2007.09.07 Friday
今晩の東京ドームは選手の移動さえクリアできれば予定通り開催できそうだね。
はじめにDが勝ったのなら、次はGが勝って、3試合目はヘトヘトの延長12回引き分けが良いなんていう軽口を叩いていたら本当になりかけた。Gがナゴドで勝ち越し、しかも19歳の坂本がサヨナラタイムリーだなんてね、意外なことが起きるねぇ、野球は。ちょうど狩野ブレークの時と同じように、残っていたので仕方なく出した代打が決めて、疲れも吹っ飛んだかも知れない。
これで首位Gと1.5差2位は変わらず。ウチから1.5差となったDは、このナゴドS3連戦が踏ん張りどころ。三つ巴だから、2年前の9/7以後と同じ事にはならないとは思うけど、逆に「プレーオフがあるから」なんて気持ちに逃げが出ると危ないからね。ヨソんちの心配するこたぁないけど。
よそ様のことなどと言えない話。前日死球を当ててしまった石井琢は右手首(豆状骨)骨折で今季絶望とのこと。つきものとはいえ、シーズン終盤のここまで来て、ウチの若いのが迷惑をかけてしまって申し訳ない。
ベイも3タテ。甲子園居続け下位3球団との9連戦は、7勝1敗1分け。貯金6つ増やした結果は上々どころか出来過ぎと言える。ナゴドで負け越し、傷心して甲子園にやっと帰ってきたが、カープに△●。まるで悪夢の連敗中を思わせるような萎縮した選手たちの姿だったが、じわりじわりと自分たちの形を取り戻して7連勝。相手が勝手にこけてくれる試合運びは、偶然や幸運だけで説明できるものではない。試合前から、甲子園球場という舞台と、JFKという役者が相手チームを飲み込んでしまっている。一方でこっちの選手たちも、普通にやれば勝てると信じている。この差がプレーの精度として現れるのだと思う。
しかしこの日はベイ先発三浦が、エースの威信で自軍を奮い立たせた。疲労や消耗を微塵も感じさせず、クールに隠そうとしてもチラチラと闘志の炎が見える。威圧されっぱなしだったベイスターズナインが勇気を感じるような投球。直球の力、スピード、フォークの落ち方、コントロール、三浦の心意気が乗り移っていた。
一方のタイガース先発杉山も立ち上がりこそピンチの連続だったが、制球が安定するにしたがって投球のテンポも上がる。調子の良い三浦に対して打線が毎回安打できたのも、杉山の小気味良さのおかげ。ただしずっと無得点で報われないんだけど(笑)。右打者アウトローへきっちり指のかかったストレートと、握りを変えてインコースへ切れ込ませるシュートを両軸にするリードがピタっとはまる。根がボーっとした子やから、こういうメリハリをピリっと利かせる矢野のドSリードがええんよ(笑)。相手投手の出来、攻撃、打順のからみで6回で降ろすことになったが、見事な6回68球無失点だったと思う。いややっぱりもっと投げさせて欲しかったなぁ。なんとか点が取れてたらねぇ。ほんとナイスP杉山。
8回表0−0、マウンドには2イニング目の久保田。大矢監督もここは勝負だったんだろうね。先頭の三浦に代打下園。後の投手を考えれば、長引かせてもベイに良いことは考えにくい。唯一ほころびがありそうなのは、この久保田の2イニング目、上位打線の攻撃と考えたんだろう。二死から石井琢の穴を埋める若い藤田の二塁打でチャンスを作ったが、久保田が後続を退け、0−0のまま三浦を下げることになった時点で勝敗は決まった。もちろん本当は決まっていないのだが、ベイもTもベテランの多いチームだから、先を読んでしまうところがある。もう真ん中を割るような向きだった気流が、一気にタイガースに向けて流れ始めた。
9回ウラ、藤本がヒット。途中出場で、かつ自然にまわって来た二打席目以後に妙な集中力を発揮する生き物。鳥谷のこの日二度目の失敗バントが捕手前に。拾い上げた捕手相川がこの日二度目の二塁への失敗送球。記録は犠打&野選で無死一二塁。打席に赤星。実況席ではいろいろ言っているが「打て」だと思っていたよ。今の赤星なら打てる。ベイ2番手マットホワイトは赤星が一番打てるタイプの投手だと思う。抑え込むような強い球はない。制球と緩急で崩してくる投手だが、そういう投手に今一番強いのが赤星だ。
