2005.08.19 Friday
大阪桐蔭の平田って、大きくないのにスゴイね。欲しいね(笑)。
試合後、牛島監督は選手一人一人に声を掛けながら見送っていた。次のD戦、頑張れ!
D川上−G西村。負けられない試合をDは落とした。一方、T安藤−B岸本、タイガースにとっても負けられない一戦だった。
初回から制球に苦しむ岸本。四球3つで一死満塁から、今岡は巧くセンター前へ2点タイムリー。結果は最高、内容は…という打撃だった。二死後、浅井がやっぱり初球を叩き三塁線を抜く二塁打。3−0と負けられない一戦を上々の滑り出し。
初回を見る限り、安藤は良かった。球に力もあり、変化球のコントロールも良い。しかし2回表無死一塁、種田の打席から精神的に乱れていく。2球目、種田は意表をつくセーフティバントを三塁前に転がす。今岡慌てて前進し一塁に送球するもセーフ。さらに三塁ベースが空いているのを見つけた多村が三塁まで進む。投手、捕手、どちらかがカバーしなければいけないプレー。ここで安藤は自らのミスを悔やんでしまったように見えた。負けられない。打者だけでなく、安藤はこの重圧と戦い続けていたように思う。
結局、この回さらに連打を浴び2失点、続く3回表には佐伯、多村に連続HR。3−4と逆転され、まさかの3回ノックアウトとなってしまった。
一時退却。負けられない試合の流れを変える、桟原、江草が試合を組み立て直す。内容は悪かったが、運もあり2イニングずつ、0で抑える。
3−4、1点ビハインドのまま試合は膠着状態。7回ウラ、先頭の江草に代えて片岡。好投を続ける加藤は、絶妙の変化球をコーナーに決め、2−1と追い込む。だが決めに来た145km/hの直球が甘い高さに浮くと、まったく迷いなく強振、大きな弧は右中間フェンスを越えた。追い込まれても動じることなく、失投を一撃で仕留めた。これで代打6打席連続安打とか。03年、優勝を決めた試合でも片岡の代打同点HRがあったっけ。
この一発を空砲にできるか、負けられない。
続く赤星の三塁ゴロは、イージーバウンド。だが、赤星はいつにも増して全力疾走…負けられない。送球する村田の視界の隅に、尋常じゃない速度で動く小さい人がかすめる…悪送球。その小さい人は、バックアップの遅れを匂いで感じ取っていて、2塁手前で一瞬の目視確認をするや、再度トップスピードに加速。その時すでに3塁に滑り込んでいた。
無死三塁。この日も鳥谷は、左方向にしか飛ばない、弱々しい打球と格闘していた。強く引っ張りたいと意識すればするほど、微妙に右肩の開きが早くなる。つられて右膝も開き、ヘッドは走らず、バットの角度も「ショートフライアングル」になってしまう。
それでも負けられない。ただがむしゃらに振るしかない。強く振ればショートフライもレフトフライになるかもしれない。加藤が投じた初球は、「鳥谷攻略法」にないはずの低めの直球、この失投を見逃さず、思いっきり振り切った打球は、ポテン警戒で前目に守っていたレフトの頭上を越えた。ついに負けられない試合、再逆転に成功した。
さらに無死二塁からクリーンナップを迎える。だがシーツ三振、金本四球、今岡三振、桧山ヒットで二死満塁としながら、浅井の代打濱中が捕邪飛に倒れ、試合を決められなかった。
8回表、5−4。負けられない。岡田監督は、1点で勝つと心に決める。ウィリアムス&矢野を投入、加えて今岡に代えて秀太を守備固めに起用する。トドメを刺せなかったという悪い流れ、移動日以外休みのないJQKへの不安を考えれば、片岡を三塁に残すという手もあったと思う。だが、1点で勝とうというのなら、それはそれで良い。ならばライトも中村豊にしなければいけなかったとは思うが…。
先頭代打内川は、低めの球を右方向に弾き返すことしか考えていないような振りだった。思えば外国人野手がいないベイスターズ打線は、低い球をいわゆる逆方向に打ち返す打撃で繋いでくるイヤな打線だ。内川の打球は際どくライト線を破る二塁打。続く石井は、粘りに粘って技でライト定位置やや後方へのフライ。なんなくタッチアップを許してしまった。一死三塁から小池も外低めを大きなライトフライ。このあたり、ウィリアムスと矢野の配球は完全に読まれていた。右打者にとってウィリアムスの何がイヤなのか…。矢野を問い詰めたい気分になった。負けられない試合は振り出しに戻る。
両チーム決め手なく延長へ。藤川は文句なし、久保田は先頭を出し、ピンチを迎えたが抑える。10回ウラ一死後、守備固めで入れたはずの秀太を代えざるを得なくなり、三塁に入っていた関本。だが岡田監督の運も戻って来たか、左中間へのヒット。続く藤本はバントの構え、マウンド上はこの回から上がった木塚、送らせまいとするあまりに最悪の四球、一死一二塁。
負けられない。疲労にも、死球の残像にも負けるわけにはいかない。打席に向かう矢野は、闘志満々だった。浅井にスタメンをゆずって2試合目。疲れなどそう簡単に取れるものではあるまいが、心のリフレッシュには十分だったようだ。考えても仕方ない、初球から思いっきり振るのみ。木塚の投じた、気持ち良いど真ん中の直球を、矢野が絶好調時と同じライト前へのライナーで弾き返すと、前進する金城のわずか手前でバウンドした。
苦しみながらの勝利。一つのキーワードで繋がった勝利だった。
試合後、牛島監督は選手一人一人に声を掛けながら見送っていた。次のD戦、頑張れ!
