2009.04.08 Wednesday
◇4月7日(火)阪神−広島1回戦(阪神1勝、18時、甲子園、46307人)
広 島 000 120 700− 10
阪 神 102 001 124X−11
【広島】大竹 ドーマン 林 上野 梅津 ●永川(0勝1敗)
【阪神】久保 ウィリアムス 藤田 阿部 ○江草(1勝0敗)
[本塁打]栗原2号(広)
「紙一重」「天国と地獄」。ヒーローインタビューで金本の口から出た二つの言葉こそ、まさにこの試合を表現するのに相応しい。
序盤はタイガースのペース。1回表先発久保は簡単に二死を取るも、3番に入った天谷に際どく四球を選ばれ、絶好調4番栗原には左中間に運ばれる。しかし赤星が最深部で追いつき中継の鳥谷へ、鳥谷からワンバウンド送球が初先発マスクの岡崎へ、タイミングセーフの本塁クロスプレーだったが、岡崎の完璧なブロックでタッチアウト!さらに判定に抗議するブラウン監督に退場が言い渡される!こうして大さわぎの試合は賑々しく始まった。それにしてもいきなり「監督退場不敗神話」のカード切られちゃって、参ったなぁ(笑)。
そのウラ、単打の平野を置いて鳥谷が左フェンス上部に当たる二塁打、平野判断良く走って1点先制。鳥谷が外角高めをレフトに運ぶ時、掛布が見えるんだよなぁ。ナイスバッティング。しかし残る好機は金本、新井で潰して1点止まり。
2回ウラも「揚がりっぱなし」メンチの初ゴロが三失、岡崎の一二塁間を抜くプロ初安、さらに赤星の中前も出て、一死一二塁、二死満塁の好機を作ったが得点できず。
だが3回ウラ、ボテ内野安打の鳥谷が金本の二塁打で一気に帰って2点目。さらにチャンス潰えたかに思えた二死後、メンチが三遊間をゴロで鋭く破る来日初安打、金本生還3点目。インサイドの直球に対し、ヒジをたたんで、軸を回し、最後にピシッとヘッドを返す。来日当初のように形になっていた。
4,5回は好機生かせず。メンチ2本目のヒットはレフト前へライナーのクリーンヒット。
久保は上々の立ち上がり。直球に威力あり、多彩な変化球で内外、緩急を使っていた。しかし4回栗原の二塁打をきっかけに石井琢にしぶとくタイムリーされ失点。さらに5回は二死一塁からまたも栗原に2ランHRを食らう。インロー直球を続け、甘くなって持って行かれた。
しかし6回表は立て直して、シーボル、石井琢、石原と下位ながらうるさいところを三者連続三振。力を入れた直球は150km/h近く、フォークも良く切れた。この立ち直りで7回続投の伏線。
同点の6回ウラ、先頭赤星四球、平野送り。赤星を策なくバントで送る形が2度続いたところを見ると、3,4番への信頼だけでなく、赤星のコンディションがイマイチなのかもね。二死三塁となった後、2番手ドーマン、金本の背後を通る暴投でタイガース労せずして勝ち越し。
7回表。久保は先頭を打ち取って一死。場内は今年も風船膨らませるんでザワザワ、ぴーぴー、ふーふー、パチン…。ああ、早くせな、みんな風船持ったまま、回が終わんの待っとるわ…。久保!良いんだ、そんなの気にしなくて!自分のことだけ考えろ!だけどみんな風船ぎっちー握ってじっと待ってる…かくして赤松、東出に連打されたところで交代。
7〜9回の必勝パターンを持っているタイガース。しかし真弓監督は「先発は7回まで」を掲げている。行かせた判断もアリ。このへんは紙一重。しかし7回の途中で替えるのはどういう場合かのシミュレーション、準備が足りなかったように見受けられる。替わったジェフは代打緒方に死球、栗原に4安打目、4打点目となる二点タイムリーを打たれ逆転。二死後もシーボルに右線に運ばれメンチがこれを止められず三塁打となり2点追加4−7、石井内野安打で続き4−8。やむなく太陽に替えるも止められず連打を食って4−10。7回表終了、なんと大量失点で勝ちゲームが大敗ゲームになってしまった。天国から地獄。
