2008.10.04 Saturday
実に恐ろしい大敗北を喫したものだ。これはつまり勝負の神様がお怒りなのだ。「お前らにすんなり勝たせてやるもんか」とおっしゃっている。さてでは何が勝負の神様の逆鱗に触れたのか検証してみよう。
まずは攻撃陣。いや攻撃陣に非はなかろう。初回二死から3番新井が三者凡退しない(これとても大事)右前ヒット、金本も右前で繋ぎ、新井は一気に三塁まで。果敢な走塁も出るが今岡がピーゴロ。追い込まれて撫で打ちでチェンジ。
3回は先頭安藤ヒット、赤星バントで走者入れ替わり、平野とのコンビで策もなく遊併打。
4回、初回先頭赤星がファールで粘って以来、チームでかけてきた圧力が先発ゴンザレスに効いてくる。先頭新井が左前ヒット、金本も中前で続く。ここでまたも今岡が甘い球を見送って、最後は外のスライダーを見逃し三振。最後の球は確かにボールっぽかったけど、消極的だった。ここで鳥谷が積極的姿勢でファーストストライクを右前へ、直接取りそうな打球だったが、二走新井&和田コーチ、判断良く一気に本塁突入、ブロックを押し込んでセーフ、1点先制。しかし関本、矢野の後続倒れて、一二塁に残塁は良くない。
5回、またも先頭安藤がクリーンヒット。練習の成果が出て良く振れている。赤星三ゴロでまたも走者入れ替わり。ここからはSのミスが連発。平野の緩い三ゴロで畠山は一度二塁を見てしまって、間に合わないと一塁送球、身のこなし悪く悪送球で一塁セーフ。新井は三振で二死となるもワンバウンドで走者進塁、二死二三塁。金本を歩かせて今岡勝負、しかしまたもワイルドピッチで労せずしてもう1点、2−0。今岡はその直後またも甘い球を見送るが、3球目になんとか三遊間をしぶとく破る。三走平野ホームイン、二走金本も三塁を回る、際どいタイミングだが体を投手よりに倒す上手いスライディングで間一髪セーフ!2点タイムリーとなって4−0。結果的に二死から満塁策の走者を全員返せた。
6回は代わった押本から先頭関本、矢野がツマリ右前を連発、ここでもライトが直接捕りそうだったが、関本が判断良く2コマ取りで三塁へ。無死一三塁で安藤は送りバントを決めて一死二三塁。ここで赤星は詰まったハーフライナーがショートの左へ、川島慶これを捕ることも止めることもできずタイムリーヒットとなる。ダイレクトで捕るのか、バウンドするのか際どい打球だったが、関本は構わずゴー。ちょっとこの辺は流れに身を任せすぎだったように思う。ダイレクトキャッチ&併殺でチェンジになりかねなかったからね。これで5−0。さらに一死一三塁から赤星が盗塁成功、Sバッテリーも十分な警戒の下、完璧な防御だったが、赤星の技術が勝った。しかし後続の平野、新井が倒れて二三塁に残塁。
7回あっさり三者凡退、追い上げられた8回は代わった木田の乱調につけ込んで二死一二塁としたが代打桧山が空振り三振。唯一のストライクを見逃し、誘い球を2つ空振りしてしまった。逆転された9回は先頭新井が右前で出るも金本二併打、代打葛城二ゴロで万事休す。
全体としては良い繋ぎではあったと思う。嫌がることをやる、プレッシャーをかけるということも部分的には出来ていた。しかし甘い球を逃さずに振る、投手心理を頭に入れてボールには手を出さないという点ではイマイチ。
好走塁がどんどん出たのは素晴らしいが、良く良く見れば勢いだけのラッキーなものも混ざっていた。
息の根を止める好機を残すこと度々という点も勝負の神の機嫌を損ねたかも知れない。
守備はどうだったか。中盤まで堅実な守備が目立った。
3回下位打線で無死二三塁のピンチ、そこそこのライトライナーを打たれたが平野の抑止力が効いて突っ込まれず。後続をなんとか抑えてゼロ。
