2009.04.24 Friday
◇4月23日(木)中日−阪神5回戦(中日3勝2敗、18時、ナゴヤドーム、30850人)
阪 神000 000 010 003−4
中 日000 010 000 000−1
【阪神】安藤 ウィリアムス アッチソン ○藤川(1勝0敗)
【中日】吉見 岩瀬 斉藤 高橋 平井 ●ネルソン(0勝2敗) パヤノ 菊地
[本塁打]桧山1号(神) 鳥谷3号(神)
1−1同点のまま延長12回表。9回の岩瀬から、降順にカードを切ってマウンドには7番手のパヤノ。逆にタイガースは、ジェフ、アッチソン、球児と昇順に繋いできたのだから、力学的な優位がある。だがこの二死一二塁、打席の鳥谷が倒れれば4時間半の試合、勝ちも価値もなくなる。「引き分けを挟んだ連敗」は止まらず、言いようのない疲労感だけが残る。
初球完全なボールで、その後の2球目は「何でもない球」が真ん中付近に来て、鳥谷意表をつかれて見逃し。3球目、小田が外角に構えたミットが130km/h台前半の半速球の軌道に合わせてインハイに動く。左打席の鳥谷、これを懐まで引き寄せて引き寄せて、やわらかな振り出しから強烈にインパクト。低い弾道は、グーンと伸びて、ものすごい勢いを維持したままライトスタンドに達した。
この鳥谷のホームランの爽快さったらなかった。天国と地獄の境目にある打席で、良く思い切って振った。なんというか、ほんのひととき、心が救われるような気分を味わった。美しい弾道のせいもあるだろう。それまで何本も何本もバットをへし折られ、嘲笑われているような気になっていたのもあるだろう。こんなに苦労しても、それでも勝てないのか…そんな悔しい気持ちを粉々にひっぱたいてくれるようなホームランだった。
後で聞けば、打たれたパヤノは前の打者への投球で肩を痛めていたという。ケガしても詳しく発表しないというチーム方針が選手にまで徹底しているワケじゃないだろうが、タイガースにとってはラッキーだった。まあそんなことで、打てて当然という状況だったようだが、それでも鳥谷はよう打ったよ。
でも本当にチームを救ったのは、8回表先頭打者、好投した先発安藤への代打として打席に立ち、見事な同点ホームランを放った桧山だった。この回無得点なら、予定通り9回岩瀬が出て来ておしまい。4連敗への流れは止められなかったろう。まさに沈み行くチームを一撃で救う起死回生の一発だった。
それにこの一打はたくさんの人を救った。5回、「負けの1点」は珍しい平野の悪送球からだった。何でもないゴロ、握り損ねから荒木の足に焦って高投。
さらには盗塁を読んで、ウェストしたのに高い送球でアウトにできなかった狩野も救われた。守る方でも順調に自信をつけて欲しいのだが、ここ最近は送球の乱れが目立つ。そして前からだけど、投球を投手に返す球のひどいこと。届かないことしばしば。あれじゃ投手も乗っていけない。なんか特別な理由があるのかどうか知らないが、それくらい何とかせいよ。
そしてそんな味方のミスをなんとかカバーしようとしたが、カバーしきれずに井端、森野に連打され先制を許してしまった安藤をも救った。でも安藤は頑張って投げていたもん、本当に。その安藤の代打で、少なくとも安藤の負けを消したんだから、安藤はありがたかっただろうね。
この森野の右翼フェンス上部直撃で、一走井端が本塁で憤死。葛城のクッション処理、平野の中継も良かったが、ここは三塁苫篠コーチのミス。大量失点に繋がらず大いに助かった。
さて、桧山の一発。先発で好投の吉見はこの8回まで。気合を前面に出して、最後の力を振り絞っていた。逆に気が入りすぎてカウント0−2。吉見が投げた3球目は意図した低めよりやや高く真ん中寄りに入ったが、それでも気の入った良い直球。だが桧山のスイングにはそれ以上の気が入っていた。第1ストライクを第1スイング、それでもドンピシャのタイミングで捉える。快音を響かせた打球は、力強く大きな弧を描きながらバックスクリーン右に飛び込んだ。若々しくて豪快な軌道のホームランだった。
これが代打の神様八木さんに並ぶ13本目の代打本塁打。確かにその集中力、代打としてのノウハウは八木さんレベルに来ている。桧山ってスゴイね。
