2009.04.25 Saturday
◇4月24日(金)広島−阪神4回戦(阪神3勝1敗、18時、マツダスタジアム、24417人)
阪 神 210 010 000−4
広 島 000 000 000−0
【阪神】○能見(2勝2敗)
【広島】●前田健(2勝2敗) 林 ドーマン 青木高
タッチャン達川氏の解説は、自信満々断言するけどウソが多くて面白い(笑)。「今のイレギュラーは土と芝の本当の境目で跳ねましたね(実際は境目ではなく土の部分で跳ねた)」、「いやサードコーチャーは回してましたね(実際は止めていた)」など。だから「新井は近々大爆発する」とか、「新球場がイレギュラーしなくなるには土やら芝やら育てるのに3年かかる」という断言にも、思わず「ホンマかいな」とツッコミを入れたくなる。あんた新球場育てたことあるんかい(笑)。
でもそんなタッチャンが大絶賛していた狩野のリードは「ウソ」なし。右打者の内に速球とスライダー、外へはチェンジアップと直球、真ん中にフォーク。踏み込みを封じ、開きを早くし、振り遅れさせ、ボールを振らせる。打席ごとに打者の狙いのウラを取る配球が冴えまくった。走者がいてもワンバウンド変化球を要求し、しっかり止めていた。完封劇の少なくとも2〜3割は狩野によるところと言って良いだろう。
1つ勝ったとはいえまだまだ不安一杯の能見と、苦手のマエケンのマッチアップだから苦戦必至と思われたが、とにかくツキがめぐっていた。
まずカープに元気がなかった。大黒柱のルイスが離脱中、さらには4番栗原まで腰痛でスタメンを外れていたこと。正確無比の前田健のコントロールが珍しく悪かったこと。イレギュラーやポテンなどラッキーな打球に恵まれたこと。しばらくついてねーなーってことが多かったから、まあこういうこともあるさ。
ただそういうラッキーをしっかり生かして勝つだけのピリッとしたところがあったとも言える。初回一死一塁で鳥谷の二ゴロが大きく弾んでライト前に転がるや、しっかり三塁を取った関本の走塁。金本四球で一死満塁となり、変化球に食らいついた新井の左犠飛。ライナー性の良い当たりだった。もう1点欲しい二死一二塁、初球から振っていって、追い込まれてからボールを見極めて、やっぱり変化球に食らいついて右前ヒットした桜井。そして良いスタートから生還した二走鳥谷(山脇コーチの制止は不可解)。どれも集中力を感じた。
2回も良かった。先頭狩野が甘い球を逃さずに叩いて中前クリーンヒット。能見送って、赤星は意図のある引っ張りで二ゴロ、二死三塁。関本追い込まれてから外の変化球に食らいついて中前。意識がピリっとしているから気持ちが繋がりが打線の繋がり、走者の動きになって、特点になる。
5回は中前で出た赤星が関本バントの構えの初球にスチール成功。2球目バント成功であっという間に一死三塁を作った(二死から金本の左前ポテンで赤星生還)。
前夜の桧山の一撃以来、1球たりともおろそかにしないという鋭利さが生まれている。それがラッキーを呼び、そのラッキーを生かしている。
あとは守備の課題が一つ二つ。まあいっぱいいっぱいのプレーなので反省して生かせばよろし。
能見にとってなんといってもラッキーだったのは、序盤から援護をもらえたことだ。楽な気持ちで投げ込む直球は、内角、外角ともにコントロールされ、球速も140km/h台の半ば、ぴゅっと伸びていた。
1回一死三塁、2回無死一塁、3回二死二三塁、4回一死一二塁→二死一三塁、6回一死一二塁、7回二死一二塁と、ヒットは打たれ、毎回のようにピンチを背負った。それでもいつもの「挙動不審」はまったく見られなかった。四球はあってもしっかり攻めた結果の四球だった。ズバンと真っ直ぐ勝負で空振りを取り、真っ直ぐを警戒させて変化球を振らせた。
球数から言っても6回、行っても7回が良いとこと見ていたが、だんだんと気合が乗ってくる様子に続投、最後は自信に満ちあふれた投球で8,9回を3人ずつで仕留めた。
何と言っても外の真っ直ぐ。「原点」に良い球が投げられれば、怖さを感じることなく組み立てができる。クロスファイアは意表をつく球にできる。 シーズン序盤に自信を深める好投ができたことはとてつもなく大きい。
いつでもこんな投球ができれば、面白いように勝てるだろう。ナイスピッチ!