圧巻は5回、無死一塁川本の当たり。ライトポールの根本近くに達しようかという大きな打球、ライト平野一直線に斜め後方に走り、最後はドンピシャのダイビングキャッチ!体はフェンス手前で止まり、クラッシュ&大惨事にならなくて良かったよ。だけど平野はそれでも良いと思っているのだろう。でなきゃ何も考えてないのかも知れない。ダイビングキャッチは普通水平に近い角度で飛び込むものだが、この平野のプレーは弧を描くように高く飛び上がっていた。スーパープレーだった。
痛恨の1プレーは、7回ウラ一死満塁、代打志田の三ゴロ。本当に本当に悔やまれる1プレーだ。当たりは素直、三塁バルディリスの正面、まさにおあつらえ向きの併殺打、この回無失点で終了のはず。しかし結果は5−4−3の併殺崩れ、この回は結果的に4失点となってしまう。この場面、関本は志田の右打ちに備えて一塁寄りにポジションを取っていたためカバーに入るのに必死、一塁送球までは体勢を立て直せなかった。セカンドゲッツーを取れないくらいの無理をしてまで寄ることがあったのか?さらに、関本のポジション取りは良しとしても、「アウト1つ取る」ということなら、三ゴロの場合は5−2−3で併殺を狙うという状況判断がなぜなかったのか。経験の乏しいバルディリスになぜ一声がけてやれなかったか。勝負の分岐点として決して小さなものではなかったように思う。
次に投球と継投。先発安藤は与えられた職責を良く全うしたと思う。特に思い切って直球を高めに配した点が素晴らしかった。次戦も自信を持って望んで欲しい。
ゲームプラン通り7回から久保田。これは今後のことも考えて、コーチングスタッフがベストであると導き出したプランなのだから良いだろう。
久保田の投球は結果的に先頭から三者ともヒットとなったが、良い投球をしていた。3本のヒットはいずれも「おいおいそんなのがヒットになっちゃうのかよ」と言わずにはおれないような当たりである。いずれも追い込んでからのヒットだっただけに、もっとオーソドックスに三振を狙う配球をしても良かったように思う。無死満塁からもっとも当たっている川本は高めの直球で追い込んでフォークで三振。そうそうそれそれ…あれ?
ここでのウィリアムスへのスイッチがイマイチ好みじゃなかったな。ええやん久保田に2,3点やったりいな。全部ポテンやん、ポテンもポテン、振らせてないやん。で、ジェフは志田を三ゴロ、本当はチェンジ。ところがそうならず、併殺崩れで5−1。青木タイムリーで5−2、川島慶「あわや」の中越三塁打で5−4。アッチソンが福地三振で火消し。
8回アッチソン続投、先頭畠山レフト線二塁打。1点差とされて一度浮き足立ってしまうとね。しかしここでバントを三塁で刺す。畠山のスタートの悪さにも助けられた幸運。しかしこれをものにできず四球、ヒットで一死満塁。スクランブルスクランブルで藤川登場。
しかし制球定まらず暴投で同点、川本に二塁打され5−7と逆転された。
今この時期、どういう総括が必要かと言えば、「悔やまれる選択があったかどうか」「悔やまれる何かをしたか、何かをしなかったことを悔やんでいるか」だけである。
最後に、「何が勝負の神様の逆鱗に触れたのか」に戻る。
それはタイガースの勝利を願うすべての人の心の内にあったように思えてならない。7回を迎えて5−0、「勝った」と決めつけてしまったその心。5点差は小さい点差ではない。しかし得点経過を見れば、1〜3回はともに0−0。4〜6回の3イニングで5点取ったのだから、当然スワローズにも残り3イニングで5点取ることもできる。ましてや5回の3点は守備の乱れからもらったもの。好走塁を絡めて素晴らしい攻撃が繋がった…ように見えるが、ツキに恵まれたところも大きく、全盛期のように集中力が頂点まで研ぎ澄まされた結果とは言い難い。ようするにまだまだだったのだ。
あのおっさんもまだまだ。あの選手もまだまだ。ファンもまだまだ。
