自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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濱中 地獄から生還した4打席
5/6下柳登録、林抹消。そうだと思った(苦笑)。

歴史的な一日、交流試合第一戦。神宮の雨天中止が残念だったが、各地で熱戦が繰り広げられた。目新しさだけではなく、真剣さ、気合、集中力…そんなものを見せてもらったように思う。これから2ヶ月近く、天候が悪ければかなりハードな日程も予想されるが、ケガなく、この調子でガンバレ!プロ野球。

予告パンチのウッズに10試合出場停止の連盟処分。プロ野球ががんばっている時に起きたイヤな出来事だけに、中日も責任とってこのへんでちょっと下りてきてもらわんと(笑)。この日ドラゴンズはエース川上が打ち込まれ、打線も元ドラの鈴木捕手の好リードに沈黙。4連勝で迎えた第一戦を5連敗中だったオリックスに6−0の完敗。ナイス!北川!

東北の寒空でも意地の熱戦。E−G本当に弱いのはどっちだ決戦。見せ場を作るも惜敗のイーグルス、この交流戦で変わって来そうな予感あり。

タイガースも良い勝ち方をした。勝ち味が遅いキライもあるが、終盤まで粘り強くプレッシャーをかけ続ける形が戻り、均衡が崩れると一気に試合を決める凄みが出てきた。赤星・関本・シーツ・金本・今岡・スペンサー…この打線は、相手投手にしてみたら相当イヤだろう。特に関本の働きは大きい。「守備良し・打撃微妙」の鳥谷と藤本、「打撃良し・守備微妙」の関本。そう遠くなさそうな藤本の復帰後、また起用法で悩むことだろう。

もう、スペンサー大好き(笑)。打席での雰囲気、特にランナーがいる場面では、相手投手に相当なプレッシャーを与えている。リラックスして甘い球を待つというシンプルな考え方が好結果を生んでいるのだろう。走塁で見せる気迫、長打力…。桧山との併用でもそれなりに結果を出し続けている…大したもんだ。スタメン固定を激しく希望。

安藤投手、ナイスピッチング。野口捕手、ナイスリード。二人で試合を作った。
見慣れないせいもあるのだろが、野口のリードは惚れ惚れする。強気を引き出し、投手を乗せていく。ストライクゾーンを広く使い、緩急を上手く使う。今季初安打も出て、ようやく「開幕」。もっともっと野口を使おう。
安藤も好調を維持している。勝ち星がつかない不運が残念でならないが、勝利に大きく貢献した。相手エース、金村投手との投げ合いは見ごたえがあった。次戦こそ援護をもらいたい。

江草投手、嬉しいプロ1勝目。昨季終盤、先発し7回を1失点で抑えてもつかなかった初白星が、1/3回、わずか9球で転がり込んできた。しかしその9球にはそれだけの価値があったと思う。木元には初球をポテン、不運な当たりで二死一二塁、打者小笠原というピンチを迎えた。だが江草はまったくひるんでいなかった。矢野の要求通りにインサイド低めに直球を叩きつける。この球が素晴らしい。上背があるわけでもないのに角度がある。回転が良いために、低目で伸びる感じだ。徹底的に内を意識させて、最後は外のボールになるスライダーで空振り。気迫のこもった投球が次の回の猛攻を引き出した。胸を張って良いプロ1勝だ。

ナイスゲームの中で金本が左ヒザを痛めた。あの金本が平静を装いきれていなかっただけに、かなり心配。

濱中は集中できていなかった。おそらく気負いが筋肉をこわばらせていたのかも知れない。無理もないことだ。
第一打席は、二回、スペンサー二塁打の後、二死二塁。ボール球のフォークを空振りし、真ん中やや低めの直球に手が出なかった。見逃し三振。消極性を悔やんだことだろう。
第二打席は、五回、一死走者なし。カーブ、フォークを積極的に打ちに行くもファール。2−0からボールになるフォークを空振り、三球三振。ムチャ振りを戒めたことだろう。
第三打席は、1点ビハインドとなった七回、一死一塁に四球のスペンサー。やや疲れの見え始めた金村の制球が乱れ、変化球が3つ続けてボールになる。0−3からの4球目は真ん中高めの直球。濱中は見送った。岡田監督の表情が映る、かすかな苦笑…おそらく「打て」のサインが出ていたのだろう。03年春先、4番に座っていた濱中なら強振してスタンドに放り込んでいただろう。思い切りがつかない、バットが出ない…そんな印象だった。5球目も見逃しカウントは2−3。岡田監督はここでスペンサーにスタートを切らせる。もちろんあり得る策ではあるが、打者がこの日2三振の濱中となるとリスキーなサイン。三振ゲッツーで、流れを失うことにもなりかねない。だが岡田監督のこのサインが濱中を集中させた。
(監督は信用してくれている、まず当てることから)
結果は外の低めに食らいついて二塁ゴロ。スペンサーは二塁に生きた。この打席で、濱中の「頭」と「体」が繋がったように感じた。
そして第四打席。八回、2点取って同点、二死満塁。途中にはウソのようなエラー(記録は安打)もあった。この男の持って生まれたものだろう、こういう場面が回ってくるのだ。
初球はボール球に手が出て空振り。2球目は建山の速球に振り遅れ空振り。あっという間に追い込まれた。しかし3球目は同じ球をファール。タイミングの修正に成功し、一気に楽になった。4球目の外高めの釣り球を見切ると、5球目、直球が「逆ダマ」でインローに入る。素直に反応した打球は、レフト左を抜く逆転の2点タイムリー二塁打になった。
一年にも及ぶブランクで失った真剣勝負のカンを、4度の打席で、その一球一球で、急速に思い出しているかのようなこの日の濱中選手だった。
そして4打席目で生まれた貴重な一打に、チーム全員の喜びが爆発した。感動的なゲームだった。

