2006.01.09 Monday
正直言って、WBCをとりまくゴタゴタの本質がどこにあるのか、私にはよくわからくなっている。詳しい方がいたらぜひ教えて欲しい。
現象だけを見ていくと、
(1)チームの主力をなすような、MLB所属の実力ある日本人選手が出場を辞退した、または辞退しそうである。本人たちによって理由の説明があったが、いずれも「そんなことは初めからわかってたこと」と突っ込まれるような釈然としないものだった。
(2)主催者(実質MLB)の思惑に反して、発動中の経済制裁を理由に、アメリカ政府がキューバの大会参加を認めないとした。これに対しキューバ側は、金銭的なメリットはすべてハリケーン対策費として寄付するとしており、主催者は政府と再度調整中。国際野球連盟(IBAF)は、キューバが参加しない場合、公認を取り消すと表明。、アメリカの大手通信社、
AP通信は、そうなった場合、WBCが予定通り開催できるか不透明だと伝える。
(3)ただし、アメリカチームや他の中南米のチームについては、期待されていたMLBスター選手が概ね参加表明しているようである。
全体的に(根っこからそうではあったが)、アメリカとMLBの身勝手さにあふれかえっているように思う。MLB日本人選手のドタキャンも、「おまえたち、こっちの社会で豊かになっておいて、まさかオレたちに歯向かおうってわけじゃないよな」という声が聞こえてきそうだ。だが、本当にそういう「単純な」話なのか?どうにもこうにも良くわからない。それでも、松井にしても井口にしても、その言葉と表情に、真実が感じられないという点については、誰もが共感しているのではないか。
それならそれで面白いじゃないか。松井がいなくても、井口がいなくても、負けるわけにはいかない。
ブックメーカー(賭け屋)の下馬評では、日本は4番人気(ドミニカ、アメリカ、ベネズエラに続く。プエルトリコと同率)だそうだ。おお、上等だ。アメリカの勝手を許さないためにも、中南米の国々ひっくるめて、なんとかして負かしてやれ。
「だってWBCって世界一を決める大会なんでしょ? それならば出ます。シンプルにそれだけ。簡単ですよ。だから僕には出場を断る理由がないんです」
ひたすら道を求める男、
イチローはそう言う。WBCについては、いろいろな人が、いろいろな言葉でその価値を(価値の高さや、価値の低さを)語っている。この大会が持つ意義と問題点は、あまりにも複雑だから。
しかし私は、このイチローの明快さを心の底から支持したいと思う。
【コメント】
おはようございます。
私も詳しい訳ではないですが、
おっしゃる通りかなりMLBのわがまま色強いですね(笑)
細かいところではWBC期間中のケガに対する補償などの契約問題もあるようです。
サッカーなどと違ってまだその辺が整備されていない感が…
それにしても「代表」を軽く考え過ぎのような気がします。
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トラキチ | 2006/01/09 9:37 AM |
アメリカは野球に限らずスポーツについては
NFLもNBAもNHLも基本的に自国内で完結してますし
それでスポーツビジネスが成り立ってるので
建前上はどうあれ、本音は国際化する必然性を
感じていないんじゃないでしょうか。
MLBの運営に邪魔だ、というスタンスでしょう。
なのでWBCに対しても『世界一決定戦』なんて
思ってないんじゃないでしょうか。
でも今後変わって行くかもしれません。
中途半端な形でスタートするにしろ
WBCという場が出来た事は一歩前進だと思います。
これで終わらないように、もっと熱心に
参加してもらうように変えていければ・・・
と思います。
| たに | 2006/01/09 1:32 PM |
to トラキチさま
NPBに権限と自主財源がない状況ですから、代表選手への保障など大きな問題がクリアできないというのはありますね。でも松井や井口の辞退はそういう個人レベルの話ではないという印象です。
to たにさま
そうでしょうか。NYYやシカゴ、ボストンなどの人気チームにとっては、邪魔な存在でしょうが、MLBも不入りに悩むチームが多いのが現状のようです。「国内で完結」するには、MLBは弱すぎるからこそ、事務局主導でWBCが企画されたのだと思います。競技者はフットボール、バスケットボールにかなり奪われているようですし、客の入りについては、NPBの比ではない「貧富の格差」が生まれているようです。好プレー集などを見るとガラガラのスタンドばかりですから。
