイへの直球、空振りを取るには最高のコースに決まる。だがこの手が出ても良いコースをきっちり見送る。配球も読めている。古田なら次も同じボールで空振りを取っていただろう。しかし若い米野は型どおり外角低めにスライダーを要求…しかし指にかからなかったその球は、左打者の肩口から真ん中高めに入って来た。速球も頭に入れていた片岡は、軸足を前方にちょっとずらす片岡独特のスキップ打法でタイミングを合わせ、振り切ったバットが再び空中でくるくると回った。そして打球は右中間を深々と抜いていった。
ヒーローインタビューで、いかにも無神経そうなアナウンサーが大声を張り上げながら聞く。「一昨年のチームと今のチーム、どちらが強いですか?」少し考えて、片岡は小さな声で答えた「今年の方が強いです」。自分も優勝に貢献したと思えた一昨年と、ここまで何もチームに与えていなかった今年とを比較された戸惑いが顔に出ていた。(これからだ)心に決めたに違いない。
井川攻略法も見事。ここのところタイガース先発陣に安定感があるのは、テンポ良く、直球主体でストライクを先行させる配球パターンにあることを読み切って、ファーストストライクをコンパクトに当てていく戦法を取る。立ち上がりから球が高く、中に入ってしまった井川に連打を浴びせた。
初回、良い球を投げながら、慎重になりすぎて3点を献上した先発藤井のリード、そして9回ダメ押し点となった捕逸(記録は暴投)など、古田の穴を感じざるを得ない試合でもあった。
スペンサーが古田にタックルしたのは1週間前。スワローズはその後5連敗となってしまった。
それは本当に悪かったと思う。しかし赤星と金本にぶっつけるのだけは止めてくれ。もちろんわざとではないだろうが。赤星は腿ウラ、金本は足先。ともに当てられた直後は痛そうだったが、大事ないことを願う。
井川は3回まで、打者18人に対し、10安打を打たれた。信じられない打たれっぷりだ。1回表に苦労して取ってもらった3点を、すぐそのウラに全部吐き出すという背信でもあった。しかし結局6回、107球、4失点でおさまったのは、打たれても打たれても、ストライクを投げ続けたこと、打者に向かう気持ちが切れなかったことがその理由なのだろう。しかし、逆転されたすぐ後、自身への代打が逆転打を放ってくれるところまでくるとツキすぎだ。
藤川の制球に翳りが見え始めると同時に、ウィリアムス、久保田が燦然と輝く。「球児には、いつも助けてもらっていたので、助けたかった」とジェフ。心を繋げば打線は得点力を増す。同じようにリリーフ陣の心が繋がれば、点を失わない。
スペンサーが押し出し四球、四球、四球、三遊間ヒット、センター前ヒットの活躍。ボールがよく見えている。シーズン開幕当初の好調時に近い雰囲気。
7回表、1点ビハインドで一死満塁、打順は8番関本。マウンド上はゴンザレス。代打は「満塁男」濱中だと思った。しかし岡田監督が告げたのは桧山だった。はて、これはどう解釈したものか。この三人のうち、もっとも期待値が低いのが桧山だろう。ファーストストライクを叩けなければ、三振に倒れると誰もが知っている。しかし「初球から行け」と指示した風でもなく、その通りになる。だが、二死となったことで、次の代打・片岡の長打1本で一塁走者まで楽に生還できる状況が生まれ、その通りになる。結果として大正解としか言いようのない代打起用だった。岡田監督の頭の中に、濱中がスライダーを引っかけて6−4−3の併殺に倒れる映像でも浮かんだか?いずれにせよ神がかっていた。
片岡について書こうと、過去の「片岡カテゴリー」を読み返して見た。最後の記事は約半年前、自分で書いたことすら忘れていたが、「最低限成し遂げなければならないことは、戦線を離脱しないこと」なんとも皮肉な内容だ。片岡は最低限のことすら出来ない半シーズンを過ごしてしまった。
もともと「香車」。直球にめっぽう強い打者だった。しかし最近では、直球を待って直球に振り負けることが多くなっていた。片岡も本当に衰えてしまったのか…。
二死満塁、打てばヒーロー、倒れれば戦犯、しびれる打席だが、これを待っていたのだろう。バッテリーは直球で攻める。初球ボール、だが2球目の外角直球に片岡のバットが反応する。ジャストミートの後、片岡がバットをくるくると放り投げる。手応えアリのポーズだ。レフトポール際…飛距離は十分…ファール…。そう直球に強くて、広角に長打が打てる、片岡らしさが戻ってきた。3球目、4球目は低めのスライダーで崩しにかかるが、いずれもファール。くずされた打球がファールになるのは好調の証。5球目のインハイへの直球、空振りを取るには最高のコースに決まる。だがこの手が出ても良いコースをきっちり見送る。配球も読めている。古田なら次も同じボールで空振りを取っていただろう。しかし若い米野は型どおり外角低めにスライダーを要求…しかし指にかからなかったその球は、左打者の肩口から真ん中高めに入って来た。速球も頭に入れていた片岡は、軸足を前方にちょっとずらす片岡独特のスキップ打法でタイミングを合わせ、振り切ったバットが再び空中でくるくると回った。そして打球は右中間を深々と抜いていった。
ヒーローインタビューで、いかにも無神経そうなアナウンサーが大声を張り上げながら聞く。「一昨年のチームと今のチーム、どちらが強いですか?」少し考えて、片岡は小さな声で答えた「今年の方が強いです」。自分も優勝に貢献したと思えた一昨年と、ここまで何もチームに与えていなかった今年とを比較された戸惑いが顔に出ていた。(これからだ)心に決めたに違いない。