ところが「今年はヤバイかも」という危機感は選手も同じ。そういうチームは、試合を捨てたりする余裕はない。常に全力でやるしかない。ましてや新甲子園のこけら落としで不甲斐ない試合はできない。7回ウラ関本左線突破の二塁打。ちょっと期待できるメンチだったが林の切れるスライダーには空を切った。内の直球が出来たら、次は外のスライダー。順番にやってったらいいよ。二死、岡崎のあたりは完全な詰まりだったが、ショート後方にポトリ。これがラッキーな初打点、初タイムリー。なかなか持っているじゃない。大量失点の責任を感じ塁上では厳しい表情だったが、この1点で「もしや」が生まれたのは間違いない。
8回表阿部、簡単に二死を取るが、絶好調栗原に対してインハイを狙った直球が抜けて栗原の頭部へ。下がりながらヘルメットの耳当てに当たったように見えた。阿部は危険球で本日2人目の退場。どういう理由かわからないが、そういう球を投げちゃ信用されない。高さかコース、どっちかは合ってないと。インハイに直球投げる資格はなし。立て直して欲しい。
笑顔で立ち上がる栗原。真弓監督フットワーク軽く飛び出して、栗原に謝罪。笑顔で返す栗原。イヤなシーンの後の爽やかな情景。栗原は素晴らしい。繰り上がり登板の江草が後続を断ってチェンジ。
8回ウラ、Cは上野にスイッチ。一死後平野中前、鳥谷四球。暴投で二三塁となって金本の緩いゴロは右に寄っていたセカンドの左を抜け二者生還。新井、関本は倒れてこれでスコアは7−10。もしや?何があるかわからないよ、でもまあまさかね。
9回表、江草が適当に終わらせて(笑)さあ9回ウラ。
3点差、マウンドには永川。やっぱないか…。メンチ初球の甘い直球を悠然と見逃して2球目の高いスライダーをレフト前へ。狙っていたかな。おお、わからんわからん。代打葛城しっかり打席を作ってフルカウントから低め直球をジャストミートで右前、無死一二塁。あるある!桧山、惜しい!完璧なライナー性の当たりもライト正面、メンチはタッチアップで一死一三塁。赤星初球三遊間、ショート梵追いついたが止めただけ、メンチ帰って8−10、なお一死一二塁、行ける行ける!ニュー甲子園のわっしょいわっしょいもニューバージョン?エンドレスになってきた。ああ平野5球目を上げて左飛、これで二死。まだまだ!
鳥谷はちょっとヒットが出ない時は危なかったけど、きっちり持ち直して来た。また雰囲気が戻っている。フォーク連投の3球目、見事にレフト前へライナーで運ぶ、外野は「シングルOK」の守備位置、葛城の代走狩野、快足飛ばして生還、9−10、1点差!
さあ、1点差、二死一二塁で金本。監督不在のCベンチも慌ただしい。マウンドに集まる内野陣、栗原が永川に大きく頷き、勝負だと激励する。
打席に金本。ルーティーンの途中、珍しくタイムを要求してスプレーをかけ直す。直球、フォーク…頭の中で考えを整理させて打席へ。直球ストライク、直球ボール、フォークでボール、フォーク高めでストライク。スイングすることなくカウント2−2。一走鳥谷が帰れば逆転、自動スタートとなるカウント2−3にしたくはない。だから直球60%、フォーク40%。第5球、膝元へワンバウンドのフォーク!もしインサイドの直球なら振り出しが遅れれば当たらない。反応が必要。ヒザに腕に鍛えたパワーを込めてスイングを止める、ハーフスイング回ったか?判定セーフ!