前日の5回ウラ、点を取った後のセカンドチャンス二死一二塁。素晴らしい打席だった。結果四球だったのだが、四球が素晴らしかったというわけでなく、その1球1球の待ち方、読み、対応、スイング、どれをとっても素晴らしかった。投手の球が少しでも甘ければ長打にしていただろうし、少しでも外れていれば悠々と見送ったであろう、そういう1球を重ねた。もちろん赤星なら併殺はないし、転がせば一死一三塁は作れるというわかりやすい理由もあるけれど、あの前日の打席を見ていたからこそ、岡田監督も迷わず赤星に試合を任せたのだと思う。
打席内の赤星からは自信がみなぎっていた。マットホワイトのボールがベースに到達する前に臆病に逃げる。ボール、ボール、ボール。投手は明らかに危機を察知している。さあ行け!今、君は4番打者の仕事を任されているんだ。次打て!直球見送りストライク。おら、どうした、行っていいんだぞ。次思いっきり振れ!ボール、四球、無死満塁。なんと、赤星が投手を完全にビビらせてしまった。あの去年は外野手に少年野球のように前に守られて、左に寄られて、こんな場面では強い球を放られてはフラフラとレフト線上浅いファールフライに倒れていた赤星が、どこに投げてもカツンと弾き返されそうだと思わせている。これはねぇ、調子良いとか悪いとか、バットを軽くしたとかなんだとか、そういう小さい話じゃないんだと思うよ。屈辱を晴らすために、自分の能力を分析して、考えて考えて、練習して練習して、振り込んで振り込んで、寝ずに考えては振り込んで、頸椎の軟骨がはみ出るほど振り込んで、休ませながらも使ってくれるベンチに感謝しながら振り込んで、そうして今やっと身に付いた技術なんだから。
赤星の言葉、「行けの状況でも、フライなら終わり。最低でもゴロ。1球ごとに、どうしようか、どうしようかと考えていた。任されたからこそ、何とか仕事をしたかったし。すごく勉強になりました」(サンスポ)。サヨナラヒットのシーツはじめ、またこの日もヒーローがたくさんいる試合だったが、真面目さで信頼される選手会長が抜群に光っていた。
はじめにDが勝ったのなら、次はGが勝って、3試合目はヘトヘトの延長12回引き分けが良いなんていう軽口を叩いていたら本当になりかけた。Gがナゴドで勝ち越し、しかも19歳の坂本がサヨナラタイムリーだなんてね、意外なことが起きるねぇ、野球は。ちょうど狩野ブレークの時と同じように、残っていたので仕方なく出した代打が決めて、疲れも吹っ飛んだかも知れない。
これで首位Gと1.5差2位は変わらず。ウチから1.5差となったDは、このナゴドS3連戦が踏ん張りどころ。三つ巴だから、2年前の9/7以後と同じ事にはならないとは思うけど、逆に「プレーオフがあるから」なんて気持ちに逃げが出ると危ないからね。ヨソんちの心配するこたぁないけど。
よそ様のことなどと言えない話。前日死球を当ててしまった石井琢は右手首(豆状骨)骨折で今季絶望とのこと。つきものとはいえ、シーズン終盤のここまで来て、ウチの若いのが迷惑をかけてしまって申し訳ない。
ベイも3タテ。甲子園居続け下位3球団との9連戦は、7勝1敗1分け。貯金6つ増やした結果は上々どころか出来過ぎと言える。ナゴドで負け越し、傷心して甲子園にやっと帰ってきたが、カープに△●。まるで悪夢の連敗中を思わせるような萎縮した選手たちの姿だったが、じわりじわりと自分たちの形を取り戻して7連勝。相手が勝手にこけてくれる試合運びは、偶然や幸運だけで説明できるものではない。試合前から、甲子園球場という舞台と、JFKという役者が相手チームを飲み込んでしまっている。一方でこっちの選手たちも、普通にやれば勝てると信じている。この差がプレーの精度として現れるのだと思う。
しかしこの日はベイ先発三浦が、エースの威信で自軍を奮い立たせた。疲労や消耗を微塵も感じさせず、クールに隠そうとしてもチラチラと闘志の炎が見える。威圧されっぱなしだったベイスターズナインが勇気を感じるような投球。直球の力、スピード、フォークの落ち方、コントロール、三浦の心意気が乗り移っていた。
