自称阪神タイガース評論家（跡地）

こういう試合でも見ておくべきことは多々あるのだが、録画失敗トホホ。赤星２本、狩野１本の３安打だけだったらしいが、若い各打者がどんな考え方で打席に入っていたのか見てみたかった。また、失点を重ねている時の筒井の顔、ピンチを拡大していく時の上園の顔、そんなものを見てみたかったなぁ。

取り損ねた録画には、安芸に残留して練習をしている模様が入っていた。オマリーが打撃投手を務め、今岡が打つ。なにかしきりと言葉を交わしながら、楽しそうにやっている。毎年のことではある。打撃練習を終えた金本が、中村豊に外野ノックを打っている。ノックバットを振る時は右打ちらしい。ところが思った所にまったく打てずにコケまくっている。今岡にしても金本にしても、遠征に帯同しないベテラン陣の練習を見に来た熱心なファンに応えるように、和やかな空気を作っていた。
それを見ながら、２年前、０５年春のキャンプで、この二人がまったく別の形でキャンプ観覧者を楽しませていたことを思い出した。

０４年、前年の優勝から一転、岡田新監督の下４位転落。捲土重来を期した０５年。２月１２日、宜野座キャンプのランチ特打には、金本と今岡が一心不乱に打ちまくる姿があった。両名が集中力の塊となって、負けじとスタンドに放り込む。終了時には、思わずスタンドから大きな拍手が沸き起こった（当時の記事）。私は、あの日のあの特打で二人に生まれた精神的な絆が、優勝に繋がっていったと信じている。

思えば、今年０７タイガースは、もはやあの時と同じタイガースではいられないだろうなぁ…と思う。「金本だけは何があっても決して変わらない」そう信じたいのは私も同じだが、本当にそうなのかどうかはわからない。昨オフ、常に誰が考えても低く低くしか得られなかった報酬が、一般に妥当と思われるレベルにまで上がった。ここに一つの達成感を覚えたとして、それは人間の性というものだと私は思う。いつしか金本を「神格化」していたのだが、それは酷な話でもある。逆に言えば、「神」になることを求められる金本にとっては、今シーズンこそが越えなければならない最も高い壁なのかも知れない。

新しい核融合が必要なのかも知れない。本当ならば、福原と安藤がそれにならなければいけないのであろうし、もっと若い世代から変革のエネルギーが出てこなければいけないのであろう。オープン戦で手も足も出ないなんてことをやっている場合じゃないのは確かだ。