Posted by torao at 09:05 | comments(11)
[退団者]濱中治
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おはようございます。
ほんとに感動的なゲームでしたね。
のぐっさんのリードもナイスでした。
アンドゥもナイスピッチングでした。

今日はみんなみんな褒めてあげたいです。
私もスペ大好きです(笑)
あのガッツが好き!
| ちょびうさ | 2005/05/07 9:23 AM |
チャンスにめっぽう強い濱中の復活!!タイガースファンにとっては頼もしい限りですが、右肩に爆弾を抱える濱中にとっては前途多難な野球人生が続くことだろう・・・。あぁ、交流戦がづっと続いてくれたらなぁ。
| shirotan | 2005/05/07 9:30 AM |
おはようございます。

スペンサー、僕も大好きです。
あの3ランと走塁は、日ハムに強烈な印象を与えましたね。
試合後に飛ばすアメリカンジョークもgood。

セギノール選手が、ジェフの完全なボール球に手を出した時に
ニヤリとしましたよ。油断しなければ、かなりやってくれそうですね。

江草も、やっと初勝利。若手投手陣たちの初勝利が続々と。
ちょっと遅れを取っていた分、これからバリバリ投げてほしいです。
| allen | 2005/05/07 9:37 AM |
最後のところだけですが、久しぶりにTV画面(NHK-BS)で見れました。濱中が打った時の岡田監督、まるで素人の選手の父兄のように喜んでましたね。本当に嬉しかったと思います。浜ちゃんも、あそこで打つのがスターの素質ってやつです。

皆さんのおっしゃるとおり、昨日は野口を使ったのがヒット。今の阪神は、矢野より野口の方が合っている投手(細かなコントロールより、勢いで勝負するタイプ)が多いと思うんだが(下柳以外は全員?)、矢野の打撃は捨てがたいし、うまく併用して欲しいと思います。
(もちろん、浅井も)
下柳をもう上げたんですか?今日か明日に使うのかな?

試合とは関係ないけれど、スポーツニュースで見た限りでは、選手会長の交流戦開始の口上で、カンペを使ったのは今岡だけ?
ファンのことを第一に考えているなら、あれぐらい分量なら覚えるなり、内容だけ決めといて自分の言葉でその場で話すなりして欲しかったなあ。
| ばかぼん父 | 2005/05/07 9:48 AM |
to ちょびうささま
本当に、まだまだ他の選手も褒めたいけど長くなるのでやめときました(笑)。
ぺんすけ(スペンサーの愛称・ただし使っているのは私だけw)、いいよね。

to shirotanさま
まあ今だけはそれは考えないでおきましょうよ(笑)。なるようにしかなりませんから。

to allenさま
ぺんすけのジョークは、アメリカンジョークというより、オヤジギャグに近いような…(笑)。
江草もこれで一人前、もっと伸びそうな予感です。

to ばかぼん父さま
岡田監督もまた「素」が出始めて良い傾向です(笑)。なーんもかっこつけないでコテコテ丸出しでいったらよろし(笑)。
今岡会長は、そういうの苦手なのね(笑)。
| torao | 2005/05/07 9:52 AM |
天気はすっきりしませんが、とても気持ちの良い朝です。
6回の好機に金本の三塁線への鋭い打球、やった先制点!と思った瞬間の小笠原の横っ飛びキャッチ。そのすぐ後の木元の技ありホームラン、流れは完全にファイターズでした。このままやられるのか、でもそうなったとしても悔しい気持ちにならない、交流戦に臨む自分の心構えができていない、そんな印象も何もかも吹っ飛ばしてくれた浜中の決勝打でした。つないでつないで「逆転の虎」たまりません。
toraoさんの分析4打席のドラマ、中身濃いです。
ヒーローインタビューの浜中の大きな瞳がうるうるしているのを見て、自分も思わず…。ベンチの岡田監督の表情もスロー再生されていましたが、もう顔ぐちゃぐちゃでしたね。
江草も初勝利、矢野のサインに二度首を振っての内角攻め、最後も決まりました。
今後に楽しみ多い、最高の交流戦スタートでした。
| おかぼん | 2005/05/07 10:00 AM |
終盤大爆発は、2003年を彷彿とさせ、吉。
裏のヒーローは野口。
おさむは天性のオーラを持ってる。あそこで藤本なら、ファンは「町田出せぇ〜」と怒鳴っていたと思う(爆)
バカ会長の「朗読」は身内の恥をさらしているようで悲しかった。あほたれ・・・
しかし、安藤は不運な男だなぁ・・・

