2006.02.13 Monday
前田忠と庄田が一軍キャンプに呼ばれた。内野守備固め&代走の要員は手薄なので、前田忠はなんとかしてアピールしたいところ。
ファイターズの練習試合はなかなか見所が多かった。各選手の出来は、ichikenさんの記事がむちゃくちゃ的確で素晴らしいので省略(笑)。雑感を加えるなら、期待の高かった赤松が離脱したことで、何も変わっていない上坂の存在感がアップしているなぁ。林はすでに開幕一軍を決めちゃったなぁ。ちょっと前まで喜田&林と並び称せられていたのに、明らかに格違いだなぁっ…てとこ。
3番手としてマウンドに上がった田村について。
二軍戦をよく見ている方から、田村が若年寄のような投げ方で、130km/hほどの直球しか投げないという話は何度か聞いていたが、なにぶん自分で見たわけではないので、ピンと来なかった。
このキャンプで沖縄行きに抜擢されたので、それはリハビリ中の話で、今は良くなったのだと思った。
2年前の春のキャンプ、田村は期待のホープだった。「井川二世」などと呼ばれ、強靱な下半身と背筋力から、体をひねりあげて、えげつないクロスファイアーを投げた。その球筋が、この投手がパワフルでタフな将来性豊かな若者だと物語っていた。沖縄に来るということは、その開花の片鱗を見られることだと思い込んでいた。
スカイAでブルペン投球する田村を見たら、腕を振らずに投げているので驚いた。野手の送球のようにこちょこちょっと、ほとんどバックスイングがなく、前だけに腕を振る投げ方…。ブルペンの様子は、投げている姿しか映らないから、どんなボールを投げているのかがわからない…。
この日、3番手でマウンドに上がった田村は、2年前のキャンプの田村とは別人だった。130km/hそこそこの直球と、ことごとく低めに沈み込むいくつかの変化球を、変わった間合いから投げ込んでくる「技巧派投手練習生」のような投手だった。投げ方は別にして、下柳のイメージに近いか。あの日思い描いた将来像とのあまりにも大きいギャップ…正直、私はショックを覚えた。「残念だ」と思った。
ということは、なぜここに田村が呼ばれているのか。相木、伊代野と同じように、目先を変える中継ぎ投手という存在なのか…。このフォームを変えた田村は、首脳陣から大変好意的にとられているという…。監督やコーチは残念じゃないのか。
しばし考えて、目の前にいる田村を見ながら、「残念だ」と思わない理由が、なんとなくわかってきたような気がした。周囲も初めは残念に思ったのだろう。そして、その後、このフォームと、自分の役割に賭けた、田村の決意の固さを認めてやったのではないだろうか。
例えば、これまでにも類い希な美しいボールを投げる代わりに、その現役生活のほとんどをリハビリに費やした投手もいる。例えば、大きく育てようという指導者を信じて従い、時代の幸運に恵まれることなくユニフォームを脱いだ未完の大器もいる。何がそう決断させたのかはわからないが、田村は自分自身で、「球は遅いが、動いて打ちにくい」「しつこく低めをついてくる」技巧派投手になると決めたのだろう。
打たれても顔色を変えずに、遅い球をコントロールしようとしている。そんな田村を応援しようと思った。
ファイターズの練習試合はなかなか見所が多かった。各選手の出来は、ichikenさんの記事がむちゃくちゃ的確で素晴らしいので省略(笑)。雑感を加えるなら、期待の高かった赤松が離脱したことで、何も変わっていない上坂の存在感がアップしているなぁ。林はすでに開幕一軍を決めちゃったなぁ。ちょっと前まで喜田&林と並び称せられていたのに、明らかに格違いだなぁっ…てとこ。
3番手としてマウンドに上がった田村について。
二軍戦をよく見ている方から、田村が若年寄のような投げ方で、130km/hほどの直球しか投げないという話は何度か聞いていたが、なにぶん自分で見たわけではないので、ピンと来なかった。
このキャンプで沖縄行きに抜擢されたので、それはリハビリ中の話で、今は良くなったのだと思った。
2年前の春のキャンプ、田村は期待のホープだった。「井川二世」などと呼ばれ、強靱な下半身と背筋力から、体をひねりあげて、えげつないクロスファイアーを投げた。その球筋が、この投手がパワフルでタフな将来性豊かな若者だと物語っていた。沖縄に来るということは、その開花の片鱗を見られることだと思い込んでいた。
スカイAでブルペン投球する田村を見たら、腕を振らずに投げているので驚いた。野手の送球のようにこちょこちょっと、ほとんどバックスイングがなく、前だけに腕を振る投げ方…。ブルペンの様子は、投げている姿しか映らないから、どんなボールを投げているのかがわからない…。
この日、3番手でマウンドに上がった田村は、2年前のキャンプの田村とは別人だった。130km/hそこそこの直球と、ことごとく低めに沈み込むいくつかの変化球を、変わった間合いから投げ込んでくる「技巧派投手練習生」のような投手だった。投げ方は別にして、下柳のイメージに近いか。あの日思い描いた将来像とのあまりにも大きいギャップ…正直、私はショックを覚えた。「残念だ」と思った。
ということは、なぜここに田村が呼ばれているのか。相木、伊代野と同じように、目先を変える中継ぎ投手という存在なのか…。このフォームを変えた田村は、首脳陣から大変好意的にとられているという…。監督やコーチは残念じゃないのか。
しばし考えて、目の前にいる田村を見ながら、「残念だ」と思わない理由が、なんとなくわかってきたような気がした。周囲も初めは残念に思ったのだろう。そして、その後、このフォームと、自分の役割に賭けた、田村の決意の固さを認めてやったのではないだろうか。
例えば、これまでにも類い希な美しいボールを投げる代わりに、その現役生活のほとんどをリハビリに費やした投手もいる。例えば、大きく育てようという指導者を信じて従い、時代の幸運に恵まれることなくユニフォームを脱いだ未完の大器もいる。何がそう決断させたのかはわからないが、田村は自分自身で、「球は遅いが、動いて打ちにくい」「しつこく低めをついてくる」技巧派投手になると決めたのだろう。
打たれても顔色を変えずに、遅い球をコントロールしようとしている。そんな田村を応援しようと思った。