紙一重。これでカウントは2−3。走者は投球と同時にスタートする。1ヒット同点は確定なので外野は下がって間さえ抜かれなければ良いという守備位置。6球目、恐らく5球目を見て金本の頭は80%フォーク。そしてフォークがストライクへ。十分に引きつけた打球が右翼線を襲う!入るか?落ちる、フェア!赤星ホームイン同点、鳥谷も三塁を回る、中継からバックホーム、良い球が返って来る、鳥谷スライディング、タッチ、わずかに鳥谷の足が早く入ったセーフ!サヨナラ!逆転サヨナラ!二塁上で大きなガッツポーズの金本、あっという間にチームメイトが取り囲む。その中には真弓監督もいて、金本と抱き合った。なんて足取りの軽い監督なんだ(笑)。
向こうの4番もすごいけど、こっちの4番はもっとすごい。5打点でサヨナラ打、毎試合ヒーローだもん。
そしてヤバイチーム、弱いチームだけど、一所懸命やっているチーム。真弓監督は、ちょっと軽くて、失敗もあるけれど、素直で一途な良い新監督だ。
リニューアル甲子園完成第1戦。完成度の高い試合とはとても言えなかったけれど、面白さは「完成品」。ライナービジョンが勝利の歌を映し出し、大銀傘下の興奮はいつまでもおさまらなかった。
序盤はタイガースのペース。1回表先発久保は簡単に二死を取るも、3番に入った天谷に際どく四球を選ばれ、絶好調4番栗原には左中間に運ばれる。しかし赤星が最深部で追いつき中継の鳥谷へ、鳥谷からワンバウンド送球が初先発マスクの岡崎へ、タイミングセーフの本塁クロスプレーだったが、岡崎の完璧なブロックでタッチアウト!さらに判定に抗議するブラウン監督に退場が言い渡される!こうして大さわぎの試合は賑々しく始まった。それにしてもいきなり「監督退場不敗神話」のカード切られちゃって、参ったなぁ(笑)。
そのウラ、単打の平野を置いて鳥谷が左フェンス上部に当たる二塁打、平野判断良く走って1点先制。鳥谷が外角高めをレフトに運ぶ時、掛布が見えるんだよなぁ。ナイスバッティング。しかし残る好機は金本、新井で潰して1点止まり。
2回ウラも「揚がりっぱなし」メンチの初ゴロが三失、岡崎の一二塁間を抜くプロ初安、さらに赤星の中前も出て、一死一二塁、二死満塁の好機を作ったが得点できず。
だが3回ウラ、ボテ内野安打の鳥谷が金本の二塁打で一気に帰って2点目。さらにチャンス潰えたかに思えた二死後、メンチが三遊間をゴロで鋭く破る来日初安打、金本生還3点目。インサイドの直球に対し、ヒジをたたんで、軸を回し、最後にピシッとヘッドを返す。来日当初のように形になっていた。
4,5回は好機生かせず。メンチ2本目のヒットはレフト前へライナーのクリーンヒット。
久保は上々の立ち上がり。直球に威力あり、多彩な変化球で内外、緩急を使っていた。しかし4回栗原の二塁打をきっかけに石井琢にしぶとくタイムリーされ失点。さらに5回は二死一塁からまたも栗原に2ランHRを食らう。インロー直球を続け、甘くなって持って行かれた。
しかし6回表は立て直して、シーボル、石井琢、石原と下位ながらうるさいところを三者連続三振。力を入れた直球は150km/h近く、フォークも良く切れた。この立ち直りで7回続投の伏線。
同点の6回ウラ、先頭赤星四球、平野送り。赤星を策なくバントで送る形が2度続いたところを見ると、3,4番への信頼だけでなく、赤星のコンディションがイマイチなのかもね。二死三塁となった後、2番手ドーマン、金本の背後を通る暴投でタイガース労せずして勝ち越し。
7回表。久保は先頭を打ち取って一死。場内は今年も風船膨らませるんでザワザワ、ぴーぴー、ふーふー、パチン…。ああ、早くせな、みんな風船持ったまま、回が終わんの待っとるわ…。久保!良いんだ、そんなの気にしなくて!自分のことだけ考えろ!だけどみんな風船ぎっちー握ってじっと待ってる…かくして赤松、東出に連打されたところで交代。
7〜9回の必勝パターンを持っているタイガース。しかし真弓監督は「先発は7回まで」を掲げている。行かせた判断もアリ。このへんは紙一重。しかし7回の途中で替えるのはどういう場合かのシミュレーション、準備が足りなかったように見受けられる。替わったジェフは代打緒方に死球、栗原に4安打目、4打点目となる二点タイムリーを打たれ逆転。二死後もシーボルに右線に運ばれメンチがこれを止められず三塁打となり2点追加4−7、石井内野安打で続き4−8。やむなく太陽に替えるも止められず連打を食って4−10。7回表終了、なんと大量失点で勝ちゲームが大敗ゲームになってしまった。天国から地獄。
