2007.11.18 Sunday
さてトップから末端までピラミッド型の野球組織を作っていく上で、邪魔なのが「アマチュアリズムの幻想」だ。
アマチュアリズムとは、オリンピック運動の理念として掲げられた、「スポーツによって金銭的報酬を得るべきではない」という考え方らしいが、現実との乖離が激しいため1974年からはオリンピック憲章からアマチュア規定が削除されている。至高を極めようという過程の中で、スポーツは当然人々を感動させる力を持ち、それを放っておく程、人間の社会活動は暢気ではないということだ。
ただし、社会人と学生を分けるという考え方は世界的にも一般的である。学業とは社会に出る前に必要な人格と知恵と知識を身につけることであり、それが完了する前に過度な商業主義が入り込むと、様々なゆがみを生む。これはすでに多くの悲劇的な実例をともなってしまっている。
日本の野球界におけるプロとアマの対立は、もともとプロリーグ発足時からのもの。ノンプロと呼ばれた、プロリーグに参加しなかった(あるいは、できなかった)企業が、アマチュアリズムを尊重したわけでないのは、企業チームという形態をとり続けていることからも明白だ。ノンプロとはプロリーグに属していないというだけのことであり、東京六大学野球こそが野球のすべてであった当時、その差はほとんどなかった。その後、選手の引き抜きや紳士協定違反などによって、そのミゾが深まり、対立するようになっただけ。見方によっては、どっちもプロだし、どっちもアマだ。野球で生業を立てているという点ではどっちも同じようにプロであるし、企業宣伝を目的とした「野球部」に過ぎないという点ではどっちも同じようにアマだ。対立の軸にあるのは、「金銭的利害の対立」しかない。
企業スポーツがその存在意義を弱め、企業の野球部もまた続々廃止している。少数ながら、それを補うクラブチームが立ち上がり、またそれと連動するようにして、地位自治体とも協力関係のある独立リーグが続々立ち上がるような気配がある。全国に12球団しかないプロ野球チームを拡大していくための細胞が生まれていく可能性がある。しかし肝心のNPBがその可能性を尊重しなければ、大きな動きにはなっていかないだろう。
その頃NPBは、従来のビジネスモデルからの転換を図らねばならない危機を迎えながら、迅速な手を打てないでいる。12社の利益保全だけを目指そうとするが故に、より有効な手立てがあるのに思いが及ばないとように見える。
大きな時代の転換期であることは間違いない。希望を持つ者、希望を失いかけている者、過去の経緯に縛られる者、過去の経緯を精算したい者。今まで放置するしかなかった、このこんがらがった結び目を、ほどいて欲しい、ほどくべき時は今だ、そういう気運が漂ってこないとウソだと思う。
「プロとアマの対立」なんていう、もとからウソっぱちな「対立」なんかもう止めてくれ。12球団だけの力、さらに言えば、その中の数球団の力では、もうもたないことを素直に認めて、日本の野球力を振り絞って、再構築へのスタートを切ってくれ。
野球に命を注いで来た人たちよ。やるなら今だろ?今しかないだろ?作ってくれよ、「本当の日本野球協会」を!
アマチュアリズムとは、オリンピック運動の理念として掲げられた、「スポーツによって金銭的報酬を得るべきではない」という考え方らしいが、現実との乖離が激しいため1974年からはオリンピック憲章からアマチュア規定が削除されている。至高を極めようという過程の中で、スポーツは当然人々を感動させる力を持ち、それを放っておく程、人間の社会活動は暢気ではないということだ。
ただし、社会人と学生を分けるという考え方は世界的にも一般的である。学業とは社会に出る前に必要な人格と知恵と知識を身につけることであり、それが完了する前に過度な商業主義が入り込むと、様々なゆがみを生む。これはすでに多くの悲劇的な実例をともなってしまっている。
日本の野球界におけるプロとアマの対立は、もともとプロリーグ発足時からのもの。ノンプロと呼ばれた、プロリーグに参加しなかった(あるいは、できなかった)企業が、アマチュアリズムを尊重したわけでないのは、企業チームという形態をとり続けていることからも明白だ。ノンプロとはプロリーグに属していないというだけのことであり、東京六大学野球こそが野球のすべてであった当時、その差はほとんどなかった。その後、選手の引き抜きや紳士協定違反などによって、そのミゾが深まり、対立するようになっただけ。見方によっては、どっちもプロだし、どっちもアマだ。野球で生業を立てているという点ではどっちも同じようにプロであるし、企業宣伝を目的とした「野球部」に過ぎないという点ではどっちも同じようにアマだ。対立の軸にあるのは、「金銭的利害の対立」しかない。
企業スポーツがその存在意義を弱め、企業の野球部もまた続々廃止している。少数ながら、それを補うクラブチームが立ち上がり、またそれと連動するようにして、地位自治体とも協力関係のある独立リーグが続々立ち上がるような気配がある。全国に12球団しかないプロ野球チームを拡大していくための細胞が生まれていく可能性がある。しかし肝心のNPBがその可能性を尊重しなければ、大きな動きにはなっていかないだろう。
その頃NPBは、従来のビジネスモデルからの転換を図らねばならない危機を迎えながら、迅速な手を打てないでいる。12社の利益保全だけを目指そうとするが故に、より有効な手立てがあるのに思いが及ばないとように見える。
大きな時代の転換期であることは間違いない。希望を持つ者、希望を失いかけている者、過去の経緯に縛られる者、過去の経緯を精算したい者。今まで放置するしかなかった、このこんがらがった結び目を、ほどいて欲しい、ほどくべき時は今だ、そういう気運が漂ってこないとウソだと思う。
「プロとアマの対立」なんていう、もとからウソっぱちな「対立」なんかもう止めてくれ。12球団だけの力、さらに言えば、その中の数球団の力では、もうもたないことを素直に認めて、日本の野球力を振り絞って、再構築へのスタートを切ってくれ。
野球に命を注いで来た人たちよ。やるなら今だろ?今しかないだろ?作ってくれよ、「本当の日本野球協会」を!