2006.06.26 Monday
へ?あそこで三塁守るのかな?対決楽しみにしてるよ!
慎重に慎重に。立ち上がりから井川と矢野のバッテリーは、粘り強く目先を変えながら球を散らしていた。プレートの三塁側を踏むようになったのは、クロスファイアに角度をつけようとして横振りになりすぎることを戒めるためだろうか。その効果もあってか、ほんの少し上から叩くような印象になった直球は伸びがあった。下位打者にはスローカーブも試して、井川の能力を生かし切るようにイニングを稼ぐ。
本当は3回表、先制点をやってはいけないのだろうが、ここはスワローズ打線の勢いと繋ぐ意識を褒めるべき。先頭米野のヒットは見事な右への狙い撃ち、大原は犠牲的精神をもって右方向にボテボテゴロを転がした。青木への勝負球、膝元に直球を投げたかったところが外に流れ、左前タイムリーされたが、それでも低めには行っていた。
丁寧に、粘り強くという井川の献身的な気持ちは確実に野手に伝わっていた。鋭く打ち返された球に関本が、藤本が、よく反応していた。ライナーをキャッチし、併殺を完成させるうち、チームの繋がりが出来ていった。
あとは打つだけ。打たなきゃ勝てない。5回ウラ開始前、円陣の中心には岡田監督がいたという。「連覇するチームは同一カード3連敗はしない」開幕S三連戦、先に二つを落とした時、正田コーチの言葉。交流戦明けという似たような状況で、もう一度その言葉のプレッシャーに立ち向かう。この試合に負ければ、連覇などない。
ここで岡田監督が出した指示は明らかになっていないが、技術的なことだったのだろう。この回こそ得点にならなかったが、以後ボールのコースに逆らわない謙虚な打撃が続くようになる。
6回表、一死からイヤな青木を塁に出す。リグスの遊ゴロ、6−4−3目一杯のプレー、惜しくもゲッツーは取れなかったが、内野にグラブをかざして声を掛ける井川。献身が献身を呼び、強くなる繋がり。
6回ウラ一死、シーツの二塁打が合図。場内に「チャンスわっしょい」のイントロ、わっしょいが始まる前、初球の内角を金本が気合で打ち返す、つまったライナーがセンター前に落ち、シーツが帰る。同点。再び鳴り響くファンファーレ、わっしょいわっしょいが球場から響き渡る。エースとナインが見せた献身が、スタンドにも繋がる。シェーンの当たりは鋭くセカンドラロッカを強襲(記録は「あり得ない」エラー)、金本は一気に三塁を陥れる。一段とボリュームの上がるわっしょいわっしょい。矢野センター前、逆転2−1。わっしょいわっしょいわっしょいわっしょい。力む石川、熱くなり、耳鳴りのような大音声に飲まれる。わっしょいわっしょいわっしょいわっしょい。関本レフト前、スペンサー三塁を回ってホームイン、3−1。ここで投手交代。打席に立つ者、塁に出た者、スタンドで声を出す者、献身的に最善を尽くした結果、逆転できた。
7回表、点をもらった後の井川。これまで井川が信頼を失ってきた局面。先頭ラミレス…大事に丁寧に…意識が過剰になる…変化球が入らない…カウント0−3、固唾を呑んで見守るスタンド、井川ここをがんばれ。思いっきり腕を振る直球145km/hストライク。良し、直球勝負だ。146km/hでファール、力が出てきた2−3。6球目、147km/hファール、乗ってきたぞ、7球目148km/h高めに伸びた、ラミレス完全に振り遅れ三振!井川投げた後、くるっと打者に背中を見せて左手を握った。エースが信頼回復の一歩を踏みしめた瞬間だった。
8回ジェフがピンチを切り抜ける。一二塁間のゴロを難なくさばき、併殺にするシーツの好守備に感謝。そして9回は藤川がマウンドへ。
リリーフカーから降りる球児に、守備固めに入った中村豊が声を掛けたのか、球児が視線を送る。表情が固い。矢野も相当意識しているのか、フォークを交えながらのリード。先頭の青木はさすが、簡単にアウトが取れない。最後151km/hの直球にバットを合わせ三塁線に鋭い当たり、しかしここはライン際を詰めていた関本が打球の正面に入って手堅く裁いた。一死になり、藤川の顔に表情が出て、いっぺんにいつもの藤川に戻った。
勝つために必要なのは小さいことの積み重ね。それをやるのは自分。ナイスゲーム!