ところが「今年はヤバイかも」という危機感は選手も同じ。そういうチームは、試合を捨てたりする余裕はない。常に全力でやるしかない。ましてや新甲子園のこけら落としで不甲斐ない試合はできない。7回ウラ関本左線突破の二塁打。ちょっと期待できるメンチだったが林の切れるスライダーには空を切った。内の直球が出来たら、次は外のスライダー。順番にやってったらいいよ。二死、岡崎のあたりは完全な詰まりだったが、ショート後方にポトリ。これがラッキーな初打点、初タイムリー。なかなか持っているじゃない。大量失点の責任を感じ塁上では厳しい表情だったが、この1点で「もしや」が生まれたのは間違いない。
8回表阿部、簡単に二死を取るが、絶好調栗原に対してインハイを狙った直球が抜けて栗原の頭部へ。下がりながらヘルメットの耳当てに当たったように見えた。阿部は危険球で本日2人目の退場。どういう理由かわからないが、そういう球を投げちゃ信用されない。高さかコース、どっちかは合ってないと。インハイに直球投げる資格はなし。立て直して欲しい。
笑顔で立ち上がる栗原。真弓監督フットワーク軽く飛び出して、栗原に謝罪。笑顔で返す栗原。イヤなシーンの後の爽やかな情景。栗原は素晴らしい。繰り上がり登板の江草が後続を断ってチェンジ。
8回ウラ、Cは上野にスイッチ。一死後平野中前、鳥谷四球。暴投で二三塁となって金本の緩いゴロは右に寄っていたセカンドの左を抜け二者生還。新井、関本は倒れてこれでスコアは7−10。もしや?何があるかわからないよ、でもまあまさかね。
9回表、江草が適当に終わらせて(笑)さあ9回ウラ。
3点差、マウンドには永川。やっぱないか…。メンチ初球の甘い直球を悠然と見逃して2球目の高いスライダーをレフト前へ。狙っていたかな。おお、わからんわからん。代打葛城しっかり打席を作ってフルカウントから低め直球をジャストミートで右前、無死一二塁。あるある!桧山、惜しい!完璧なライナー性の当たりもライト正面、メンチはタッチアップで一死一三塁。赤星初球三遊間、ショート梵追いついたが止めただけ、メンチ帰って8−10、なお一死一二塁、行ける行ける!ニュー甲子園のわっしょいわっしょいもニューバージョン?エンドレスになってきた。ああ平野5球目を上げて左飛、これで二死。まだまだ!
鳥谷はちょっとヒットが出ない時は危なかったけど、きっちり持ち直して来た。また雰囲気が戻っている。フォーク連投の3球目、見事にレフト前へライナーで運ぶ、外野は「シングルOK」の守備位置、葛城の代走狩野、快足飛ばして生還、9−10、1点差!
さあ、1点差、二死一二塁で金本。監督不在のCベンチも慌ただしい。マウンドに集まる内野陣、栗原が永川に大きく頷き、勝負だと激励する。
打席に金本。ルーティーンの途中、珍しくタイムを要求してスプレーをかけ直す。直球、フォーク…頭の中で考えを整理させて打席へ。直球ストライク、直球ボール、フォークでボール、フォーク高めでストライク。スイングすることなくカウント2−2。一走鳥谷が帰れば逆転、自動スタートとなるカウント2−3にしたくはない。だから直球60%、フォーク40%。第5球、膝元へワンバウンドのフォーク!もしインサイドの直球なら振り出しが遅れれば当たらない。反応が必要。ヒザに腕に鍛えたパワーを込めてスイングを止める、ハーフスイング回ったか?判定セーフ!
紙一重。これでカウントは2−3。走者は投球と同時にスタートする。1ヒット同点は確定なので外野は下がって間さえ抜かれなければ良いという守備位置。6球目、恐らく5球目を見て金本の頭は80%フォーク。そしてフォークがストライクへ。十分に引きつけた打球が右翼線を襲う!入るか?落ちる、フェア!赤星ホームイン同点、鳥谷も三塁を回る、中継からバックホーム、良い球が返って来る、鳥谷スライディング、タッチ、わずかに鳥谷の足が早く入ったセーフ!サヨナラ!逆転サヨナラ!二塁上で大きなガッツポーズの金本、あっという間にチームメイトが取り囲む。その中には真弓監督もいて、金本と抱き合った。なんて足取りの軽い監督なんだ(笑)。
向こうの4番もすごいけど、こっちの4番はもっとすごい。5打点でサヨナラ打、毎試合ヒーローだもん。
そしてヤバイチーム、弱いチームだけど、一所懸命やっているチーム。真弓監督は、ちょっと軽くて、失敗もあるけれど、素直で一途な良い新監督だ。
リニューアル甲子園完成第1戦。完成度の高い試合とはとても言えなかったけれど、面白さは「完成品」。ライナービジョンが勝利の歌を映し出し、大銀傘下の興奮はいつまでもおさまらなかった。