2008.03.27 Thursday
狩野はヒジの手術を受けたのだそうだ(デイリー)。大丈夫。勝負はまだまだ先だよ。
開幕登録選手が発表された(公式よりコピペ)。
さて、このリストはまあまあこんなもんだろう。それを見ながらつらつら思ったこと、それは「補強」。フロントによる補強はどう実を結ぶか。結果はシーズン後になるが、開幕を迎える現状までで、それがどう機能しているかを見てみる。
補強により得られる効果には、その補強選手自身が働くことでもたらす「物理的効果」と、その選手の加入により他の選手が活性化する「化学的効果」がある。今年の補強は効果的に働いているだろうか。
投手は先発投手としてジャンを解雇し、新外国人アッチソン、そして金村曉をトレードで補強した。今のところ両者とも強烈なインパクトを見せてはいないが、期待感は抱かせる。今季先発陣の成否は、復活組と若手の底上げという「世代間闘争」にキーがあり、補強という観点からすれば、物理的にも化学的にもややもの足りない。
リリーフ投手は元々強い分野であったが、殺してしまっていた「ガラス系」の中村泰と吉野を放出し、阿部をトレードで迎える。阿部は新戦力投手の中でもっとも注目される活躍を見せた。危機感を憶えたガラス系の筒井もステップアップの兆しが見え、若い玉置、金村大も拮抗した実力をアピール。実績のある橋本健を押しのけ、ダーウィンの穴を忘れさせる状況になっている。化学的にも効果的な補強になった。
野手ではFAで新井を獲得、トレードで平野を、新外国人としてフォードを補強。シーツを解雇し、濱中を放出、赤松が人的補償でチームを去る。「主軸の一塁手」としてシーツと新井を比較すれば、総合力では大きな違いはないようにも思われる(去年の打撃大不振を見てもそう思うということは、シーツの守備力は大きなものがあったということ)。濱中+赤松とフォード+平野もそれ程大きな違いはないような気もする。ただし新井が一塁と三塁、平野が内外野ほとんどと、複数の守備位置をこなせるという点ではずいぶんと違う。それによって他の選手に与える影響が、何倍にもなっているのは間違いない。
金本の加入によって「黙って努力し続ける」という良い下地ができた。タイガースは一人一人が良く練習をするチームになった。あとはその一人一人をいかに活性化させ、いかに団結させ、いかに燃焼させるかが重要だ。岡田監督は、己のエネルギーを火種に周囲を燃焼させていくという星野型のパワーは持っていない。
そこで、新井、平野、フォードという闘争心を表に出す選手を補強した。フロントの狙いはここまではピタリ。スタメン、控え、内外野全野手がこの3人の影響を激しく受けまくっている。
そして最後にフロントのもっとも大切な仕事、首脳陣の補強。「チーフ打撃格」の正田氏を解雇し、「作戦兼バッテリー」担当のナンバー2として木戸氏を入れる。この名称についても考えさせられる。もともとそりが合わないところがあった岡田木戸両氏だ。攻撃面も守備面も見るナンバー2なら、「ヘッド」が普通だろう。しかし監督&ヘッドコーチという関係性を岡田、木戸、フロントともに希望してなさそうなところがミソだ。なにせ4年間岡田監督は自分のスタイルを貫き通している。そして同時に周囲はその限界を見極めてしまっている。だから、「健全な敵対勢力」「セカンド・オピニオン」が機能するポジションで、岡田とは明らかに野球観の違う木戸を送り込む。
今季タイガースが優勝する時は、この機能が物理的にも化学的にも最大限の効果を発揮したと言えるだろう。もしこの首脳陣補強が失敗に終われば、チームは分解するかも知れない。しかしそれとて必要なプロセスのように思う。とりあえず南球団社長を中心としたフロントにはGJと言ってやりたい。
開幕登録選手が発表された(公式よりコピペ)。
■投手(10名)
12 渡辺亮
16 安藤優也
19 筒井和也
22 藤川球児
26 江草仁貴
28 福原忍
30 久保田智之
42 下柳剛
