2009.05.13 Wednesday
◇5月12日(火)阪神−広島7回戦(阪神5勝2敗、18時、甲子園、41558人)
広 島 000 000 000 −0
阪 神 000 000 001X−1
【広島】大竹 ●横山(0勝2敗)
【阪神】○下柳(3勝2敗)
[本塁打] 金本9号(神)
帰宅してTVをつけたのが20:15。いつものように画面から情報を読み取ろうとするが、「え?」と思うような不自然なことばかり。
スコアは0−0、これは驚きというより「またかよ」。回は9回表、「え?」。マウンドに下柳、「え?」。シモの顔にヒゲがない「え?」(笑)。正確にはうっすらとそれっぽいのが見えるから再整備中なのかな。それとも冬毛から夏毛に生え替わるのかな(笑)。
とまあ、だんだん状況が把握できたところで、シモの投球を見ると実に見事。もうここ数年ずっとだけれどね。特に右打者のインサイドの使い方がすごい。曲がりの大きなスライダーを胸元ボールゾーンに食い込ませる。外側にあった球がぐいっと体の近くに接近する。これがクサビ。こいつをぶち込まれると、打者の体は、腰を蝶番に体が二つ折れになる。次、外角にシュートが来ることは打者もわかっている。でも一度腰から折れた体では、届くはずのボールにバットが届かない。あるいは外とわかっているつもりだったら、もう一つ内に今度はストライクで不細工な空振り。あるいはフォークを落とされて…なーんだ結局クサビの後も次の球が読めないじゃん。普通ならボールを1つやるとカウントが悪くなって投手は不利になるものだが、シモのクサビは自分を有利にするボール。ストライクもアウトも2つまでOK、でもボールは3つまでOKという野球の許容ルールをフル活用する投球と言える。
9回表も赤松、天谷とうるさいところを簡単に打ち取って二死、完封だよ完封、すごいなあ。はあ、もう。栗原は甘いシュートを強振、トップスピンのかかったライナー性の打球が鳥谷のグラブの手前でワンバウンドして、グラブの下を抜けていく。捕れたろ、今のは!捕れなくても止められたろ!打てないなら打てないでしゃあないが、せめて守りで盛り立てろや!そんな気持ちが球場に溢れる。当然、シモも一瞬そう思ったはず。いかんいかん冷静に、平静に。捕れたも惜しいもない、ただのシングルだ。しかし人の心はそう簡単なもんじゃない。あれでチェンジやろ、あれ捕れたろ…まだその辺をぐるぐるぐるぐる…。シーボルへの球に集中力がない。渾身のボール球にならず、見切られて四球。まずいまずい。二死一二塁、しかし狩野も落ち着いていた。マクレーンにはフォーク、フォークでカウント1−1、ここで内角に一発クサビを打ち込んで、最後もフォークで腰を折らせたまま力ない右飛を上げさせた。
後にリプレイで振り返ったが、とにかくあれだけ狙いをもってボールを配置できれば、投球も楽しかろう。狩野も配球が楽しかろう。良くコミュニケーションをとりながら抑え込んだ。わずか2安打だ。ナイスピー!ナイスリード!
悠然とベンチに引き上げる下柳。首脳陣が労う。ベンチ裏へと向かう途中に金本がいる、ちょいと接触して一言声をかけ、笑顔で反応する金本。
9回ゼロ。完封だぞ完封!なにをやっとるんじゃい。これでシモに勝ちつかず、さらに敗戦なんて、そんなのあり得んぞ!
ふつふつと沸く怒りのさなか、打席に金本。カープは8回こちらも零封、直球ズドン、フォークストン、カーブどろんの大竹を降ろして横山。大竹の球数119。ブラウン監督にすれば、まだ5月、投手のコンディション最優先ということなのだろう。そう信じて、長い目で見ればそれが正しいのかも知れない。それでも大竹は無念だったろうなと思う。
金本はこの日外角球をレフトに打つ意識をずっと持っていたと思う。第1打席の第1スイング(三塁スタンドへのファール)からそう見えた。一つにはこの日の強い浜風。芯を食った打球がスタンドインする可能性があるのはライトではなくレフトだと思っていただろう。もう一つには最近のフォームチェック。ボールの呼び込みが甘く、始動が早く、インパクトの瞬間にはわずかに体の開いてしまって、ボールに下半身の力が乗っていない。それを矯正して行く意識が強かったのだろう。第3打席ではアウトローを見事に弾き返して左翼線を破る二塁打を放っている(二死からなんだから一走関本帰ってこいっつうの)。
先頭打者のこの打席も外角低めを引きつけて左へ痛打というイメージはあったろう。当然この局面、そこが中心の配球となることもわかっている。3球目、横山のフォークがやや中に寄る、この低めのボールを狙い通りのスイングで捉えると、バットとボールが理想的な角度で衝突し、浮力を生じるバックスピンがかかる、伸びる、レフトバック、見上げた、入った!一塁を回ったところで左手を軽く上げ、一塁ダッグアウトを笑顔で振り返る。きっとその視線の先には下柳を探したのだろう。
ベース一周、ナインの手荒い洗礼が待つホームを駆け抜け、喜びを分かち合う。下柳がガバッと抱きつき、ハグしあう四十男たち。ハグというより大型犬がじゃれついているようにも見えた(笑)。
