2008.03.07 Friday
巷で話題の「プロ野球2.0」という本の話をする。
編著者は小島克典氏。(株)スポーツワークスの代表取締役であり、立命館大学客員教授。というよりも、メジャーに渡った新庄剛志の通訳を務め、ライブドア・フェニックスのGMに就任したあの人だ。
本の体裁は、「立命館大学経営学部スポーツビジネス講義録」という形体。といっても、プロ野球を中心としたスポーツビジネスの現場で活躍中(過去に活躍していた)多彩なゲストが、現状を説明したり、問題点を指摘したり、将来的なビジョンや予想図を提示したりという内容だから、「大学の授業」というような退屈なイメージじゃない。あ、そのイメージは私固有のものか(笑)。
ゲストと主題は、第一章がボストン・レッドソックスCEO・ラリー・ルキーノ氏「ベースボールの未来」(この章は講義録ではなく対談)、第二章がスポーツエージェント団野村氏「革命から発展へ」、第三章が弁護士・水戸重之氏「スポーツと法務」、第四章が日刊スポーツ飯島智則氏&ナノ・アソシエーション小野寺俊明氏「メディアとスポーツ」、第五章が阪神タイガース畑野幸博氏&福岡ソフトバンクホークスマーケティング森本譲二氏「ファンマーケティングの醍醐味」、第六章が北海道日本ハムファイターズ球団社長・藤井純一氏&横浜ベイスターズ元球団社長・大堀隆氏「スポーツと地域の共存」。さらにはじめと終わりに、編著者自身による序章、最終章が添えられている。
未来が見えないでいる日本のプロ野球を、いったいどうしたら良いのか。野球好きなら誰もが考えるこのテーマについて、私自身もああだこうだとかなり無責任に言ってきた。そのああだこうだを導き出す、もとの情報はたいがいメディアを通じてのものである。「メディアの所有物」であるプロ野球の場合は、ここが実にやっかいで、危険なところ。今回、それを痛切に感じた。この本を読んだことで、私の中で若干の価値観のシャッフルがあったと思う。
代理人といっても信条や手法に大きな違いがあることの面白さ。
スポーツ紙という古いメディアと、WEBという新しいメディア、双方の苦悩。
与えられたものを受け取るばかりの「従順な消費者」が、世間を知って自分たちが本当に欲しいものだけを「求める消費者」に、さらには供給者を「動かす消費者」になっていくことの可能性。
MLBとNPBの違いとは「天と地」かも知れないが、それを分けるのはほんの小さな考え方の違いに過ぎないのではないかと思う疑問。
野球に限らず、スポーツビジネスを根づかせていくために必要なマインド…。
こんな授業なら、絶対にサボらなかったよなぁ(笑)。
そして、スポーツビジネスとは無縁の世界に生きていても、心を刺激される本だ。それはもちろん、大好きな野球を肯定的に取り上げているということもある。そしてファンからのプロ野球改革というアプローチを考えている実力者を知った喜びもある(「NPB2」は私の中では終わっていない)。
だけどこの本の楽しさの本質は、はじめから最後まで、さわやかにそよいでいる小島氏のまっすぐさ。そして、より豊かな社会を作ろうと日々工夫している人たちの清々しさだ。
高いハードルはあるけれど、良い球を思いっきり振っていく!空振りしても「グッド・スイング!」、三振しても「ネクスト・タイム!」。
「よし、小島克典氏と畑野幸博氏にコンタクトのお手紙を書こう」
これが私の読後の所感だ。
TB Blog プロ野球2.0
編著者は小島克典氏。(株)スポーツワークスの代表取締役であり、立命館大学客員教授。というよりも、メジャーに渡った新庄剛志の通訳を務め、ライブドア・フェニックスのGMに就任したあの人だ。
本の体裁は、「立命館大学経営学部スポーツビジネス講義録」という形体。といっても、プロ野球を中心としたスポーツビジネスの現場で活躍中(過去に活躍していた)多彩なゲストが、現状を説明したり、問題点を指摘したり、将来的なビジョンや予想図を提示したりという内容だから、「大学の授業」というような退屈なイメージじゃない。あ、そのイメージは私固有のものか(笑)。
ゲストと主題は、第一章がボストン・レッドソックスCEO・ラリー・ルキーノ氏「ベースボールの未来」(この章は講義録ではなく対談)、第二章がスポーツエージェント団野村氏「革命から発展へ」、第三章が弁護士・水戸重之氏「スポーツと法務」、第四章が日刊スポーツ飯島智則氏&ナノ・アソシエーション小野寺俊明氏「メディアとスポーツ」、第五章が阪神タイガース畑野幸博氏&福岡ソフトバンクホークスマーケティング森本譲二氏「ファンマーケティングの醍醐味」、第六章が北海道日本ハムファイターズ球団社長・藤井純一氏&横浜ベイスターズ元球団社長・大堀隆氏「スポーツと地域の共存」。さらにはじめと終わりに、編著者自身による序章、最終章が添えられている。
未来が見えないでいる日本のプロ野球を、いったいどうしたら良いのか。野球好きなら誰もが考えるこのテーマについて、私自身もああだこうだとかなり無責任に言ってきた。そのああだこうだを導き出す、もとの情報はたいがいメディアを通じてのものである。「メディアの所有物」であるプロ野球の場合は、ここが実にやっかいで、危険なところ。今回、それを痛切に感じた。この本を読んだことで、私の中で若干の価値観のシャッフルがあったと思う。
代理人といっても信条や手法に大きな違いがあることの面白さ。
スポーツ紙という古いメディアと、WEBという新しいメディア、双方の苦悩。
与えられたものを受け取るばかりの「従順な消費者」が、世間を知って自分たちが本当に欲しいものだけを「求める消費者」に、さらには供給者を「動かす消費者」になっていくことの可能性。
MLBとNPBの違いとは「天と地」かも知れないが、それを分けるのはほんの小さな考え方の違いに過ぎないのではないかと思う疑問。
野球に限らず、スポーツビジネスを根づかせていくために必要なマインド…。
こんな授業なら、絶対にサボらなかったよなぁ(笑)。
そして、スポーツビジネスとは無縁の世界に生きていても、心を刺激される本だ。それはもちろん、大好きな野球を肯定的に取り上げているということもある。そしてファンからのプロ野球改革というアプローチを考えている実力者を知った喜びもある(「NPB2」は私の中では終わっていない)。
だけどこの本の楽しさの本質は、はじめから最後まで、さわやかにそよいでいる小島氏のまっすぐさ。そして、より豊かな社会を作ろうと日々工夫している人たちの清々しさだ。
高いハードルはあるけれど、良い球を思いっきり振っていく!空振りしても「グッド・スイング!」、三振しても「ネクスト・タイム!」。
「よし、小島克典氏と畑野幸博氏にコンタクトのお手紙を書こう」
これが私の読後の所感だ。
TB Blog プロ野球2.0