自称阪神タイガース評論家（跡地）

　それは「アメリカンノック」。マートンが不振を極めれば、外野で左右に振られ、スワローズが１０連敗すればみんなでへとへとになるまで走り、浮上気配だったライオンズが思わぬ連敗を喫すると、渡辺監督就任以来初の休日返上、全員練習で球を追いかけ、スタメン落ちの新井も「やろうかな」と志願する。

　ボールがあると追いかけてしまうという「野球選手という動物」の本能を利用して、全身へとへとになるまでダッシュを繰り返させるという練習メニュー。選手にとっては最上級にキツい練習。若手の頃からコイツでしごかれて、やれ！と言われたってとてもじゃないがやりたくない練習。それなのに、いやそれだからこそ、選手たちは追いつめられた時に、まるでそれが魔法の練習であるかのようにアメリカンノックにすがりつく。きっと「アメリカンノックをやったんだから、きっともう大丈夫」という気持ちのお守りみたいなものなのかも知れない。実に面白い。
　まあそんな大事にとらえない選手もいて、ベテランの域に達しても普段からコツコツ、さらっとこなしたりしている。やっぱりそういう選手は長い目で見ると体力の違いを見せつけたりするよね。

　みんなで焼き肉食って気持ちを揃える「決起集会」と、何もかも忘れて初心に戻るアメリカンノック。これが野球界の二大テコ入れ策みたいだ。とかく世の中にはズルズルとうまくいかないままのことが多いのだけど、こういうシンプルな状況打開策があるっていうのはいいよな…と思った。

　さて交流戦折り返しは、２つやられたファイターズと。札幌からの巻き返し、楽しみにしている。

人気blogランキング ＞＞