無死満塁で藤本がやっちゃったり(でも好守で盛り立てていたね)、どうにもちぐはぐで、もどかしい試合だったけれど、この日に限っては大竹の投球もまた見事、素晴らしかった。まあなんだ、シモが勝ち取るべき「完封勝利」を、しっかりと4番が届けたと。めでたしめでたし、ということではいかんかね?(笑)
スコアは0−0、これは驚きというより「またかよ」。回は9回表、「え?」。マウンドに下柳、「え?」。シモの顔にヒゲがない「え?」(笑)。正確にはうっすらとそれっぽいのが見えるから再整備中なのかな。それとも冬毛から夏毛に生え替わるのかな(笑)。
とまあ、だんだん状況が把握できたところで、シモの投球を見ると実に見事。もうここ数年ずっとだけれどね。特に右打者のインサイドの使い方がすごい。曲がりの大きなスライダーを胸元ボールゾーンに食い込ませる。外側にあった球がぐいっと体の近くに接近する。これがクサビ。こいつをぶち込まれると、打者の体は、腰を蝶番に体が二つ折れになる。次、外角にシュートが来ることは打者もわかっている。でも一度腰から折れた体では、届くはずのボールにバットが届かない。あるいは外とわかっているつもりだったら、もう一つ内に今度はストライクで不細工な空振り。あるいはフォークを落とされて…なーんだ結局クサビの後も次の球が読めないじゃん。普通ならボールを1つやるとカウントが悪くなって投手は不利になるものだが、シモのクサビは自分を有利にするボール。ストライクもアウトも2つまでOK、でもボールは3つまでOKという野球の許容ルールをフル活用する投球と言える。
9回表も赤松、天谷とうるさいところを簡単に打ち取って二死、完封だよ完封、すごいなあ。はあ、もう。栗原は甘いシュートを強振、トップスピンのかかったライナー性の打球が鳥谷のグラブの手前でワンバウンドして、グラブの下を抜けていく。捕れたろ、今のは!捕れなくても止められたろ!打てないなら打てないでしゃあないが、せめて守りで盛り立てろや!そんな気持ちが球場に溢れる。当然、シモも一瞬そう思ったはず。いかんいかん冷静に、平静に。捕れたも惜しいもない、ただのシングルだ。しかし人の心はそう簡単なもんじゃない。あれでチェンジやろ、あれ捕れたろ…まだその辺をぐるぐるぐるぐる…。シーボルへの球に集中力がない。渾身のボール球にならず、見切られて四球。まずいまずい。二死一二塁、しかし狩野も落ち着いていた。マクレーンにはフォーク、フォークでカウント1−1、ここで内角に一発クサビを打ち込んで、最後もフォークで腰を折らせたまま力ない右飛を上げさせた。
後にリプレイで振り返ったが、とにかくあれだけ狙いをもってボールを配置できれば、投球も楽しかろう。狩野も配球が楽しかろう。良くコミュニケーションをとりながら抑え込んだ。わずか2安打だ。ナイスピー!ナイスリード!
悠然とベンチに引き上げる下柳。首脳陣が労う。ベンチ裏へと向かう途中に金本がいる、ちょいと接触して一言声をかけ、笑顔で反応する金本。
9回ゼロ。完封だぞ完封!なにをやっとるんじゃい。これでシモに勝ちつかず、さらに敗戦なんて、そんなのあり得んぞ!
ふつふつと沸く怒りのさなか、打席に金本。カープは8回こちらも零封、直球ズドン、フォークストン、カーブどろんの大竹を降ろして横山。大竹の球数119。ブラウン監督にすれば、まだ5月、投手のコンディション最優先ということなのだろう。そう信じて、長い目で見ればそれが正しいのかも知れない。それでも大竹は無念だったろうなと思う。
金本はこの日外角球をレフトに打つ意識をずっと持っていたと思う。第1打席の第1スイング(三塁スタンドへのファール)からそう見えた。一つにはこの日の強い浜風。芯を食った打球がスタンドインする可能性があるのはライトではなくレフトだと思っていただろう。もう一つには最近のフォームチェック。ボールの呼び込みが甘く、始動が早く、インパクトの瞬間にはわずかに体の開いてしまって、ボールに下半身の力が乗っていない。それを矯正して行く意識が強かったのだろう。第3打席ではアウトローを見事に弾き返して左翼線を破る二塁打を放っている(二死からなんだから一走関本帰ってこいっつうの)。
先頭打者のこの打席も外角低めを引きつけて左へ痛打というイメージはあったろう。当然この局面、そこが中心の配球となることもわかっている。3球目、横山のフォークがやや中に寄る、この低めのボールを狙い通りのスイングで捉えると、バットとボールが理想的な角度で衝突し、浮力を生じるバックスピンがかかる、伸びる、レフトバック、見上げた、入った!一塁を回ったところで左手を軽く上げ、一塁ダッグアウトを笑顔で振り返る。きっとその視線の先には下柳を探したのだろう。
ベース一周、ナインの手荒い洗礼が待つホームを駆け抜け、喜びを分かち合う。下柳がガバッと抱きつき、ハグしあう四十男たち。ハグというより大型犬がじゃれついているようにも見えた(笑)。
無死満塁で藤本がやっちゃったり(でも好守で盛り立てていたね)、どうにもちぐはぐで、もどかしい試合だったけれど、この日に限っては大竹の投球もまた見事、素晴らしかった。まあなんだ、シモが勝ち取るべき「完封勝利」を、しっかりと4番が届けたと。めでたしめでたし、ということではいかんかね?(笑)