2006.02.23 Thursday
最後の方はファームの紅白戦のようだったが、一軍首脳の視線を意識しながらのゲームは貴重な経験だったろう。
井川が良いのは間違いない。体調悪化や首脳陣への不満から気持ちが切れて、ぶくぶくと太ってしまった「江夏の悪夢」を一時は本気で心配していたが、すっかり帰ってきた。どんな心境の変化があったのかは知らないが、身も心も球筋もスッキリして、高卒何年目かでスゲー直球を投げていた時のキレと、サングラス越しにも想像できる楽しそうな顔、躍動感のあるフォームが帰ってきた。
何か吹っ切れたような印象を持ったのは、井川だけじゃない。不振に悩み続けてきた、吉野と中村泰にも、心境の変化を感じた。
「こんなはずでは…」「あの時はできたのに…」。吉野はその輝き方が尋常でなかっただけに、それを取り戻せないことへの焦り、いらだちは並みのものではなかっただろう。だがこの日の吉野のフォーム、表情を見て、ようやく過去の自分と戦うのを止めて、「なーんも考えずに」ベストの球を投げようとしているんだなと思った。あの時のように、空振り三振の山を作れなくても、ぴゅっと切れる球で差し込めば、フライが上がる、それで良いと。
そう!それでいいじゃないか、見てくれ、このフィニッシュを!これが中村泰の良いところ。自信満々で投げている時、ヤスの球は誰にも打てない。もちろん、ヤスの「小心者レベル」を考えれば、これで大丈夫だなんてとても言えない。でも「ジェフの代わりは上に20人ぐらいいますからね。ボクは抜いていかないといけない立場」なんていう発言を聞くと、ちょっと良い方向に来ているように思うのだ。気持ちが守りに入った瞬間、砂の城が崩れるのをただ眺めているように呆然と立ち尽くしてしまうが、一心不乱に攻めている時のヤスは無敵なのだから(笑)。ガンバレ、ヤス!
「一軍選手」として初めて登板した中林はどんな気持ちだっただろう。落ち着く間もなく四死球を連発し、失点してしまった。早くアウトにしたい、早くチェンジにしたい…無我夢中で、本来の自分の投げ方にまで気が回っていないようだった。それでもなかなか角度、キレがあり、今風の面白い左腕になりそうな予感がある。2イニングス目に、落ち着きを取り戻したのも良かった。開幕1軍ベンチは正直遠いが、星野二軍投手コーチと一緒に、まだまだ成長していけると思った。
この試合で、もっとも印象に残ったのは、高卒2年目の玉置投手だ。入団時には、俊足強肩、打撃センスの良さから、打者としての適性も有望視された逸材。180cm70kgとひょろひょろだった体型も181cm74kgとたくましくなってきた。ちなみに田村は市和歌山商で2つ上の先輩。
度胸が良い。ふてぶてしい程、ひょうひょうと直球を投げ込んでくる。MAX140km/h前後と、ずば抜けて速いというわけでもなく、制球も粗っぽいが、委細構わずどーんと放り込む。関本から空振り三振を奪うなど目を惹いた。
昨年は二軍戦で10試合、17 1/3回を投げ1勝1敗、防御率7.27、与四球5、奪三振13。今季は持ち前の身体能力と、図太さを発揮して、急成長のシーズンにして欲しい。
(2/22紅白戦に出場した選手 学年別一覧)
69 片岡、町田
71 野口、シーツ、スペンサー
73 中村豊
74 今岡、筒井壮
76 秀太、赤星
77 安藤、吉野、藤本、上坂、前田忠
78 中村泰、関本、濱中、林
79 太陽、井川、浅井、藤原、喜田、萱島、庄田
80 久保田
81 鳥谷
82 狩野、石橋
83 中林、岡崎、桜井
85 小宮山
86 玉置、大橋、高橋
87 前田大
井川が良いのは間違いない。体調悪化や首脳陣への不満から気持ちが切れて、ぶくぶくと太ってしまった「江夏の悪夢」を一時は本気で心配していたが、すっかり帰ってきた。どんな心境の変化があったのかは知らないが、身も心も球筋もスッキリして、高卒何年目かでスゲー直球を投げていた時のキレと、サングラス越しにも想像できる楽しそうな顔、躍動感のあるフォームが帰ってきた。
何か吹っ切れたような印象を持ったのは、井川だけじゃない。不振に悩み続けてきた、吉野と中村泰にも、心境の変化を感じた。
「こんなはずでは…」「あの時はできたのに…」。吉野はその輝き方が尋常でなかっただけに、それを取り戻せないことへの焦り、いらだちは並みのものではなかっただろう。だがこの日の吉野のフォーム、表情を見て、ようやく過去の自分と戦うのを止めて、「なーんも考えずに」ベストの球を投げようとしているんだなと思った。あの時のように、空振り三振の山を作れなくても、ぴゅっと切れる球で差し込めば、フライが上がる、それで良いと。
そう!それでいいじゃないか、見てくれ、このフィニッシュを!これが中村泰の良いところ。自信満々で投げている時、ヤスの球は誰にも打てない。もちろん、ヤスの「小心者レベル」を考えれば、これで大丈夫だなんてとても言えない。でも「ジェフの代わりは上に20人ぐらいいますからね。ボクは抜いていかないといけない立場」なんていう発言を聞くと、ちょっと良い方向に来ているように思うのだ。気持ちが守りに入った瞬間、砂の城が崩れるのをただ眺めているように呆然と立ち尽くしてしまうが、一心不乱に攻めている時のヤスは無敵なのだから(笑)。ガンバレ、ヤス!
「一軍選手」として初めて登板した中林はどんな気持ちだっただろう。落ち着く間もなく四死球を連発し、失点してしまった。早くアウトにしたい、早くチェンジにしたい…無我夢中で、本来の自分の投げ方にまで気が回っていないようだった。それでもなかなか角度、キレがあり、今風の面白い左腕になりそうな予感がある。2イニングス目に、落ち着きを取り戻したのも良かった。開幕1軍ベンチは正直遠いが、星野二軍投手コーチと一緒に、まだまだ成長していけると思った。
この試合で、もっとも印象に残ったのは、高卒2年目の玉置投手だ。入団時には、俊足強肩、打撃センスの良さから、打者としての適性も有望視された逸材。180cm70kgとひょろひょろだった体型も181cm74kgとたくましくなってきた。ちなみに田村は市和歌山商で2つ上の先輩。
度胸が良い。ふてぶてしい程、ひょうひょうと直球を投げ込んでくる。MAX140km/h前後と、ずば抜けて速いというわけでもなく、制球も粗っぽいが、委細構わずどーんと放り込む。関本から空振り三振を奪うなど目を惹いた。
昨年は二軍戦で10試合、17 1/3回を投げ1勝1敗、防御率7.27、与四球5、奪三振13。今季は持ち前の身体能力と、図太さを発揮して、急成長のシーズンにして欲しい。
(2/22紅白戦に出場した選手 学年別一覧)
69 片岡、町田
71 野口、シーツ、スペンサー
73 中村豊
74 今岡、筒井壮
76 秀太、赤星
77 安藤、吉野、藤本、上坂、前田忠
78 中村泰、関本、濱中、林
79 太陽、井川、浅井、藤原、喜田、萱島、庄田
80 久保田
81 鳥谷
82 狩野、石橋
83 中林、岡崎、桜井
85 小宮山
86 玉置、大橋、高橋
87 前田大