自称阪神タイガース評論家（跡地）

　中止続きだった二軍中日戦、秋山は５回３安打自責ゼロながらエラー絡みで３失点。その数字以上に内容が悪かったようで、さて次回登板は上なのか下なのか。上でいいと思うけど。

　最後９回二死から新井兄弟（本当に仲がいい）の長短打で１点差に迫るなど、スコア上は僅差の試合だが、試合を見ていた印象は、もう勝負づけが完全に済んでいる者たちの「消化試合」。勝った側は、「勝負の世界、負けた者を徹底的に打つ」をやらなきゃいけないのはわかっているが、なんだか虚ろな眼差しの弱者に対してそこまで冷徹になれない様子。とにかく届くように感じられない２点差であり、遠すぎる１点差に見えた。

　「いや、まだまだ全然アリだろう。来るぞ来るぞ」というものが感じられない。そうさせているのは私個人の「想像」にすぎない。だがそのように想像させるのは、テレビに映る選手の表情であったり、監督の視線であったり、ベンチの雰囲気であったり、逆に相手側から受ける印象であったり。

　そうなるともう未知なるもの、これからどうなるかわからないというより不確定なものに心惹かれるのは当然のこと。７回は大和にどういう形でチャンスが回るかと楽しみにした。９回は、上本にどんなチャンスが回るかと想像した。しかし７回表二死一三塁で回った大和には代打桧山が告げられ、１点差となった９回表二死二塁で上本では代打浅井が登場した。どちらも実に常識的な采配であり、どちらも実に糞面白くもない采配だった。

　桧山、浅井に恨みはない。二人とも好きな選手だ。だが明日のタイガースを託すという年齢の選手ではない。カープのノムケン監督、もちろんいいところで前田智を代打で切っている（残している成績もすごい）。代打の陣容が違うといえばそうかもしれないが、堂林も菊池も終盤の勝負所で打席に立たせ続けている。

　「なぜ桧山を使わなかった！？」「なぜ上本をそのまま打たせた！？」そんなスポーツ紙の見出しが怖いのだろうか。私と同じ感想を持ったタイガースファンはおそらく何万人といる。別に若手を使えとか、育てろという意味で言っていない。そっちの方がワクワクするし、何かが起きそうだし、勝てそうだし、たとえそれで負けても「いいよ、問題ないよ」と言える。