慎重に慎重に。立ち上がりから井川と矢野のバッテリーは、粘り強く目先を変えながら球を散らしていた。プレートの三塁側を踏むようになったのは、クロスファイアに角度をつけようとして横振りになりすぎることを戒めるためだろうか。その効果もあってか、ほんの少し上から叩くような印象になった直球は伸びがあった。下位打者にはスローカーブも試して、井川の能力を生かし切るようにイニングを稼ぐ。
本当は3回表、先制点をやってはいけないのだろうが、ここはスワローズ打線の勢いと繋ぐ意識を褒めるべき。先頭米野のヒットは見事な右への狙い撃ち、大原は犠牲的精神をもって右方向にボテボテゴロを転がした。青木への勝負球、膝元に直球を投げたかったところが外に流れ、左前タイムリーされたが、それでも低めには行っていた。
丁寧に、粘り強くという井川の献身的な気持ちは確実に野手に伝わっていた。鋭く打ち返された球に関本が、藤本が、よく反応していた。ライナーをキャッチし、併殺を完成させるうち、チームの繋がりが出来ていった。
あとは打つだけ。打たなきゃ勝てない。5回ウラ開始前、円陣の中心には岡田監督がいたという。「連覇するチームは同一カード3連敗はしない」開幕S三連戦、先に二つを落とした時、正田コーチの言葉。交流戦明けという似たような状況で、もう一度その言葉のプレッシャーに立ち向かう。この試合に負ければ、連覇などない。
ここで岡田監督が出した指示は明らかになっていないが、技術的なことだったのだろう。この回こそ得点にならなかったが、以後ボールのコースに逆らわない謙虚な打撃が続くようになる。
6回表、一死からイヤな青木を塁に出す。リグスの遊ゴロ、6−4−3目一杯のプレー、惜しくもゲッツーは取れなかったが、内野にグラブをかざして声を掛ける井川。献身が献身を呼び、強くなる繋がり。
6回ウラ一死、シーツの二塁打が合図。場内に「チャンスわっしょい」のイントロ、わっしょいが始まる前、初球の内角を金本が気合で打ち返す、つまったライナーがセンター前に落ち、シーツが帰る。同点。再び鳴り響くファンファーレ、わっしょいわっしょいが球場から響き渡る。エースとナインが見せた献身が、スタンドにも繋がる。シェーンの当たりは鋭くセカンドラロッカを強襲(記録は「あり得ない」エラー)、金本は一気に三塁を陥れる。一段とボリュームの上がるわっしょいわっしょい。矢野センター前、逆転2−1。わっしょいわっしょいわっしょいわっしょい。力む石川、熱くなり、耳鳴りのような大音声に飲まれる。わっしょいわっしょいわっしょいわっしょい。関本レフト前、スペンサー三塁を回ってホームイン、3−1。ここで投手交代。打席に立つ者、塁に出た者、スタンドで声を出す者、献身的に最善を尽くした結果、逆転できた。
7回表、点をもらった後の井川。これまで井川が信頼を失ってきた局面。先頭ラミレス…大事に丁寧に…意識が過剰になる…変化球が入らない…カウント0−3、固唾を呑んで見守るスタンド、井川ここをがんばれ。思いっきり腕を振る直球145km/hストライク。良し、直球勝負だ。146km/hでファール、力が出てきた2−3。6球目、147km/hファール、乗ってきたぞ、7球目148km/h高めに伸びた、ラミレス完全に振り遅れ三振!井川投げた後、くるっと打者に背中を見せて左手を握った。エースが信頼回復の一歩を踏みしめた瞬間だった。
8回ジェフがピンチを切り抜ける。一二塁間のゴロを難なくさばき、併殺にするシーツの好守備に感謝。そして9回は藤川がマウンドへ。
リリーフカーから降りる球児に、守備固めに入った中村豊が声を掛けたのか、球児が視線を送る。表情が固い。矢野も相当意識しているのか、フォークを交えながらのリード。先頭の青木はさすが、簡単にアウトが取れない。最後151km/hの直球にバットを合わせ三塁線に鋭い当たり、しかしここはライン際を詰めていた関本が打球の正面に入って手堅く裁いた。一死になり、藤川の顔に表情が出て、いっぺんにいつもの藤川に戻った。
勝つために必要なのは小さいことの積み重ね。それをやるのは自分。ナイスゲーム!