自称阪神タイガース評論家（跡地）

　微妙やなあ、実に微妙。先発ローテ入りを狙う中継ぎ投手に、先発のチャンスを与えるというやり方は大好きだし、勝ち星に恵まれない先発投手を中継ぎに回して、勝ち星という薬を与えようってのもキライじゃない。

　でもいったいどういう意図の筒井先発だったのかを知りたいね。先発ローテに組み込みたいって本当に思っている？それなら負け試合のリリーフでもそういう意図を持って使っていたはず。むしろ、ジェフや江草のように短い回を任せられる中継ぎになって欲しいという意図を持って、大事に使ってきたと思っていた。だから、あわよくば２番手金村に勝ちをつけてやるという狙いを持ってリリーフデーの頭としての筒井ならば理解できるのだが、４回にも挑戦させて、続投させた方が良かったと言っているところを見ると、ホンモノの先発投手として扱っているようだ。しかしながらここまでの筒井の起用法に、将来の先発ローテ入りを狙わせるという意図はあまり感じられなかった。だから筒井自身も、この先発にどう取り組んだら良いのか、わからなかったんじゃないか。ブルペンで毎日試合に備えている筒井としては、かつてのジェフや現在の江草のように、重要な場面で使われる左のリリーバーとして認められることを目指していたのではないか。奇策は奇策で悪くないけど、「どっちに転んでも悪くない」っていうのが良い奇策。メンタル面の課題を克服中だった筒井を混乱させるような奇策はどうなんだろうね。
　とはいえ、まあ筒井にとって良い経験にはなった。順調に３回を片づけられたんだから、もう打順一回りまでは完璧な自信を持って良いし、失点し走者をたんまり残してマウンドを降りた４回にしても、まともなヒットはそんなに打たれてないからね。気にしなで欲しいわ。

　もし本当に筒井先発を考えているなら続投が正解。もし奇襲と割り切ってやったんだったら、今の筒井の筒一杯である３回で交代が正解。そのどちらでもなかったから、今回の奇策は意図が不明で愚策になっちゃった。
　　私は筒井には左リリーバーとしてのスペシャリスト路線を歩んで欲しい。できたら江草を先発に回すプランの一助になって欲しいと願っている。
　あえて言えば、金村に白星をつけることだけ考えたってことなのかな？良くわからん。ま、しかしあそこで金村曉はちょっときつかった。開き直りに期待したギャンブルなんだろうけどね、真弓監督は案外こういうことをやるんだね。ま、だけどそう都合良く目が出るような賭けではなかったかな。
　嫌いな策じゃないだけに、ジェンと筒井で４、５回まで、後は金村曉で行けるとこまでっていうのが良かったな。


　問題はこういう貴重な大差負け試合を有効に活用できない点にあるなぁ。第３捕手に経験の場をあげようにも浅井は別に第３捕手じゃなし。たまには休ませて、代わりに必死の若手に機会をあげようにもそういう考えはまったくなし。もしも若手チームに切り替えちゃえば、前日のような１点を取る「練習」をやってみたところで別に文句も言われまいが、そうでもなけりゃ、ただただレギュラーによる「奇跡の大逆転を目指す」という名目の淡々とした負け試合がくりひろげられるだけ。
　平野や鳥谷だってぼちぼち疲れがたまる頃なんだから、センターのリザーブ（いったい誰？水田？浅井？）を試すとか、ショート大和を試すとか、いろいろやってみたら良いと思うんだけどね。

　さて済んだことは忘れて、しっかり勝ち越し取りに行くぞ。