2009.12.29 Tuesday
高野栄一氏…球団取締役に昇格し、球団副本部長兼管理部長に加え育成部長を兼務
酒井清史氏…広報部長→営業部長
四藤慶一郎氏…取締役総務部長→取締役広報部長
嶌村聡氏…編成部次長
山縣修作編成部国際担当・オマリー駐米スカウト→退団
中日ドラゴンズが黒字になったのだという(朝日)。セで唯一観客動員は減少したが、超高額年俸選手が去り、出費が減ったからだという。
タイガースの年俸総額も5億円以上減りそうだという(サンスポ)。超セレブ待遇の城島招聘はあったが、やはり高額年俸選手が去ったり、大型減俸があったからだという。
全体としてそういう流れがある。世間の不況風は未だにとどまっていない。そんな中、タイガース主力選手たちが異例の大量越年になった。伝えられるところでは、単に「金額面でのもめごと」ではなく、「球団のビジョン」や「全体的な話」について話し合っているのだとか。
先日も書いたが、事なかれ主義の妥協しあいによって、なんの引っかかりもなく過ごすより、アクションを起こし、それによって軋轢や衝突が生まれて、それを乗り越えようとして行く方が100倍も1000倍も良いと思っている。ただ、その時には常にお互いの共通認識、共通目標だけは常に確認し合って欲しいと思うのだ。
どうやらその御旗が「タイガースを強くするために」「勝つために」ということになっているようだ。でもそれはなかなか難しい共通目標だ。あくまでも「勝った負けたは時の運」であり、相手の戦術に対して臨機応変に対応させるものであり、古今東西勝ち方にもいろいろあるのだから。「勝つために」は確かに共通の目標であっても、その「ルート作り」を選手とフロントで共通認識にするのには少々の無理がある。「選手としての気持ちvsフロントとしての気持ち」から完全に脱することはできまい。
であれば、選手、首脳陣、フロントによるオール阪神タイガースは、何を「共通目標」「共通認識」にすべきか。
その第一原則は、どうすればお客さんが来てくれるかを追及すること。これにつきるのではないか。当たり前の話になるが、選手の年俸も、球団経営も、勝つことも、プロ野球という商売があってのこと。商売は、需要があってのこと。需要を開拓し、掘り起こし、刺激することが、全阪神関係者の共通目標だ。常にお客さんが何を求めているか、それを提供するために何をすれば良いかをベースに考えるべきだ。
どんなに選手を大事に扱おうとも、どんなに年俸を下げて合理的な経営を導入しようとも、どんなに立派な育成方針を打ち立てようとも、どんな大補強をしても、お客さんの支持に繋がらなければ意味がない。商品の魅力、魅力的な売り方を目指さなければ役立たない。それがプロ野球の大原則だ。
持てるベストの力を発揮できないプレーヤーは、お客さんへ訴えられない。力を緩めているようなプレーなど言語道断。逆に、持てる能力は低くても、常に工夫をこらしてベストを尽くしているプレー、成長を感じさせるプレーには、結果は別にして大きな拍手が寄せられるだろう。日頃の選手の行動、球団の施策の一つ一つに、いかにお客さんを喜ばせようという意識を込められるか。それこそが、選手とフロントという利害の絡む話し合いの中にも貫き通すべき大テーマであることを忘れないで欲しい。
「お客さん」の一人として、今の私の欲求を記すならば…
「早く次の章を見せてくれ」この一言に尽きる。