何度でも言おう。「勝った」「負けた」と決めつけた者が負けだ。本当の最後の最後まで必死で戦い続ける者が勝つ。勝負の神様に味方してもらうということはそういうことだ。
まずは攻撃陣。いや攻撃陣に非はなかろう。初回二死から3番新井が三者凡退しない(これとても大事)右前ヒット、金本も右前で繋ぎ、新井は一気に三塁まで。果敢な走塁も出るが今岡がピーゴロ。追い込まれて撫で打ちでチェンジ。
3回は先頭安藤ヒット、赤星バントで走者入れ替わり、平野とのコンビで策もなく遊併打。
4回、初回先頭赤星がファールで粘って以来、チームでかけてきた圧力が先発ゴンザレスに効いてくる。先頭新井が左前ヒット、金本も中前で続く。ここでまたも今岡が甘い球を見送って、最後は外のスライダーを見逃し三振。最後の球は確かにボールっぽかったけど、消極的だった。ここで鳥谷が積極的姿勢でファーストストライクを右前へ、直接取りそうな打球だったが、二走新井&和田コーチ、判断良く一気に本塁突入、ブロックを押し込んでセーフ、1点先制。しかし関本、矢野の後続倒れて、一二塁に残塁は良くない。
5回、またも先頭安藤がクリーンヒット。練習の成果が出て良く振れている。赤星三ゴロでまたも走者入れ替わり。ここからはSのミスが連発。平野の緩い三ゴロで畠山は一度二塁を見てしまって、間に合わないと一塁送球、身のこなし悪く悪送球で一塁セーフ。新井は三振で二死となるもワンバウンドで走者進塁、二死二三塁。金本を歩かせて今岡勝負、しかしまたもワイルドピッチで労せずしてもう1点、2−0。今岡はその直後またも甘い球を見送るが、3球目になんとか三遊間をしぶとく破る。三走平野ホームイン、二走金本も三塁を回る、際どいタイミングだが体を投手よりに倒す上手いスライディングで間一髪セーフ!2点タイムリーとなって4−0。結果的に二死から満塁策の走者を全員返せた。
6回は代わった押本から先頭関本、矢野がツマリ右前を連発、ここでもライトが直接捕りそうだったが、関本が判断良く2コマ取りで三塁へ。無死一三塁で安藤は送りバントを決めて一死二三塁。ここで赤星は詰まったハーフライナーがショートの左へ、川島慶これを捕ることも止めることもできずタイムリーヒットとなる。ダイレクトで捕るのか、バウンドするのか際どい打球だったが、関本は構わずゴー。ちょっとこの辺は流れに身を任せすぎだったように思う。ダイレクトキャッチ&併殺でチェンジになりかねなかったからね。これで5−0。さらに一死一三塁から赤星が盗塁成功、Sバッテリーも十分な警戒の下、完璧な防御だったが、赤星の技術が勝った。しかし後続の平野、新井が倒れて二三塁に残塁。
7回あっさり三者凡退、追い上げられた8回は代わった木田の乱調につけ込んで二死一二塁としたが代打桧山が空振り三振。唯一のストライクを見逃し、誘い球を2つ空振りしてしまった。逆転された9回は先頭新井が右前で出るも金本二併打、代打葛城二ゴロで万事休す。
全体としては良い繋ぎではあったと思う。嫌がることをやる、プレッシャーをかけるということも部分的には出来ていた。しかし甘い球を逃さずに振る、投手心理を頭に入れてボールには手を出さないという点ではイマイチ。
好走塁がどんどん出たのは素晴らしいが、良く良く見れば勢いだけのラッキーなものも混ざっていた。
息の根を止める好機を残すこと度々という点も勝負の神の機嫌を損ねたかも知れない。
守備はどうだったか。中盤まで堅実な守備が目立った。
3回下位打線で無死二三塁のピンチ、そこそこのライトライナーを打たれたが平野の抑止力が効いて突っ込まれず。後続をなんとか抑えてゼロ。
圧巻は5回、無死一塁川本の当たり。ライトポールの根本近くに達しようかという大きな打球、ライト平野一直線に斜め後方に走り、最後はドンピシャのダイビングキャッチ!体はフェンス手前で止まり、クラッシュ&大惨事にならなくて良かったよ。だけど平野はそれでも良いと思っているのだろう。でなきゃ何も考えてないのかも知れない。ダイビングキャッチは普通水平に近い角度で飛び込むものだが、この平野のプレーは弧を描くように高く飛び上がっていた。スーパープレーだった。
