2008.04.05 Saturday
点差とか試合展開もそうなのだが、それよりももっと、気持ちに訴えかけてくる部分で、引き込まれていく感じ。みんなぐっと胆に力を込めて、歯を食いしばって、あごを引いて、一つのボールの動きに集中している感じ。イイよイイよ。
ここ2シーズンは、力のあるところを見せながら一歩及ばずだった。しかしその一歩は簡単に踏み越えられない一歩のように感じていた。守備、走塁への意識の低さ、瞬時の状況判断の鈍さ、勝ち方のバリエーションの乏しさ、困難を突破していく精神力…。殺傷能力の低い武器、まさに「鈍器」だった。それが今はまるで「鋭利な刃物」だ。
この試合にはたくさんのハイライトシーンがあったのだが、とりわけ熱くなったのが、6回表、今岡の走塁だった。
3−1、2点リード。先頭の今岡が見極め良く四球を選ぶ。こういうじっくりと投手を追い込むような今岡らしい打席も久しぶりだったんじゃないかな。だいたいこの不調期、打つべきでない球に飛びついたり、仕留めるべき球を打ち損じたり、結果が出ない焦りばかりが目立っていた。投手にペースを握られるか、それを嫌がって早打ちするかのどちらかだった。
この日も2回の第1打席、無死一塁では、併殺狙いの見え見えの組み立てにビビって、低め変化球に手が出ず見逃し三振。
しかし次の第2打席は楽な気持ちで打席に入っていたように見えた。4回表、この時点で1−1同点、最近では珍しく前の回は金本で終わって先頭打者で打席に入る。まっさらな気持ちで打席に入れたのが良かったのかもね。03年の1番打者だった頃のように。だいたいが打順やら何やら意識しすぎの男なのだ。
2球目、何気なくストライクを取りに来た外角直球を強振、まだヘッドの返りが早すぎる今岡本来のスイングではないのだが、バットの芯、腕が伸びて手首のテコが効いて左中間に飛び込むHR。
この1本のHRが今岡の気持ちを楽にさせたこと、G先発高橋尚の警戒心を高めたことは間違いない。落ち着き払って選んだ四球で、6回表無死一塁。
で、好調鳥谷が低めの直球を素直にセンター左へ弾き返す。亀井がこの打球に回り込んで追いつく、何?一塁走者今岡、三塁へ向かう!?三塁へ送球!今岡走れ!早く早く!今岡三塁へヘッドスライディング!セーフ!その間に打った鳥谷も二塁へ!うおお!今岡ナイスラン!
この瞬間、私の気管支あたりでイガイガしていたものが、すーっと溶けたような気がした。もういいよ。誰が何番打とうが、誰がスタメンになって、誰が二軍だろうがかまわないよ。チーム一の鈍足が必死な顔で二コマ獲りの劇走してヘッドスライディングするチームなんだから。一人一人が自分のできる精一杯のプレーをして、誰かのミスや誰かの不調をみんなでカバーしていけるチームになったんだから。
それにしても今岡速かった!いや速いはずがないんだが、でも速かった(笑)。そうかあれか、加速がつかない男なんだな。アメ車みたいなもんで、ゼロヨンじゃダメだけど、距離が伸びればちったあカッコがつくのか。
ま、しかしよく考えたら、この時鳥谷のカウントは2−3。今岡にスタートを切らせたからこその二コマ獲りであって、スタートを切らせた理由は、鳥谷の好調、信頼感ということだろうから、本当に偉かったのは鳥谷なんだね。外野手の足をばたつかせるような鋭い打球だったしね。今岡以外だったらスタンディングで三塁に行けただろうし(笑)。あ、そうしたら鳥谷は二塁に行けなかったかな(笑)。
いやあ、話が長くてゴメン。だけどそれだけ興奮したのだ(笑)。で、好調鳥谷、いや新鳥谷、いや真鳥谷(笑)。また2号HR含む3安打。打率5割でリーディングヒッター、まだ早いけど。