ドリームチームで世界一を演出することで、下落傾向の国内の野球人気を盛り上げようと必死なのだと思います。同時に、日本を中心にしたアジアや、中南米に、コンテンツとしのMLBを輸出して、「野球植民地化」しようという対外政策も見え隠れします。
いずれにせよ、国内が飽和したため、必死になって考え出されたのがWBCで、アメリカはどんな手を使ってでも世界一になるつもりなのではないでしょうか。
間違っているかも知れませんが、私はそう感じています。
| torao | 2006/01/09 2:39 PM |
この大会、一体適切な開催時期って何時?と言う
答えさえ見つからない。
大体プロ組織を持つ国のリーグ開催時期は殆ど
同じ。
1〜2月:自主トレ〜春季キャンプ
3月上〜中旬:キャンプ大詰め〜オープン戦
4月〜10月:リーグ戦〜シリーズ戦
11〜12月:(秋季キャンプ)オーバーホール時期
夫々において、とても半月以上も国際大会に割ける
時間など無い。
それに増して、言いだしっぺの米国にある球団が一番
非協力的とは。
野球をサッカー並みにワールドワイドな競技に
したいという建前があるのなら、まず米国が率先して
犠牲を払うべきなのに、それすら儘ならない。
「何?野球世界一?アメリカ国内で一番になれば
イコール世界一じゃねぇの?国別?そりゃ、
We Are The No.1さ」と言う思い上がり
すら見え隠れする。
かつて、五輪のバスケットボールで米国がドリームチーム
を組んだ切っ掛けになったように、国際大会で
赤っ恥をかいて頂こう。
メジャーリーガーを多く抱える中米辺りをも
うっちゃって、日本が栄冠に輝き、MLBの高く
聳える鼻っ柱をへし折ってくれる事を祈る。
| 西田辺 | 2006/01/09 2:48 PM |
スポーツに政治を持ち込むモスクワ五輪の頃から変わらぬアメリカという国。
自分達こそがベースボールの頂点であり続けると信じているMLBという組織。
日本の精鋭達によって、悪い奴らをギャフンといわせてあげましょう。
正義は必ず勝つ(笑)
しかし、第2回、第3回と続くのかが、
早くも心配なところです。
続かないと本来の意味がないですからね。
まぁ、第一回は、ベストメンバーじゃなくとも、
世界レベルを図るには五輪の時よりいい機会にはなると思います。
やって損はない大会にはなるでしょう。
ヤンキースの松井より、
ワールドシリーズを制した井口より、
シンプルなイチローのほうがずっとかっこいい。
きっと、子供達にもそう映るんだろうなぁ。
to 西田辺さま
3年後の第2回大会(以後は4年毎に開催する予定)からは4月開催の予定だそうです。定着すれば、レギュラーシーズン中の時期に開催し、各国内リーグは、試合数を減らしたり、他にぎゅっと詰めたりして対応することになるのでしょう。それは、サッカーのW杯と同じイメージだと思います。
「ヤンキースの思い上がり」は、これまでの「ジャイアンツの思い上がり」に似ているかも知れません。自分たちは人気球団だから、国別対抗戦などやる必要がない。この大会で全国的人気を狙う、不人気球団で代表を作れば良いではないか!アメリカはまさにそういうチームが君臨したままで、日本はそういうチームがどうやら危機感を抱いたらしいという違いがあります。ただ、「新盟主」などと言われるタイガースに、新たな「思い上がりの萌芽」が見えるような気がします。
to grayghostさま
まあまあ、そう単純な「勧善懲悪」にしてしまうのは…(笑)。ただ、自分たちの「国益」のためなら、戦争の原因までねつ造したという疑惑を持たれている国だけのことはあるなぁというのが正直な感想です。ファイトが沸きますよ。
| torao | 2006/01/09 6:00 PM |
コメント失礼します。
子供の頃にイチロー選手を観て育った者として公平な意見を云う
自身はありませんが(笑)イチロー選手の保身を知らないコメントに
しびれました、単純ですが言葉に人を惹きつける力がある様に思います。
プロ野球選手のブログを集めて紹介する記事をトラックバックさせて頂きました。
タイガースの選手も分るだけ紹介したのですが、抜けてて知ってる
選手がいればツッコんで頂けると幸いです。
またお暇な時にでもお立ち寄り頂ければ嬉しいです。
コメント・トラックバック失礼しました。
