2008.06.12 Thursday
同時にライオンズとしては、試合展開以上に強さを感じさせる負け方。「成熟・完成」のタイガースに対し、「急進・途上」のライオンズとも感じた。
初回、関本四球、新井右前ヒットでチャンスメーク。金本倒れて二死一二塁から、先発５番ＤＨの高橋光信が左越二塁打で２点先制、抜擢に応える。今季、全盛時を思わせるほど安定しているＬ先発石井一は、そうでなくてもタイガースにとって「顔も見たくない系」苦手。初回の先制は大きかった。
そのウラ、ライオンズはすかさず機動力で反撃。片岡が遊内野安打・二盗、栗山ドラッグバント、中島死球で無死満塁。タイガース先発上園の立ち上がりをグラグラと揺さぶりまくる。しかし左のブラゼルから内角直球とフォークで空振り三振を奪うと、右のG.G.佐藤には外への直球とフォークで、同じく右の中村へは外の直球一本で三者連続三振！魅せるよねー、この男はホント。カット気味の直球の軌道、表情や腕の振りが醸し出す雰囲気で相手を飲み込んでいく。
上園５回３失点という内容は、記録上ではもの足りないが、実際の投球内容は素晴らしかった。特に直球のコントロールが安定していて、打者が手を出しづらいコースで簡単にカウントを取れる。その辺がエースの風格を感じさせる所。逆につかまった５回は、少しずつ狙いからズレていた。
しかし上から下まで気の抜けないＬ打線に対し、向かって行っての９奪三振の好投が「タイガース強し」という試合の土台を作った。
緩いカーブはほとんど使わず、速くない速球で機先を制していく野口の配球も見事だった。
さて試合に戻って、２回表。フォードがライトへライナーで運ぶソロＨＲ。３−０とする。思考力、判断力は良いので、こういう意識のある打撃を続けていれば率も上がるハズなんだけどね。
３回表、金本の打球が石井一の足に直撃し投手交代。「パ・リーグに来てまで阪神とやりたくないですね。もうあきました。あまりテンションが上がらないですね」と前日に言わなくても良いことを言ったバチが当たる。なんて言ったらさすがにかわいそうか。骨に異常なくて良かったね。もっとも石井のハイテンションなんて見たことないような気もするんだけど（笑）。
４回ウラ、おかわり中村に完璧な一発、３−１。実にイヤな感じにさせる効果的な一発。
５回表、２番手の許に対し先頭バルディリスが中前、赤星は引きつけての叩きつけで三内野安打。関本がサクッと犠打を決めて、一死二三塁で新井。圧力かけまくり、暴投でまず１点、新井は四球、なお一死一三塁。金本は楽に左犠飛でもう１点。こうやって無理なく点が入っていくのを見ていると、強いなこのチームと素直に思う。
さらにこの後殊勲の高橋光に代えて代打林、右翼線二塁打で二死二三塁、鳥谷は勝負避け気味の四球で二死満塁、フォード。ここで葛城カードを切っちゃうかと思ったが、そのまま打たせてツマリ左飛でチェンジ。ルーをどうにかしたいという気持ちなんだろうけど、なかなか監督の思い通りにはならない。
リードの広がった５回ウラ。ここを締めれば勝利が固まる大事なイニング。双方それがわかっているだけに難しいイニング。飛ばしまくっていた上園の球威が落ちるところ、連打で１点失い５−２、なお無死一塁。走者片岡を気にして栗山へのカウント０−２となって新井が上園に駆け寄りアドバイスを与える。さらに０−３となって野口が駆け寄り野手が集まる。せっかくここまで良い投球をしてきたんだから、上園この回まで頑張れ。みんなその気持ち。次のぎりぎりインハイがストライクコールで１−３、５球目目一杯の直球はセカンド右へ、関本前進から難しいバウンドを裁いて二塁封殺、なにげないけど進塁させなかったのは好プレー！一死一塁、バックも必死だよ。しかしゾノも限界スレスレ、中島のヒットで一死一三塁とされて、ブラゼルに右犠飛。浅かったが俊足片岡生還で５−３、また２点差に。ここでフォードがダイレクト送球で本塁刺殺を狙ったが、一走中島が二進することはなかった。フォードが視線で走者を牽制していたように見えた。なかなか味なプレーだったかも。二死一塁でG.G.佐藤。ゾノ頑張れ、あと一人。ここはボールを打ってくれて遊ゴロ、助かった。よう踏ん張った。