このホームランで、低調だった打線が少なくとも積極的に強く振ろうという意識に目覚めた。このHRの前の2安打(わずか)は、赤星、関本の逆方向への巧打。しかしこの後に生まれた6安打はすべてしっかり振り切ったハードヒットだった。サヨナラ劇も狩野のそんなヒットからだったし、狩野からの打順になったのも前の回代打で出た藤本の良いヒットから果敢に盗塁(わずかに失敗)を試みたから。
そういう勇猛さを喚起した桧山の一発。この試合だけに終わらせない救済弾としてほしい。
初球完全なボールで、その後の2球目は「何でもない球」が真ん中付近に来て、鳥谷意表をつかれて見逃し。3球目、小田が外角に構えたミットが130km/h台前半の半速球の軌道に合わせてインハイに動く。左打席の鳥谷、これを懐まで引き寄せて引き寄せて、やわらかな振り出しから強烈にインパクト。低い弾道は、グーンと伸びて、ものすごい勢いを維持したままライトスタンドに達した。
この鳥谷のホームランの爽快さったらなかった。天国と地獄の境目にある打席で、良く思い切って振った。なんというか、ほんのひととき、心が救われるような気分を味わった。美しい弾道のせいもあるだろう。それまで何本も何本もバットをへし折られ、嘲笑われているような気になっていたのもあるだろう。こんなに苦労しても、それでも勝てないのか…そんな悔しい気持ちを粉々にひっぱたいてくれるようなホームランだった。
後で聞けば、打たれたパヤノは前の打者への投球で肩を痛めていたという。ケガしても詳しく発表しないというチーム方針が選手にまで徹底しているワケじゃないだろうが、タイガースにとってはラッキーだった。まあそんなことで、打てて当然という状況だったようだが、それでも鳥谷はよう打ったよ。
でも本当にチームを救ったのは、8回表先頭打者、好投した先発安藤への代打として打席に立ち、見事な同点ホームランを放った桧山だった。この回無得点なら、予定通り9回岩瀬が出て来ておしまい。4連敗への流れは止められなかったろう。まさに沈み行くチームを一撃で救う起死回生の一発だった。
それにこの一打はたくさんの人を救った。5回、「負けの1点」は珍しい平野の悪送球からだった。何でもないゴロ、握り損ねから荒木の足に焦って高投。
さらには盗塁を読んで、ウェストしたのに高い送球でアウトにできなかった狩野も救われた。守る方でも順調に自信をつけて欲しいのだが、ここ最近は送球の乱れが目立つ。そして前からだけど、投球を投手に返す球のひどいこと。届かないことしばしば。あれじゃ投手も乗っていけない。なんか特別な理由があるのかどうか知らないが、それくらい何とかせいよ。
そしてそんな味方のミスをなんとかカバーしようとしたが、カバーしきれずに井端、森野に連打され先制を許してしまった安藤をも救った。でも安藤は頑張って投げていたもん、本当に。その安藤の代打で、少なくとも安藤の負けを消したんだから、安藤はありがたかっただろうね。
この森野の右翼フェンス上部直撃で、一走井端が本塁で憤死。葛城のクッション処理、平野の中継も良かったが、ここは三塁苫篠コーチのミス。大量失点に繋がらず大いに助かった。
さて、桧山の一発。先発で好投の吉見はこの8回まで。気合を前面に出して、最後の力を振り絞っていた。逆に気が入りすぎてカウント0−2。吉見が投げた3球目は意図した低めよりやや高く真ん中寄りに入ったが、それでも気の入った良い直球。だが桧山のスイングにはそれ以上の気が入っていた。第1ストライクを第1スイング、それでもドンピシャのタイミングで捉える。快音を響かせた打球は、力強く大きな弧を描きながらバックスクリーン右に飛び込んだ。若々しくて豪快な軌道のホームランだった。
これが代打の神様八木さんに並ぶ13本目の代打本塁打。確かにその集中力、代打としてのノウハウは八木さんレベルに来ている。桧山ってスゴイね。
このホームランで、低調だった打線が少なくとも積極的に強く振ろうという意識に目覚めた。このHRの前の2安打(わずか)は、赤星、関本の逆方向への巧打。しかしこの後に生まれた6安打はすべてしっかり振り切ったハードヒットだった。サヨナラ劇も狩野のそんなヒットからだったし、狩野からの打順になったのも前の回代打で出た藤本の良いヒットから果敢に盗塁(わずかに失敗)を試みたから。
そういう勇猛さを喚起した桧山の一発。この試合だけに終わらせない救済弾としてほしい。