自称阪神タイガース評論家（跡地）

ホームだから当たり前だけど、Ｓファンも多かったし熱かった。もちろん空席を埋め尽くしたタイガースファンもスゴかった。

このスワローズの強さは、思いの強さ。今の自分があること、今の自分があるのは古田さんがいたから、古田さんに恩返ししたい…そういう空気が、選手たちから、黄色に浸食された右半分のスタンドから溢れ出る。恐ろしいまでの気持ちの繋がりと集中力。がっちりと手を組み合って、一緒に過ごせる最後の時を愛しむかのような連帯感がある。
ここでこういう難しい相手とやらなきゃいけないのも何かの因果だ。こっちだって負けるわけにはいかないんだよ。


絶好の２点先制。最高の逆転２点リード。まさに勝てる試合だったと思うが、「勝てる試合を全力で確実に勝つ」という方針を全うできなかった。
リードを守るのがタイガースの野球。必要構成要因は、投手が抑えること、バックが守ること、投手交代を的確に行うことの３つ。その３つすべてが上手くできずに負ける。道理ではある。
どんな競技でも「守り勝つ」というのは難しい。「気持ちが守りに入る」という言葉は、通常負ける人に向けられる言葉だ。守りに入って、なおかつ勝つことの難しさ。しかしそれがタイガースのスタイル。勝負所に来て、そのスタイルができないということは、投手が抑える、バックが守る、投手交代を的確に行うという三要素すべてがスタイルを確立できていないということ。

しかし1.5差という水が空いた状態になってしまったら「道理」の試合をやっているわけにはいかない。タイガースの野球であろうとなかろうと、もう関係ないんだ。

今、破竹の強さに見えているドラゴンズもジャイアンツも、下位チームに取りこぼし、もうここで負けたら終わりだという絶望の淵から生還してきたんだよ。この試合落としたらもうダメだという試合を、終盤までリードされて、それをひっくり返して今があるんだ。彼らよりもっともっとせっぱ詰まった時期ではあるが、まったく同じ状況がウチにも回ってきた。彼らに出来て、ウチに出来ないという理屈はない。

残りは１０試合。たったの1.5差で１０試合もある。ぴったりと併走する先頭争いから1.5メートル遅れてマラソンは競技場に入って、ここからトラック２周だ。足色は一人だけ悪いように見えるが、残っている根性までは見えない。
３試合日前、1.5差の水を空けて単独首位にいたのはタイガースだった。たった３試合日で立場は変わる。順位だけなら２試合日で良い。それだけのことだ。

かなり追いつめられたというのは曲げられない事実。もう２アウトだ。足掛かりが見えない現状は、「二死走者なし」と言っても良いかも知れない。
だけど野球は２アウトから。２アウトの相手を抑えるのが難しいし、２アウトだからこそ得られる気合い、集中、作戦というものもある。
この日入った点は両軍合わせて１５点。その内、実に１４点が二死からの得点だ。さらにその内７点が二死走者なしからの得点だ。
諦めるのも、諦めたフリをするのも勝手だが、その必然性を私はまったく感じない。あるある、まだ全然あるよ。
さて、今日は家族を連れて神宮だ。面白いものを見せてもらえると信じている！
Ｇｏ！タイガース！