54 ウィリアムス
56 阿部健太
■捕手(3名)
2 野口寿浩
39 矢野輝弘
60 小宮山慎二
■内野手(6名)
1 鳥谷敬
3 関本賢太郎
7 今岡誠
9 藤本敦士
25 新井貴浩
35 坂克彦
■外野手(8名)
5 平野恵一
6 金本知憲
8 浅井良
24 桧山進次郎
33 葛城育郎
51 桜井広大
53 赤星憲広
55 L.フォード
(以上計27名)
さて、このリストはまあまあこんなもんだろう。それを見ながらつらつら思ったこと、それは「補強」。フロントによる補強はどう実を結ぶか。結果はシーズン後になるが、開幕を迎える現状までで、それがどう機能しているかを見てみる。
補強により得られる効果には、その補強選手自身が働くことでもたらす「物理的効果」と、その選手の加入により他の選手が活性化する「化学的効果」がある。今年の補強は効果的に働いているだろうか。
投手は先発投手としてジャンを解雇し、新外国人アッチソン、そして金村曉をトレードで補強した。今のところ両者とも強烈なインパクトを見せてはいないが、期待感は抱かせる。今季先発陣の成否は、復活組と若手の底上げという「世代間闘争」にキーがあり、補強という観点からすれば、物理的にも化学的にもややもの足りない。
リリーフ投手は元々強い分野であったが、殺してしまっていた「ガラス系」の中村泰と吉野を放出し、阿部をトレードで迎える。阿部は新戦力投手の中でもっとも注目される活躍を見せた。危機感を憶えたガラス系の筒井もステップアップの兆しが見え、若い玉置、金村大も拮抗した実力をアピール。実績のある橋本健を押しのけ、ダーウィンの穴を忘れさせる状況になっている。化学的にも効果的な補強になった。
野手ではFAで新井を獲得、トレードで平野を、新外国人としてフォードを補強。シーツを解雇し、濱中を放出、赤松が人的補償でチームを去る。「主軸の一塁手」としてシーツと新井を比較すれば、総合力では大きな違いはないようにも思われる(去年の打撃大不振を見てもそう思うということは、シーツの守備力は大きなものがあったということ)。濱中+赤松とフォード+平野もそれ程大きな違いはないような気もする。ただし新井が一塁と三塁、平野が内外野ほとんどと、複数の守備位置をこなせるという点ではずいぶんと違う。それによって他の選手に与える影響が、何倍にもなっているのは間違いない。
金本の加入によって「黙って努力し続ける」という良い下地ができた。タイガースは一人一人が良く練習をするチームになった。あとはその一人一人をいかに活性化させ、いかに団結させ、いかに燃焼させるかが重要だ。岡田監督は、己のエネルギーを火種に周囲を燃焼させていくという星野型のパワーは持っていない。
そこで、新井、平野、フォードという闘争心を表に出す選手を補強した。フロントの狙いはここまではピタリ。スタメン、控え、内外野全野手がこの3人の影響を激しく受けまくっている。
そして最後にフロントのもっとも大切な仕事、首脳陣の補強。「チーフ打撃格」の正田氏を解雇し、「作戦兼バッテリー」担当のナンバー2として木戸氏を入れる。この名称についても考えさせられる。もともとそりが合わないところがあった岡田木戸両氏だ。攻撃面も守備面も見るナンバー2なら、「ヘッド」が普通だろう。しかし監督&ヘッドコーチという関係性を岡田、木戸、フロントともに希望してなさそうなところがミソだ。なにせ4年間岡田監督は自分のスタイルを貫き通している。そして同時に周囲はその限界を見極めてしまっている。だから、「健全な敵対勢力」「セカンド・オピニオン」が機能するポジションで、岡田とは明らかに野球観の違う木戸を送り込む。
今季タイガースが優勝する時は、この機能が物理的にも化学的にも最大限の効果を発揮したと言えるだろう。もしこの首脳陣補強が失敗に終われば、チームは分解するかも知れない。しかしそれとて必要なプロセスのように思う。とりあえず南球団社長を中心としたフロントにはGJと言ってやりたい。