2007.12.21 Friday
「石川」と言えばSのちっちゃい石川雅規。「俊介」と言えばMのサブマリン渡辺俊介。でもうちの石川俊介は184cm、82kgの堂々とした体で、上から放り込む速球とフォークが武器の右本格派だ。
この秋、リーグでは防御率0.27で最優秀防御率、チームの5連覇に貢献。明治神宮野球大会準決勝では、強豪東洋大の大場と投げ合い、8回まで0−0。最後は自身のエラーもあって0−2で敗れた。しかしチームや打線の「格」を考えれば、14奪三振で勝利したドラフトの超目玉大場にまったくひけをとらない12奪三振の快投だった。
栃木県に育ち、大学は群馬の上武大。北関東の人だ。甲子園出場経験もなく、阪神タイガースとの接点はない。だがムチャクチャにこじつければあったりする。
ドラフト前日、仏壇に手を合わせたという。石川投手は一昨年母親を44歳という若さで亡くしている。
「『(結果を)待つだけだから。いいところ(球団)に入れてね』って。阪神に決まり喜んでくれてると思います」
タイガース入りを母親が導いたのなら、それを手助けしたのも冥界コネクションかも知れない。石川投手が生まれたのは、1985年8月12日、北関東は群馬県の御巣鷹山にJALのジャンボ機が墜落したその日である。阪神タイガース中埜肇球団社長も乗客として犠牲になった。この年の21年ぶりのリーグ優勝、日本一への大きな節目となった日。
大社ドラフトでタイガースから3巡目指名を受けた後、記者から差し出された色紙に「恩返し」と書いた。
「とっさに渡されて、パッと浮かんだ言葉でした」
高校卒業時のドラフトでは、その可能性を告げられていたものの指名なし。進路が白紙の状態だったが、上武大の谷口監督の熱心な誘いに応じた。自分がプロで活躍することで、熱心に指導してくれた谷口監督や、支えてくれたチームメートに恩返ししたい、知名度が高いとは言えない上武大を有名にしたいと言う。
プロを目指した理由は単純にして明快。
「実家がとにかく貧乏だったので、親に楽をさせてあげたくて。自分には野球しかないので、自然とプロを目指しました」
「生活は苦しいはずなのに野球用具だけは『気にするな』って買ってくれた両親」に苦労をかけたと言う。契約金8千万、年俸1千万、すべて父親に渡して、まずは歯の治療をして欲しいと言う。
「みんなの支えで今の自分がある。プロで活躍して、みんなに恩返しがしたいんです」
君自身が、周囲に希望を与え続けてきたんだよ、お父さんも亡くなったお母さんも、ほっとしていると思うよ…そう教えてやりたい。だが、それは石川本人のためにならないね。せっかく恩返しをしたいと言っているんだから。その気持ちを小さな満足で済ますことなく、でっかい夢の実現に繋げて欲しいと思う。
情に厚い北関東の男、石川俊介。応援する。
【参考サイト】
・毎日(インタビュー)
・サンスポ(指名選手紹介)
・スポニチ(指名選手紹介)
・サンスポ(大学について)
この秋、リーグでは防御率0.27で最優秀防御率、チームの5連覇に貢献。明治神宮野球大会準決勝では、強豪東洋大の大場と投げ合い、8回まで0−0。最後は自身のエラーもあって0−2で敗れた。しかしチームや打線の「格」を考えれば、14奪三振で勝利したドラフトの超目玉大場にまったくひけをとらない12奪三振の快投だった。
栃木県に育ち、大学は群馬の上武大。北関東の人だ。甲子園出場経験もなく、阪神タイガースとの接点はない。だがムチャクチャにこじつければあったりする。
ドラフト前日、仏壇に手を合わせたという。石川投手は一昨年母親を44歳という若さで亡くしている。
「『(結果を)待つだけだから。いいところ(球団)に入れてね』って。阪神に決まり喜んでくれてると思います」
タイガース入りを母親が導いたのなら、それを手助けしたのも冥界コネクションかも知れない。石川投手が生まれたのは、1985年8月12日、北関東は群馬県の御巣鷹山にJALのジャンボ機が墜落したその日である。阪神タイガース中埜肇球団社長も乗客として犠牲になった。この年の21年ぶりのリーグ優勝、日本一への大きな節目となった日。
大社ドラフトでタイガースから3巡目指名を受けた後、記者から差し出された色紙に「恩返し」と書いた。
「とっさに渡されて、パッと浮かんだ言葉でした」
高校卒業時のドラフトでは、その可能性を告げられていたものの指名なし。進路が白紙の状態だったが、上武大の谷口監督の熱心な誘いに応じた。自分がプロで活躍することで、熱心に指導してくれた谷口監督や、支えてくれたチームメートに恩返ししたい、知名度が高いとは言えない上武大を有名にしたいと言う。
プロを目指した理由は単純にして明快。
「実家がとにかく貧乏だったので、親に楽をさせてあげたくて。自分には野球しかないので、自然とプロを目指しました」
「生活は苦しいはずなのに野球用具だけは『気にするな』って買ってくれた両親」に苦労をかけたと言う。契約金8千万、年俸1千万、すべて父親に渡して、まずは歯の治療をして欲しいと言う。
「みんなの支えで今の自分がある。プロで活躍して、みんなに恩返しがしたいんです」
君自身が、周囲に希望を与え続けてきたんだよ、お父さんも亡くなったお母さんも、ほっとしていると思うよ…そう教えてやりたい。だが、それは石川本人のためにならないね。せっかく恩返しをしたいと言っているんだから。その気持ちを小さな満足で済ますことなく、でっかい夢の実現に繋げて欲しいと思う。
情に厚い北関東の男、石川俊介。応援する。
【参考サイト】
・毎日(インタビュー)
・サンスポ(指名選手紹介)
・スポニチ(指名選手紹介)
・サンスポ(大学について)