| 下田 | 2006/01/09 8:12 PM |
今回の記事、非常に共感出来ました。
松井と井口の辞退、本人達の問題うんぬんといった単純な問題ではないような気が私もします。
真実が感じられない、ほんとにそうですね。
あの二人の辞退の裏には、決して明るみに出したくない理由が深く潜んでいる、そんな気がしてなりません。
責めるべき「真の黒幕」が他にいるんじゃないかと。
日本の結果うんぬんも大切ですが、イチローの「野球の世界的な普及のために」という思いがスポイルされないことを祈りたいです。
勝手ですが、リンク貼らせていただきました。
これからもよろしくお願いします。
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rookie | 2006/01/09 9:05 PM |
1)は辞退する個人の選択の自由の問題です。いろいろな立場、考えは行動として最終的にはできるかぎり表現できる自由がなければ。まずもってそれを保障できたと考えます。多くの人は会社の自由のために生活を束縛されています。歓迎すべきではないでしょうか。言ってよければたかが野球です。もっと大切なものがある。個人の価値観はいろいろでそれを尊重し、批判しあえる社会を個々人がはぐくまねば。彼らは日本では最高の野球環境に恵まれていたものたちであり、それをいわば個人の決断として捨てて己だけをたよりとして大リーグの門をたたき、努力して成功をわが手にした。この時点で彼らはアスリートとして自立した。今回の決断はその立場からなされたもと受け止める。重圧に屈せず個人の判断を貫いた、と考える。いい意味での個人主義はこれからの時代大切になるのでは。社会が経済的に分裂すれば当然、為政者としては統合の共同の幻想が必要になる。それに対してどのような立場をとっていくか、ということが問われる時代が目の前にある。
2)国際連盟があるとははじめて知りました。
野球を国技のようにしている国の排除は残念。
排除するなら私はwbcを無視します。ただ出場する藤川のことは心配。投球制限が先発に課せられると言う事は当然、後ろの投手に負担がかかる。2軍時代から今に至ったのに怪我をしないでほしい。
3)日本との調整方法の違いがよくいわれていますが。向こうは実戦形式で調整していくといわれています。その点からすると参加への障害は少ないのでは。
to 下田さま
>子供の頃にイチロー選手を観て育った…
下田さんはお若いんですね(笑)。
さて、他に誰かあったでしょうか。気がついたらコメントしますね。
to rookieさま
よくわからないとしか言いようがありませんが、松井にしても井口にして、どうにも整合性のとれないことばかりですからね。本人の言葉通りに受け取って流してあげるべきなのでしょうが、逆に選手たちにはファイトの源にして欲しいものです。
ブログピープルに追加しました。こちらこそよろしくお願いします。
to redtigerさま
どうやら私とは味方がまったく逆のようで、ひとそれぞれ受け取り方が違うものだと面白く読ませていただきました。
流してあげるべきなのでしょうが、例えば井口は、当初、日本代表としてプレーできることを名誉に思うので、ぜひ選んで欲しい、尊敬する王監督に恩返しがしたい等のコメントを発しています。
http://www.sanspo.com/mlb/top/mt200509/mt2005091801.html
それが最終的には、はじめっからわかっていた「2年目は大事なので」辞退となってしまったのですから、不自然という感は否めません。初めのコメントは脅迫でもされて言わされていたということはないでしょう。
松井にしても、返答を引っ張ったのは、チームメイトやオーナーの動きを見たり、調整を図るためだったと見るのが自然だと思っていました。その間Aロッドは、一度は辞退を表明し、まるで松井が辞退を表明するのを待っていたかのように(無関係だとは思いますが)、アメリカからの参加表明に転じています。
私には、彼らが自由な意志決定によって、辞退に至ったとは到底思えませんでした。
基本的に私も出たいという人だけでやったら良いと思っています。そして彼らは出たかったのだと思っています。
| torao | 2006/01/09 11:36 PM |
【コメントする】 ※初めての方はまず
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