痛恨の1プレーは、7回ウラ一死満塁、代打志田の三ゴロ。本当に本当に悔やまれる1プレーだ。当たりは素直、三塁バルディリスの正面、まさにおあつらえ向きの併殺打、この回無失点で終了のはず。しかし結果は5−4−3の併殺崩れ、この回は結果的に4失点となってしまう。この場面、関本は志田の右打ちに備えて一塁寄りにポジションを取っていたためカバーに入るのに必死、一塁送球までは体勢を立て直せなかった。セカンドゲッツーを取れないくらいの無理をしてまで寄ることがあったのか?さらに、関本のポジション取りは良しとしても、「アウト1つ取る」ということなら、三ゴロの場合は5−2−3で併殺を狙うという状況判断がなぜなかったのか。経験の乏しいバルディリスになぜ一声がけてやれなかったか。勝負の分岐点として決して小さなものではなかったように思う。
次に投球と継投。先発安藤は与えられた職責を良く全うしたと思う。特に思い切って直球を高めに配した点が素晴らしかった。次戦も自信を持って望んで欲しい。
ゲームプラン通り7回から久保田。これは今後のことも考えて、コーチングスタッフがベストであると導き出したプランなのだから良いだろう。
久保田の投球は結果的に先頭から三者ともヒットとなったが、良い投球をしていた。3本のヒットはいずれも「おいおいそんなのがヒットになっちゃうのかよ」と言わずにはおれないような当たりである。いずれも追い込んでからのヒットだっただけに、もっとオーソドックスに三振を狙う配球をしても良かったように思う。無死満塁からもっとも当たっている川本は高めの直球で追い込んでフォークで三振。そうそうそれそれ…あれ?
ここでのウィリアムスへのスイッチがイマイチ好みじゃなかったな。ええやん久保田に2,3点やったりいな。全部ポテンやん、ポテンもポテン、振らせてないやん。で、ジェフは志田を三ゴロ、本当はチェンジ。ところがそうならず、併殺崩れで5−1。青木タイムリーで5−2、川島慶「あわや」の中越三塁打で5−4。アッチソンが福地三振で火消し。
8回アッチソン続投、先頭畠山レフト線二塁打。1点差とされて一度浮き足立ってしまうとね。しかしここでバントを三塁で刺す。畠山のスタートの悪さにも助けられた幸運。しかしこれをものにできず四球、ヒットで一死満塁。スクランブルスクランブルで藤川登場。
しかし制球定まらず暴投で同点、川本に二塁打され5−7と逆転された。
今この時期、どういう総括が必要かと言えば、「悔やまれる選択があったかどうか」「悔やまれる何かをしたか、何かをしなかったことを悔やんでいるか」だけである。
最後に、「何が勝負の神様の逆鱗に触れたのか」に戻る。
それはタイガースの勝利を願うすべての人の心の内にあったように思えてならない。7回を迎えて5−0、「勝った」と決めつけてしまったその心。5点差は小さい点差ではない。しかし得点経過を見れば、1〜3回はともに0−0。4〜6回の3イニングで5点取ったのだから、当然スワローズにも残り3イニングで5点取ることもできる。ましてや5回の3点は守備の乱れからもらったもの。好走塁を絡めて素晴らしい攻撃が繋がった…ように見えるが、ツキに恵まれたところも大きく、全盛期のように集中力が頂点まで研ぎ澄まされた結果とは言い難い。ようするにまだまだだったのだ。
あのおっさんもまだまだ。あの選手もまだまだ。ファンもまだまだ。
何度でも言おう。「勝った」「負けた」と決めつけた者が負けだ。本当の最後の最後まで必死で戦い続ける者が勝つ。勝負の神様に味方してもらうということはそういうことだ。