タイミングの取り方に脆さがあった。「よーいしょ」って感じの反動をつけるタイプ。一本調子でタイミングの合うポイントが一つしかなかった。だから緩急の揺さぶりに弱かった。今季、どこか大きく変わったかと言えば、特にないと思う。ただし、タイミングを外された時の対応力がグンとアップしている。緩い球でつんのめっても下で粘ってショート頭の上に運べる。速球で押し込まれても素速い反応でファールで逃げられる。もちろん「よーいしょ」がピタリと合えば、カツーンと一二塁間を抜くし、角度が付けばバカーンとスタンド中段にぶっ飛ばす。そうなのよ、本来、足腰も強いし、腕も強いし、スイングも速いんだから、そういう引きつけ気味で待てるのよ。何がそうさせなかったのか。やっぱり目なんじゃないのかな。
鳥谷は守備でも魅せた。二遊間、抜ければタイムリーという当たりを止めて二塁封殺、安藤を助けた。もちろん守備も良くなっているけど、あれはスーパープレーでゲッツーを取るところまで行って完成形。その後TVでアップになった時、平野の顔を見ながら「ゲッツー行けましたね、すいません」という顔をしていたのを見て安心したよ。まだ良くなるね、鳥谷は。
さてこれからのタイガースに影響を与えそうな予感の「今岡劇走」。元を辿ればやっぱりこの日も金本。2回、「あと3本」のヒットで一塁へ。鳥谷のライト右へのヒットで当然のごとく三進。金本が二コマ獲りをすれば、チームがピリピリになる。なんか全員が「ご、ごめんなさい金本さん。ボ、ボクもちゃんと走ります!」となる(笑)。
ルー・フォードもタイムリー2本と来日初HR。こいつもタイミングの取り方がヘンだから(直前まで打つかどうかわからんw)、とても打てそうに見えないけど、打つって。アホっぽく見せて、実は賢そうな感じもするしね。今、エサまいてるとこちゃうんかなぁ(笑)。とにかくこの日のヒーロー文句なし。
安藤、江草、久保田、ナイスピー。矢野もナイスリード&ナイス寝たふり犠飛(笑)。他にも良いプレーいっぱいあったけど、今岡劇走の前では霞むので省略(笑)。
投打ガッチリ快勝の勢いそのままに、グライシンガーも打ちたいね!岩田、Gの強打者たちにも怯まず立ち向かいたいね!楽しみだよ。
ここ2シーズンは、力のあるところを見せながら一歩及ばずだった。しかしその一歩は簡単に踏み越えられない一歩のように感じていた。守備、走塁への意識の低さ、瞬時の状況判断の鈍さ、勝ち方のバリエーションの乏しさ、困難を突破していく精神力…。殺傷能力の低い武器、まさに「鈍器」だった。それが今はまるで「鋭利な刃物」だ。
この試合にはたくさんのハイライトシーンがあったのだが、とりわけ熱くなったのが、6回表、今岡の走塁だった。
3−1、2点リード。先頭の今岡が見極め良く四球を選ぶ。こういうじっくりと投手を追い込むような今岡らしい打席も久しぶりだったんじゃないかな。だいたいこの不調期、打つべきでない球に飛びついたり、仕留めるべき球を打ち損じたり、結果が出ない焦りばかりが目立っていた。投手にペースを握られるか、それを嫌がって早打ちするかのどちらかだった。
この日も2回の第1打席、無死一塁では、併殺狙いの見え見えの組み立てにビビって、低め変化球に手が出ず見逃し三振。
しかし次の第2打席は楽な気持ちで打席に入っていたように見えた。4回表、この時点で1−1同点、最近では珍しく前の回は金本で終わって先頭打者で打席に入る。まっさらな気持ちで打席に入れたのが良かったのかもね。03年の1番打者だった頃のように。だいたいが打順やら何やら意識しすぎの男なのだ。
2球目、何気なくストライクを取りに来た外角直球を強振、まだヘッドの返りが早すぎる今岡本来のスイングではないのだが、バットの芯、腕が伸びて手首のテコが効いて左中間に飛び込むHR。
この1本のHRが今岡の気持ちを楽にさせたこと、G先発高橋尚の警戒心を高めたことは間違いない。落ち着き払って選んだ四球で、6回表無死一塁。
で、好調鳥谷が低めの直球を素直にセンター左へ弾き返す。亀井がこの打球に回り込んで追いつく、何?一塁走者今岡、三塁へ向かう!?三塁へ送球!今岡走れ!早く早く!今岡三塁へヘッドスライディング!セーフ!その間に打った鳥谷も二塁へ!うおお!今岡ナイスラン!