D川上−G西村。負けられない試合をDは落とした。一方、T安藤−B岸本、タイガースにとっても負けられない一戦だった。
初回から制球に苦しむ岸本。四球3つで一死満塁から、今岡は巧くセンター前へ2点タイムリー。結果は最高、内容は…という打撃だった。二死後、浅井がやっぱり初球を叩き三塁線を抜く二塁打。3−0と負けられない一戦を上々の滑り出し。
初回を見る限り、安藤は良かった。球に力もあり、変化球のコントロールも良い。しかし2回表無死一塁、種田の打席から精神的に乱れていく。2球目、種田は意表をつくセーフティバントを三塁前に転がす。今岡慌てて前進し一塁に送球するもセーフ。さらに三塁ベースが空いているのを見つけた多村が三塁まで進む。投手、捕手、どちらかがカバーしなければいけないプレー。ここで安藤は自らのミスを悔やんでしまったように見えた。負けられない。打者だけでなく、安藤はこの重圧と戦い続けていたように思う。
結局、この回さらに連打を浴び2失点、続く3回表には佐伯、多村に連続HR。3−4と逆転され、まさかの3回ノックアウトとなってしまった。
一時退却。負けられない試合の流れを変える、桟原、江草が試合を組み立て直す。内容は悪かったが、運もあり2イニングずつ、0で抑える。
3−4、1点ビハインドのまま試合は膠着状態。7回ウラ、先頭の江草に代えて片岡。好投を続ける加藤は、絶妙の変化球をコーナーに決め、2−1と追い込む。だが決めに来た145km/hの直球が甘い高さに浮くと、まったく迷いなく強振、大きな弧は右中間フェンスを越えた。追い込まれても動じることなく、失投を一撃で仕留めた。これで代打6打席連続安打とか。03年、優勝を決めた試合でも片岡の代打同点HRがあったっけ。
この一発を空砲にできるか、負けられない。
続く赤星の三塁ゴロは、イージーバウンド。だが、赤星はいつにも増して全力疾走…負けられない。送球する村田の視界の隅に、尋常じゃない速度で動く小さい人がかすめる…悪送球。その小さい人は、バックアップの遅れを匂いで感じ取っていて、2塁手前で一瞬の目視確認をするや、再度トップスピードに加速。その時すでに3塁に滑り込んでいた。
無死三塁。この日も鳥谷は、左方向にしか飛ばない、弱々しい打球と格闘していた。強く引っ張りたいと意識すればするほど、微妙に右肩の開きが早くなる。つられて右膝も開き、ヘッドは走らず、バットの角度も「ショートフライアングル」になってしまう。
それでも負けられない。ただがむしゃらに振るしかない。強く振ればショートフライもレフトフライになるかもしれない。加藤が投じた初球は、「鳥谷攻略法」にないはずの低めの直球、この失投を見逃さず、思いっきり振り切った打球は、ポテン警戒で前目に守っていたレフトの頭上を越えた。ついに負けられない試合、再逆転に成功した。
さらに無死二塁からクリーンナップを迎える。だがシーツ三振、金本四球、今岡三振、桧山ヒットで二死満塁としながら、浅井の代打濱中が捕邪飛に倒れ、試合を決められなかった。
8回表、5−4。負けられない。岡田監督は、1点で勝つと心に決める。ウィリアムス&矢野を投入、加えて今岡に代えて秀太を守備固めに起用する。トドメを刺せなかったという悪い流れ、移動日以外休みのないJQKへの不安を考えれば、片岡を三塁に残すという手もあったと思う。だが、1点で勝とうというのなら、それはそれで良い。ならばライトも中村豊にしなければいけなかったとは思うが…。
先頭代打内川は、低めの球を右方向に弾き返すことしか考えていないような振りだった。思えば外国人野手がいないベイスターズ打線は、低い球をいわゆる逆方向に打ち返す打撃で繋いでくるイヤな打線だ。内川の打球は際どくライト線を破る二塁打。続く石井は、粘りに粘って技でライト定位置やや後方へのフライ。なんなくタッチアップを許してしまった。一死三塁から小池も外低めを大きなライトフライ。このあたり、ウィリアムスと矢野の配球は完全に読まれていた。右打者にとってウィリアムスの何がイヤなのか…。矢野を問い詰めたい気分になった。負けられない試合は振り出しに戻る。
両チーム決め手なく延長へ。藤川は文句なし、久保田は先頭を出し、ピンチを迎えたが抑える。10回ウラ一死後、守備固めで入れたはずの秀太を代えざるを得なくなり、三塁に入っていた関本。だが岡田監督の運も戻って来たか、左中間へのヒット。続く藤本はバントの構え、マウンド上はこの回から上がった木塚、送らせまいとするあまりに最悪の四球、一死一二塁。
負けられない。疲労にも、死球の残像にも負けるわけにはいかない。打席に向かう矢野は、闘志満々だった。浅井にスタメンをゆずって2試合目。疲れなどそう簡単に取れるものではあるまいが、心のリフレッシュには十分だったようだ。考えても仕方ない、初球から思いっきり振るのみ。木塚の投じた、気持ち良いど真ん中の直球を、矢野が絶好調時と同じライト前へのライナーで弾き返すと、前進する金城のわずか手前でバウンドした。
苦しみながらの勝利。一つのキーワードで繋がった勝利だった。