自称阪神タイガース評論家（跡地）

　新潟ではブラゼルもマートンも一息つける活躍があった。チャンスで凡退ばかりを繰り返していると精神的にも参ってしまうだろうが、こうやってリラックスできるようになっていけば、持っている実力が出せるようになる。そうしてこの不動のオーダーが固まっていくのだろう。人の気も知らないで。

　実績のある連中が多いので、出っこみ引っこみしながらある程度の線にはもっていくだろう。でもそれでずーっと押し通そうとすると、ヨソに勝てないのだ。見込みの範囲内のチームじゃ優勝できない。優勝するチームは予想外のことが起きるから優勝できる。もちろん優勝候補が優勝することだって珍しくないが、よく見てみれば当たり前のように優勝するケースより、予定外のトラブルを抱えたり、大きくつまずいたりしながら、それをはね返すような予定外の何かがあって優勝している。

　誰が０３年に今岡が.340で首位打者獲ると思っていたか。赤星が61もの盗塁を決めると思っていたか。そういう予想を超えた大飛躍を見せる選手がいるとエッジが効いて大きなモメンタムがやってくる。

　選手が持っている特長を見逃さず、もっとも生かせる場所を作る。それが首脳陣の役割だ。ことさら突然変異的な成長、予想もしていなかった「特殊能力」を活用できるかどうか。

　鳥谷の見極め率が打撃好調の中で生かされれば「お化け出塁率」になる。ずっとある傾向だが、今年予想以上に伸びている。
　逆に平野の打率.252、出塁率.308は予定より低い。１番平野でなく鳥谷は大いに理にかなっている。

　しかし平野で特筆すべきは得点圏で２３打数１０安打、打率.435はリーグ３位（規定以上）の高率。これは今までになかった傾向だ。勝手な解釈ながら、反発係数の低いボールで、平野の守備が試合を左右するという状況が増えた。好プレーの連発が「球際の強さ」となり、好機での勝負強さに繋がっているように思う。したがって平野２番が現状適正かどうかは大いに疑ってかかって欲しい。前にも書いたが、残している数字からも６番という打順は検討に値する。

　２番タイプとして俊足でセンスのある大和を使っておけ、ゴロだけ打てと厳命し、バントよりもエンドラン、併殺崩れでもＯＫ、失敗ＯＫで盗塁させろ。これがモメンタムのキーになると私は信じている。

　もう一つできれば７番でも楽しみな試みを実施して欲しい。現状ならブラゼルの定位置とすべきだと思う。大きなスイングで相手をビビらせてくれたらいい。しかしヒザも本調子ではなさそうだし、時々は将来のスラッガー候補、イキのいい若手を７番に置いて、思いっきり振ってこいと送り出したい。堂林、筒香（すでにクリーンナップだけど）のような選手にも出てきて欲しい。あんまり現状ではピンと来る選手がいないのだけどね。森田のさらなる飛躍を待ちたいところだ。

　だけど現在の並び順、変えそうもないね。変えてくれたらいいのにな。

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