この瞬間、私の気管支あたりでイガイガしていたものが、すーっと溶けたような気がした。もういいよ。誰が何番打とうが、誰がスタメンになって、誰が二軍だろうがかまわないよ。チーム一の鈍足が必死な顔で二コマ獲りの劇走してヘッドスライディングするチームなんだから。一人一人が自分のできる精一杯のプレーをして、誰かのミスや誰かの不調をみんなでカバーしていけるチームになったんだから。
それにしても今岡速かった!いや速いはずがないんだが、でも速かった(笑)。そうかあれか、加速がつかない男なんだな。アメ車みたいなもんで、ゼロヨンじゃダメだけど、距離が伸びればちったあカッコがつくのか。
ま、しかしよく考えたら、この時鳥谷のカウントは2−3。今岡にスタートを切らせたからこその二コマ獲りであって、スタートを切らせた理由は、鳥谷の好調、信頼感ということだろうから、本当に偉かったのは鳥谷なんだね。外野手の足をばたつかせるような鋭い打球だったしね。今岡以外だったらスタンディングで三塁に行けただろうし(笑)。あ、そうしたら鳥谷は二塁に行けなかったかな(笑)。
いやあ、話が長くてゴメン。だけどそれだけ興奮したのだ(笑)。で、好調鳥谷、いや新鳥谷、いや真鳥谷(笑)。また2号HR含む3安打。打率5割でリーディングヒッター、まだ早いけど。
タイミングの取り方に脆さがあった。「よーいしょ」って感じの反動をつけるタイプ。一本調子でタイミングの合うポイントが一つしかなかった。だから緩急の揺さぶりに弱かった。今季、どこか大きく変わったかと言えば、特にないと思う。ただし、タイミングを外された時の対応力がグンとアップしている。緩い球でつんのめっても下で粘ってショート頭の上に運べる。速球で押し込まれても素速い反応でファールで逃げられる。もちろん「よーいしょ」がピタリと合えば、カツーンと一二塁間を抜くし、角度が付けばバカーンとスタンド中段にぶっ飛ばす。そうなのよ、本来、足腰も強いし、腕も強いし、スイングも速いんだから、そういう引きつけ気味で待てるのよ。何がそうさせなかったのか。やっぱり目なんじゃないのかな。
鳥谷は守備でも魅せた。二遊間、抜ければタイムリーという当たりを止めて二塁封殺、安藤を助けた。もちろん守備も良くなっているけど、あれはスーパープレーでゲッツーを取るところまで行って完成形。その後TVでアップになった時、平野の顔を見ながら「ゲッツー行けましたね、すいません」という顔をしていたのを見て安心したよ。まだ良くなるね、鳥谷は。
さてこれからのタイガースに影響を与えそうな予感の「今岡劇走」。元を辿ればやっぱりこの日も金本。2回、「あと3本」のヒットで一塁へ。鳥谷のライト右へのヒットで当然のごとく三進。金本が二コマ獲りをすれば、チームがピリピリになる。なんか全員が「ご、ごめんなさい金本さん。ボ、ボクもちゃんと走ります!」となる(笑)。
ルー・フォードもタイムリー2本と来日初HR。こいつもタイミングの取り方がヘンだから(直前まで打つかどうかわからんw)、とても打てそうに見えないけど、打つって。アホっぽく見せて、実は賢そうな感じもするしね。今、エサまいてるとこちゃうんかなぁ(笑)。とにかくこの日のヒーロー文句なし。
安藤、江草、久保田、ナイスピー。矢野もナイスリード&ナイス寝たふり犠飛(笑)。他にも良いプレーいっぱいあったけど、今岡劇走の前では霞むので省略(笑)。
投打ガッチリ快勝の勢いそのままに、グライシンガーも打ちたいね!岩田、Gの強打者たちにも怯まず立ち向かいたいね!楽しみだよ。