一方のタイガース先発杉山も立ち上がりこそピンチの連続だったが、制球が安定するにしたがって投球のテンポも上がる。調子の良い三浦に対して打線が毎回安打できたのも、杉山の小気味良さのおかげ。ただしずっと無得点で報われないんだけど(笑)。右打者アウトローへきっちり指のかかったストレートと、握りを変えてインコースへ切れ込ませるシュートを両軸にするリードがピタっとはまる。根がボーっとした子やから、こういうメリハリをピリっと利かせる矢野のドSリードがええんよ(笑)。相手投手の出来、攻撃、打順のからみで6回で降ろすことになったが、見事な6回68球無失点だったと思う。いややっぱりもっと投げさせて欲しかったなぁ。なんとか点が取れてたらねぇ。ほんとナイスP杉山。
8回表0−0、マウンドには2イニング目の久保田。大矢監督もここは勝負だったんだろうね。先頭の三浦に代打下園。後の投手を考えれば、長引かせてもベイに良いことは考えにくい。唯一ほころびがありそうなのは、この久保田の2イニング目、上位打線の攻撃と考えたんだろう。二死から石井琢の穴を埋める若い藤田の二塁打でチャンスを作ったが、久保田が後続を退け、0−0のまま三浦を下げることになった時点で勝敗は決まった。もちろん本当は決まっていないのだが、ベイもTもベテランの多いチームだから、先を読んでしまうところがある。もう真ん中を割るような向きだった気流が、一気にタイガースに向けて流れ始めた。
9回ウラ、藤本がヒット。途中出場で、かつ自然にまわって来た二打席目以後に妙な集中力を発揮する生き物。鳥谷のこの日二度目の失敗バントが捕手前に。拾い上げた捕手相川がこの日二度目の二塁への失敗送球。記録は犠打&野選で無死一二塁。打席に赤星。実況席ではいろいろ言っているが「打て」だと思っていたよ。今の赤星なら打てる。ベイ2番手マットホワイトは赤星が一番打てるタイプの投手だと思う。抑え込むような強い球はない。制球と緩急で崩してくる投手だが、そういう投手に今一番強いのが赤星だ。
前日の5回ウラ、点を取った後のセカンドチャンス二死一二塁。素晴らしい打席だった。結果四球だったのだが、四球が素晴らしかったというわけでなく、その1球1球の待ち方、読み、対応、スイング、どれをとっても素晴らしかった。投手の球が少しでも甘ければ長打にしていただろうし、少しでも外れていれば悠々と見送ったであろう、そういう1球を重ねた。もちろん赤星なら併殺はないし、転がせば一死一三塁は作れるというわかりやすい理由もあるけれど、あの前日の打席を見ていたからこそ、岡田監督も迷わず赤星に試合を任せたのだと思う。
打席内の赤星からは自信がみなぎっていた。マットホワイトのボールがベースに到達する前に臆病に逃げる。ボール、ボール、ボール。投手は明らかに危機を察知している。さあ行け!今、君は4番打者の仕事を任されているんだ。次打て!直球見送りストライク。おら、どうした、行っていいんだぞ。次思いっきり振れ!ボール、四球、無死満塁。なんと、赤星が投手を完全にビビらせてしまった。あの去年は外野手に少年野球のように前に守られて、左に寄られて、こんな場面では強い球を放られてはフラフラとレフト線上浅いファールフライに倒れていた赤星が、どこに投げてもカツンと弾き返されそうだと思わせている。これはねぇ、調子良いとか悪いとか、バットを軽くしたとかなんだとか、そういう小さい話じゃないんだと思うよ。屈辱を晴らすために、自分の能力を分析して、考えて考えて、練習して練習して、振り込んで振り込んで、寝ずに考えては振り込んで、頸椎の軟骨がはみ出るほど振り込んで、休ませながらも使ってくれるベンチに感謝しながら振り込んで、そうして今やっと身に付いた技術なんだから。
赤星の言葉、「行けの状況でも、フライなら終わり。最低でもゴロ。1球ごとに、どうしようか、どうしようかと考えていた。任されたからこそ、何とか仕事をしたかったし。すごく勉強になりました」(サンスポ)。サヨナラヒットのシーツはじめ、またこの日もヒーローがたくさんいる試合だったが、真面目さで信頼される選手会長が抜群に光っていた。