２点取って２点取られて、完全燃焼の上園に代えて６回は渡辺。ナベはきつい連投の中で腕を上げている。この日は直球はそこそこでも、スライダーのキレが抜群。その軌道の違い、錯覚を上手く使って三者三振。ここも野口の配球が光った。
この日試合時間がとても長かったのは、石井のアクシデントもあったが、主にタイガース打者が打席で粘るというのが主な理由。追い込まれるまでは甘い球に狙いを絞って待ち、追い込まれてからは広く待てるタイミングで食らいつく。各打者が実に内容のある打席を重ねていた。攻撃時間で圧倒していたため、点差以上の精神的優位を持っていたと思う。
７回担当久保田が苦しかった。先頭ボカチカに、良いコースのスライダーがぴたっとタイミングが合ってしまって左越ソロＨＲ。５−４、１点差。ああそうですか、今日はアレの日ですか、わかりました（笑）。片岡中前ヒット、栗山四球。最後は良いスライダーに見えたが、簡単に見切られてしまった。さあ今日の久保田はしんどいぞ、だがしかしベンチは続投を選択。てかこんな時、続投以外を選択したの見たことないけど（笑）。
１点差無死一二塁、打席に３番中島。初球ど真ん中まっすぐ、打った！きゃあああああ！三塁線に強烈！バル捕った、そこのベース踏んで１アウト、二塁送球２アウト、ああああ！セキ遅〜い！スライディング食らってトリプルプレーはならず。ちぇ、惜しかったなあ（笑）。いやあしかし、凄いね、久保田は。腕上げてるわ、彼も（笑）。
二死一塁と変わって、ここで予定通り（と言って良いとはとても思えないが）ジェフにスイッチ。ブラゼル中飛でチェンジ、ソロＨＲの１点止まり。
１点差で８回表、Ｌは石井一、許、正津、星野と繋いでこの回から右の大沼。先頭ルーに代えて葛城。フォークをしぶとく一二塁間に。矢野が送って一死二塁。バルに代えて桧山。投手リレーを見切って、左代打２枚でチャンスメークと勝負手。ここのところ「将棋指し」としての岡田監督は冴えている。初球まっすぐ146km/hアウトロー、桧山当たり前のように振り抜く、良い当たり、大きい、前進守備隊形の右中間を越えていく、葛城ゆっくり生還、桧山は三塁へ、貴重な追加点となるタイムリースリーベース！
すげえ。その一言。普通なら絶対に手が出ない程、良い入りの初球だった。凡打になる率の高い、アウトローの速い球。これを想定していたのならショートの頭の上を狙うだろう。広澤ブログによれば、フォークを狙うと言って打席に向かったという。それでその完璧な初球を、スムーズにジャストミートって…ええええ？それで右中間オーバーしちゃうって…ええええ？いやホント凄い。これは感動した。これを「代打の神様」と呼ばずして何と呼ぶ？
８回ウラはジェフ続投で三者凡退。もう安定飛行だね。
９回表も新井金本凡退の後、林の久々のマルチとなる右前ヒット、鳥谷粘りの四球で見せ場を作る。
９回ウラは藤川球児。これまた非の打ち所のない出来で、三者三振！上園９、渡辺３、ジェフ１、藤川３。取りも取ったり合計１６奪三振。
でもそれはライオンズ打線がしっかりスイングしてくるから。こっちの投手陣が三振の山を作るのはこういう打線だし、打ち込まれるのもこういう打線。「さすが」というのは随所に感じた。
