自称阪神タイガース評論家（跡地）

二番手で投げた杉山が、「４回５失点炎上」ということになっちゃうんだけど、かえっていろんな意味で好印象だったんだけどね。
まず代わった後の４回、５回はとても良い投球だった。外への直球が良い軌道で決まって、どちらの回も三振２つずつでまず簡単に二死を取る安定した内容。好調を持続しているかに見えた。
６回も先頭のブラゼルを２ナッシングと追い込んで、外角の直球で崩そうとしたのに、結果を急いでしまって真ん中高めへの大失投、ＨＲとされてしまう。ここまでが完璧だったから、なおのことこれを悔やんじゃう。この心理はよーくわかる。以後、少しずつ少しずつ、精神状態が乱れ、フォームが乱れ、制球が乱れ、走られ、スコアが乱れていく。この負のスパイラルを今の時期に味わえたのは悪くないと思うのだ。できることができなくなっていくのは、本当によくあることだからね。この日の評価は「−１」だけど、先に役に立つ可能性も高い。


阿部はこの日も１イニングをゼロ。ポスト渡辺の位置にいる。

金村大はエラー絡みの１失点。タイムリーのポテンは不運な当たりだったから、そこまでは良いの。その後の四球が減点ポイント。ボーダーにいるんだから、もっと強気強気！


この日は、先発と発表された金村曉が太もも裏がつって登板回避。程度がわからないが、慎重な再調整は余儀なくされるだろう。先発評価レースで言えば、信用不安の「−２」を食らって、さらにエントリーから除外というところ。
ということで、安藤＋２、ボーグルソン＋２、岩田＋２、福原＋１、アッチソン０、下柳０、杉山−１、金村曉−３（エントリー除外中）。


金村曉回避の危機を救ったのが、玉置。肩を作っていない中、５分間だけの投球練習でスクランブル登板。初回こそ１失点したが、２回、３回と落ち着いて無失点に退けた。
この日の結果は玉置にとって、願ってもないものになった。主力打者を帯同させていないタイガースと違い、開幕が迫っているライオンズはほぼベストメンバー。特にスタメンはなおのこと。それに対して、力のある直球で押し込み、変化球で崩す自分のペースに持ち込めたのだから立派なもの。また、この日の主審はストライクゾーンが辛目で、各投手が苦労していたが、表情を変えることなく淡々と投げ込んていたのが良かった。

とにかくスクランブルをこなしたこと、しかも３イニングスもゲームを壊さずに持ってきたこと、これがデカイ。ＪＦＫが決まっているタイガースだから、玉置はまず「負けパターン継投要員」としてベンチに入らなければ始まらない。その内の最低でも１人は、先発投手がＫＯされたり、アクシデントに見舞われた時に、３〜４回のロングリリーフができる者が入る必要がある。玉置はこれまで短いイニングなら、強いボールの威力を武器に抑え込めるという評価が中心だったが、度胸が良いから、スクランブルにも対応できる、しかも変化球で省エネしながら、ロングもこなせるとなれば、これは強い。

もうぼちぼち最終試験に入っていく。なんとかしがみつけ…いや、そういうのは玉置には似合わないね。さらにもっともっと調子を上げて、長所である強気なボールで、相手を封じ込めて行って欲しい。
運も向いてきているから、予定通りの大ブレーク、期待しているよ。