ちなみに、「ぺんすけ」採用!(笑)
| かきぴー@ろっこうおろし | 2005/05/07 10:39 AM |
濱中は自らの力で重い扉をこじ開けましたね。あとはダメ押しのダメダメ押しのダメダメダメ押しで…。第1打席。濱中は2−3からそれでもフォークを待っているように見えました。それがセリーグの配球だから…。第2打席。第1打席とセット翻弄されてしまいました。第4打席。2−0からの建山投手の誘い球は「三振しかアウト取れんのか」という建山投手の気迫までリセットしてしまったようで…。釣り込まれた画面でバットが一閃。打球が速すぎて見えませんでした(笑)。はまちゃん、おんと、ひょぉひゃったぁ〜。
| BSミツルH | 2005/05/07 10:53 AM |
日ハムとのオープン戦は終盤に一気呵成の10得点。こりゃあいつでもシーズンインして大丈夫だ!

おっと勘違いしそうでした。テレビの中継を見ている最中も。
8回表の攻撃は何度見てもしびれます。もう2番セカンド・関本でいいんではないでしょうか。一塁に赤星をおいて彼が打席に入ると、何かやってくれそうな予感を与えてくれる。守備力では藤本にゆずるとしても、もすこし慣れれば去年の今岡くらいには十分守れそうだし。
濱ちゃんの復活の一打をはじめ、うかれネタ満載なのですが、不安もちょっとは口にしないと落ち着かないのが、オールドタイガースファン。金本の足が心配だ。「症状?痛み? 自分ではわからん」というのは去年の左手デッドボールに似た状況を予感させるだけに。

昨日、大阪歴史博物館の「阪神タイガース展」に行ってきました。タイガース70年の歩みがオーソドックスに展示してあり、江夏・田淵世代の私は大いに胸を揺さぶられました。9日(月曜)までの開催なので、お近くの方はぜひおとずれて見て欲しいです。(いっそそのまま甲子園の横にでも常設で展示してもらいたい。そうすれば遠方のファンも甲子園を訪れたおりに立ち寄れるだろうに。)
| いわほー | 2005/05/07 11:54 AM |
濱中の1打席ごとの分析、「なるほどなぁー」と思いながら読ませてもらいました。
>>「頭」と「体」が繋がったように感じた。
>>一年にも及ぶブランクで失った真剣勝負のカンを、4度の打席で、その一球一球で、急速に思い出しているかのようなこの日の濱中選手だった
ってとこが特に好きです。
バイト行ってたから4打席目からしか見れてなかったので非常に参考になりました♪
| jagi | 2005/05/07 3:09 PM |
はー疲れた。極・貧打戦はくたびれますね、負けて疲れ倍増(笑)。でも自分ばかり良い思いをしてはプロ野球も盛り上がるまいと無理矢理納得させて…

to おかぼんさま
祝福に満ちあふれた時間でしたね。岡田監督と濱中選手の絆を見たような顔でした。
江草もずっと頑張っていましたからね、ちゃんとご褒美があるんですね。

to かきぴーさま
野口捕手も、本当に立派ですね。腐らず、準備を怠らず。そんなにすぐに出てきて、活躍できるもんでもないと思うのですが、エライ。
バカ会長(笑)…、ま野球でがんばってもらいましょう(笑)。

to BSミツルHさま
反射で打ったような打球でした。あるいは才能で打ったとでも言うのでしょうか。インタビューでは、大きな目から涙がこぼれないように必死だったように見えました。今思い出しても幸せなひとときでした(笑)。

to いわほーさま
いやいや何をおっしゃいます。両投手の投げ合いは、まさに真剣勝負のもの。私はすんなりと交流試合の魅力に吸い込まれましたよ(笑)。
「阪神タイガース展」甲子園球場内の博物館に常設しておいて欲しいなぁ。

to jagiさま
二軍戦でHR2本打ったといったって、一軍とは全然違いますからね。ハマちゃんもはじめはさっぱりでした。もっとも金村投手の投球が本当に素晴らしかったですからね。書いたものを批評していただくことはとても嬉しいことです。ありがとうございます!
| torao | 2005/05/07 8:31 PM |

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