うーん、６連勝で交流戦単独首位か。うーん、強すぎて怖い（笑）。
初回、関本四球、新井右前ヒットでチャンスメーク。金本倒れて二死一二塁から、先発５番ＤＨの高橋光信が左越二塁打で２点先制、抜擢に応える。今季、全盛時を思わせるほど安定しているＬ先発石井一は、そうでなくてもタイガースにとって「顔も見たくない系」苦手。初回の先制は大きかった。
そのウラ、ライオンズはすかさず機動力で反撃。片岡が遊内野安打・二盗、栗山ドラッグバント、中島死球で無死満塁。タイガース先発上園の立ち上がりをグラグラと揺さぶりまくる。しかし左のブラゼルから内角直球とフォークで空振り三振を奪うと、右のG.G.佐藤には外への直球とフォークで、同じく右の中村へは外の直球一本で三者連続三振！魅せるよねー、この男はホント。カット気味の直球の軌道、表情や腕の振りが醸し出す雰囲気で相手を飲み込んでいく。
上園５回３失点という内容は、記録上ではもの足りないが、実際の投球内容は素晴らしかった。特に直球のコントロールが安定していて、打者が手を出しづらいコースで簡単にカウントを取れる。その辺がエースの風格を感じさせる所。逆につかまった５回は、少しずつ狙いからズレていた。
しかし上から下まで気の抜けないＬ打線に対し、向かって行っての９奪三振の好投が「タイガース強し」という試合の土台を作った。
緩いカーブはほとんど使わず、速くない速球で機先を制していく野口の配球も見事だった。
さて試合に戻って、２回表。フォードがライトへライナーで運ぶソロＨＲ。３−０とする。思考力、判断力は良いので、こういう意識のある打撃を続けていれば率も上がるハズなんだけどね。
３回表、金本の打球が石井一の足に直撃し投手交代。「パ・リーグに来てまで阪神とやりたくないですね。もうあきました。あまりテンションが上がらないですね」と前日に言わなくても良いことを言ったバチが当たる。なんて言ったらさすがにかわいそうか。骨に異常なくて良かったね。もっとも石井のハイテンションなんて見たことないような気もするんだけど（笑）。
４回ウラ、おかわり中村に完璧な一発、３−１。実にイヤな感じにさせる効果的な一発。
５回表、２番手の許に対し先頭バルディリスが中前、赤星は引きつけての叩きつけで三内野安打。関本がサクッと犠打を決めて、一死二三塁で新井。圧力かけまくり、暴投でまず１点、新井は四球、なお一死一三塁。金本は楽に左犠飛でもう１点。こうやって無理なく点が入っていくのを見ていると、強いなこのチームと素直に思う。
さらにこの後殊勲の高橋光に代えて代打林、右翼線二塁打で二死二三塁、鳥谷は勝負避け気味の四球で二死満塁、フォード。ここで葛城カードを切っちゃうかと思ったが、そのまま打たせてツマリ左飛でチェンジ。ルーをどうにかしたいという気持ちなんだろうけど、なかなか監督の思い通りにはならない。
リードの広がった５回ウラ。ここを締めれば勝利が固まる大事なイニング。双方それがわかっているだけに難しいイニング。飛ばしまくっていた上園の球威が落ちるところ、連打で１点失い５−２、なお無死一塁。走者片岡を気にして栗山へのカウント０−２となって新井が上園に駆け寄りアドバイスを与える。さらに０−３となって野口が駆け寄り野手が集まる。せっかくここまで良い投球をしてきたんだから、上園この回まで頑張れ。みんなその気持ち。次のぎりぎりインハイがストライクコールで１−３、５球目目一杯の直球はセカンド右へ、関本前進から難しいバウンドを裁いて二塁封殺、なにげないけど進塁させなかったのは好プレー！一死一塁、バックも必死だよ。しかしゾノも限界スレスレ、中島のヒットで一死一三塁とされて、ブラゼルに右犠飛。浅かったが俊足片岡生還で５−３、また２点差に。ここでフォードがダイレクト送球で本塁刺殺を狙ったが、一走中島が二進することはなかった。フォードが視線で走者を牽制していたように見えた。なかなか味なプレーだったかも。二死一塁でG.G.佐藤。ゾノ頑張れ、あと一人。ここはボールを打ってくれて遊ゴロ、助かった。よう踏ん張った。
２点取って２点取られて、完全燃焼の上園に代えて６回は渡辺。ナベはきつい連投の中で腕を上げている。この日は直球はそこそこでも、スライダーのキレが抜群。その軌道の違い、錯覚を上手く使って三者三振。ここも野口の配球が光った。
この日試合時間がとても長かったのは、石井のアクシデントもあったが、主にタイガース打者が打席で粘るというのが主な理由。追い込まれるまでは甘い球に狙いを絞って待ち、追い込まれてからは広く待てるタイミングで食らいつく。各打者が実に内容のある打席を重ねていた。攻撃時間で圧倒していたため、点差以上の精神的優位を持っていたと思う。
７回担当久保田が苦しかった。先頭ボカチカに、良いコースのスライダーがぴたっとタイミングが合ってしまって左越ソロＨＲ。５−４、１点差。ああそうですか、今日はアレの日ですか、わかりました（笑）。片岡中前ヒット、栗山四球。最後は良いスライダーに見えたが、簡単に見切られてしまった。さあ今日の久保田はしんどいぞ、だがしかしベンチは続投を選択。てかこんな時、続投以外を選択したの見たことないけど（笑）。
１点差無死一二塁、打席に３番中島。初球ど真ん中まっすぐ、打った！きゃあああああ！三塁線に強烈！バル捕った、そこのベース踏んで１アウト、二塁送球２アウト、ああああ！セキ遅〜い！スライディング食らってトリプルプレーはならず。ちぇ、惜しかったなあ（笑）。いやあしかし、凄いね、久保田は。腕上げてるわ、彼も（笑）。
二死一塁と変わって、ここで予定通り（と言って良いとはとても思えないが）ジェフにスイッチ。ブラゼル中飛でチェンジ、ソロＨＲの１点止まり。
１点差で８回表、Ｌは石井一、許、正津、星野と繋いでこの回から右の大沼。先頭ルーに代えて葛城。フォークをしぶとく一二塁間に。矢野が送って一死二塁。バルに代えて桧山。投手リレーを見切って、左代打２枚でチャンスメークと勝負手。ここのところ「将棋指し」としての岡田監督は冴えている。初球まっすぐ146km/hアウトロー、桧山当たり前のように振り抜く、良い当たり、大きい、前進守備隊形の右中間を越えていく、葛城ゆっくり生還、桧山は三塁へ、貴重な追加点となるタイムリースリーベース！
すげえ。その一言。普通なら絶対に手が出ない程、良い入りの初球だった。凡打になる率の高い、アウトローの速い球。これを想定していたのならショートの頭の上を狙うだろう。広澤ブログによれば、フォークを狙うと言って打席に向かったという。それでその完璧な初球を、スムーズにジャストミートって…ええええ？それで右中間オーバーしちゃうって…ええええ？いやホント凄い。これは感動した。これを「代打の神様」と呼ばずして何と呼ぶ？
８回ウラはジェフ続投で三者凡退。もう安定飛行だね。
９回表も新井金本凡退の後、林の久々のマルチとなる右前ヒット、鳥谷粘りの四球で見せ場を作る。
９回ウラは藤川球児。これまた非の打ち所のない出来で、三者三振！上園９、渡辺３、ジェフ１、藤川３。取りも取ったり合計１６奪三振。
でもそれはライオンズ打線がしっかりスイングしてくるから。こっちの投手陣が三振の山を作るのはこういう打線だし、打ち込まれるのもこういう打線。「さすが」というのは随所に感じた。
うーん、６連勝で交流戦単独首位か。うーん、強すぎて怖い（笑）。
